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♪愛を求めて     1970.07
 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE 
  詩/曲:B.Bacharach,H.David  編曲:クニ・河内 
  演奏:オールスターズ・レオン (コーラス)フォー・メイツ
  録音:1970.03.19 キングレコード音羽スタジオ

   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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この歌を、このLP(CD)を、サブタイトルの<ピーナッツの新しい世界>を
意識化しないでいきなり聴くと、びっくりしてしまいます。
「うちのステレオ壊れたんじゃないのか?」そう思っても不思議じゃないですね。
だって左チャンネルからしかピーナッツの歌声が流れないんだからさ!
従来の歌謡曲やポップス愛好家からは、これはないだろう、と怒られそうな手法。
でも自称オーディオマニアだった私は狂喜乱舞。「やったぜ、ベイビー」でした。
メインボーカルを片寄せにしちゃうというのは溝を刻むには厳しい条件じゃないのか
と思いましたが、問題など無く仕上がってました。勿論、CDなら無障害ですよね。

ピーナッツのLPは理由はわかりませんが、30センチ盤になると飛躍的に盤質が
向上したと思います。25センチLPはどうも不安定でビリつく感じがしてました。
だから、この頃の音質は勿論グッドでとても素晴らしかった。
さて、肝心の歌なんですが。やはりLPアルバム全体として表現が行われているので
一曲だけを云々というのも妙なことになります。全部聴いてみようとしか言えない。
とにかく、この類いは得意中の得意なわけでして、聴かなきゃソンソン。
加えて、NEW DIMENSION OF THE PEANUTSなわけでして、新世界どころか新次元なの。
こういうのが入っていなくて何故<ザ・ピーナッツ全曲集>なんて名前のCD出すの?
商品の表示に関して、今、最も適正化がなされていないのがこの音楽産業だろうね。

今や音響機材なんかは特別な質を望まなければ割と安価に揃えられる時代になったし、
いきなりアルバムデビューなんかも出来るし、ありきたりなのかも知れないけれど、
当時、このような実験的なLPを作るのはスタッフの目的達成意識が凄かったと思う。
とにかく跳んでてカッコイイんだ。こういうのを芸術といったらおかしいかい?
こういうと誤解を招くけど、下手なオリジナルより、これが、ザ・ピーナッツなんだ。
これこそが、ザ・ピーナッツの真骨頂だ。と高らかに宣言したい。
ここからが矛盾するんだけど、仮にこのLP(CD)一枚しか買わないとするとですね。
それもまたザ・ピーナッツが可哀そうな気もするんです。
例えばこのジャケット。LPなら写真が大きいからまだしも、部品化してるよ(笑)。
以前にも書いたことだけどピーナッツはデザインのパーツになってるわけなんだよね。
実際、中身の音楽でもそういう扱いであって、それが効果的で斬新さに繋がっている。
それまで沢山の主役をジャケットでも楽曲でもこなしているからこれでいいのだ。

脱線するけど、昨年末のNHK紅白を見ていて、つい思ったことなんで書きますが、
Kiroroさんの衣装があれでは気の毒だなと感じてしまったんです。
普段着が持ち味であろうことは百も承知ですが、演出云々別に「女の子なんだもん」。
芸能人ではなくたって(普通は)一生一度はウエディングドレスを着たいでしょう。
晴れ舞台には晴れ姿ではないのかしら。毎年出れるとは限らないし。罪な事だと思う。
容姿とか似合うとか関係なく女性ならば誰でも松田聖子みたいな恰好をしてみたいと
思うものではないのでしょうか。たった一度でもその思い出は貴重じゃないかしら。

ザ・ピーナッツさん達は16回も紅白に出られたので、可愛い恰好や色っぽいのまで
ファッションショーのような華やかさを振りまいて女性冥利に尽きたと思います。
男のくせに何を馬鹿なこと書いてるんだ、脱線にも程がある。とは薄々感じますが、
このLPこそがピーナッツだとはいいながら、やっぱりシングルの歌やアイドル風の
ジャケットのレコードもあって、それからこれがあるという面も無視出来ないよね。
ということでピーナッツ愛慕犬は新年も相変わらずの寝ぼけ話シリーズを続けます。
あまりまともに読むと狂犬病が感染しますので、くれぐれも御注意ください。
今年は世界が、みんなが、明るく幸福でワンだふるな年でありますように...。

2002/01/03(Thu):投稿