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♪安里屋ユンタ 1970.06録音 1970.08発売
(沖縄県民謡)編曲:宮川泰 演奏:記載なし
音源:8トラック・カートリッジ・テープ(アポロン音工)
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★ | ★★★★ | ★★★* |
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今にして思えば何でこんなに沢山の民謡俗曲のレコードを出したのでしょう(笑)。
とにかく凄いボリュームです。試みに列挙してみましょうか。
01五木の子守唄(2種あります) 02伊那節 03お江戸日本橋 04大島節
05おてもやん(2種あります) 06おはら節 07木遣りくずし 08金毘羅舟々
09斎太郎節 10佐渡おけさ 11三階節(2種あります) 12島原地方の子守唄
13関の五本松 14ソーラン節(2種あります) 15田原節 16中国地方の子守唄
17ちゃっきり節(2種あります) 18通りゃんせ 19花笠音頭 20深川くずし
21八木節 22よさこいマンボ (今池音頭や祇園小唄などは除外)
まあ、何とのべ28曲も吹き込んでます。隠れた民謡歌手:ザ・ピーナッツ?
最近の歌手には殆ど見られない現象ですが、当時の芸人はとにかく国民全てがお客様。
茶の間は一家団欒の場であり、歌はウオークマンで個人的に聴くものじゃなかった。
最新のポップスからこのような民謡や童謡に至る、3歳から113歳まで親しまれる
ことが江利チエミ先輩ゆずりのザ・ピーナッツの特徴であったのです。
ジャズしか歌わなかったらザ・ピーナッツを知らない人は日本で皆無という社会現象
にはならなかったでしょう。今、何百万枚のCDアルバムを売り上げる歌手だって、
年輩の人だと知らない人は結構いるんではなかろうか?
どこだかの会社のお客様御招待イベントのザ・ピーナッツ・ショーの受付に是非にと
お願いして高校生の分際で入れて頂いたことがありましたが(狂気の沙汰:苦笑)、
そのショーでも着物姿で歌うザ・ピーナッツはお約束みたいなものでありました。
ザ・ピーナッツを聴きにくる客層ではなくても楽しませなければならないのですから。
ビックバンドをバックに歌う民謡は、信じてもらえないかも知れないけどいいですよ。
さっき江利チエミさんを引き合いに出しましたが、この方は大変なプロ根性なんで、
俗曲の神髄まで、細かいこぶしまできちんと自分なりに消化してそれをジャズに展開。
ピーナッツはそこまでの域(粋)には達していないし学校音楽教科書の民謡の音符に
沿って歌っているようなハーモニー付きコーラス民謡というようなあっさり味です。
そうかといってつまらないのか? というと全然違います。
ザ・ピーナッツの民謡なんか聴きたくもねえ、というのは聴いた事がない人でしょう。
今迄書いてきたことは左脳的分析なのであって、右脳風に聴けば結構イケるんです。
理屈抜きで「楽しい」「面白い」「よくやるよな〜」なんです。
この「安里屋ユンタ」でも初めの14小節までで音を消したら、さて、この前奏で
ある民謡が歌われるのですが、それは一体何という歌でしょうか? というクイズが
出来そうなくらい斬新でハイセンスにジャズっています。お見事なもんですねえ。
このお仕事は宮川さんもピーナッツもノリノリ気分でやってたのではないかしら?
このCDの中に聞き覚えのある、とても懐かしいアレンジの曲が一つありました。
それは録音年月よりずっと以前のものでしたので、宮川先生は、
「あ、これはステージ用だけど、録音には使ってなかったなあ。これ使っちゃおう」
と使い回しされたと思います(笑)。これは、またの機会に書きます。
2002/02/20(Wed) 投稿