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♪あなたに夢中   1961.12
JE N'AIME QEI TOI
     原曲:F.Gerald-R.F.Dolan 作詞:音羽たかし 編曲:宮川泰
     演奏:シックス・ジョーズ コーラス:リトル・フラワーズ
     録音:1961.10.26 イイノホール

    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★ ★★★ ★★★★

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 バックコーラスのリトル・フラワーズというのは小さな花S=可愛い花達だから
 仮名のようで? ザ・ピーナッツのレコーディングのための臨時編成なのかな?
この曲もコミカルでキュートでどことなく甘酸っぱいような素敵な歌です。
オリジナルと聴き比べる必要性なんかあまり感じない歌だな〜。そんな気がする。
直前に書き込んだ「あなたなんかもういや」もそうだと思うけど、カバーすることが
目的じゃなく、ピーナッツに合っているから歌ってみたのではないかしら?

流行らせようとする意図はないのか、最初はあったのか、その事情はわかりませんが
レコーディングしただけで全くセールス活動しない、つまりテレビなんかでは全然
歌わなかった曲というのが特にシングルB面には多いです。道楽みたいなもんかな?
ただ、私の中という非常にローカルで閉じた世界では、この歌は大流行しました。
今でももちろん歌詞はスラスラ淀みなく口に出来ちゃいます。
若い時のことは良く覚えているのが年寄りの特徴なんだそうですが、そう言われては
身も蓋も無いし、それだけじゃないぞ〜と思います。

この歌の歌詞はとても覚え易いと思いませんか?
1、2、3番の歌詞がゴッチャにはなりにくいとは思いませんか?
学校のクラス仲間と無駄話で、英語のアイ・ラブ・ユーはフランス語ではジュテーム。
ドイツ語で言うと、イッヒリベディッヒだぜ、なんて言っても、ふ〜んそう言うのか、
てなもんで、歌の歌詞だなんてことは誰も気づかない、それ程に無名な歌でした。
ピーナッツの歌に夢中になっても必ずしも無益ではないと思うこと、しばしば。
良く聞く言葉だけど、実際の意味は正確にわからないこともあるけど調べませんよね。
これがピーナッツの歌だとなると、探究したくなるから不思議です。

 ♪町の人は私のことを 何にも知らぬおねんねだと言うけど
これが気になりだすと、和文詳訳をしたくなるんであります。
 ♪町の人は私のことを 何にも知らぬ<主に若い女性が、年の割に世間を知らず、
  幼稚であること:大辞林>だと言うけど
このように噛み砕くと一層味わい深くなるではありませぬか! (どこがじゃ)

まだまだあるよ。
♪首ったけなの………異性に深く心を奪われ、夢中になっているさま。
♪ぺーヴは夜露………鋪装した道路(ペーブメント)が夜露に濡れ光っているさま。
いやあ、賢くなります。(なってない、なってない) 人生一生涯これ勉強デスね。

この歌は、たったの2分4秒しかない。
「二人はしあわせ」の1分57秒には少し負けるが、ほんとに短いですねえ。
でも、この短さが...とても儚げで...余韻を残して...いいんだよな。
クラシックの曲の原譜は繰り返し演奏指定していることが多いのだそうです。
これは録音という発明が生まれるまでは演奏会だけでしか聞く事が出来ない聴衆に
曲を覚えてもらう為に必要なものだったという説が有力だし、私もそう思う。
だから繰り返しは20世紀には意味のないものだというのが通説になりました。

有名な「運命」交響曲でも大概のレコードは第一楽章の繰り返しが省かれている。
ところが原譜に忠実に繰り返している盤もある。指揮者の考え方なんでしょう。
私はミーハーですから、かっこいいところは繰り返した方が好きです。(笑)
意味が無いのではなくて、やっぱり心理的な面の効果はあるんじゃないかと思う。
だけど、冴えない短いメロディーを選挙の連呼みたいに叫び続けるというような
歌は好きじゃないです。多少いいメロディーでも...ちょっと閉口します。

ジャズでもクラシックでも繰り返しを非常に神経質に大切に行っているんです。
必ず変奏曲にして単調にならないように、その変遷ぶりを楽しませています。
そこへ行くと、全く同じ事を延々と繰り返している和洋流行歌系は無神経です。
音の拷問のようにマインド・コントロールして脳を麻痺させてしまう作戦です。
私はお経みたいな、こういうのにはアレルギーがあって気持ちが悪くなります。
同じような事を書いているインファントには気持ちが悪くなるんです(読者)。
わあ〜...そ、それは言わない約束でしょ
      。・゜゜・(>_<;)・゜゜・。 ウエーン

                   2002/04/07(Sun) 投稿