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♪あの愛をふたたび    1971.10
CONCERT POUR LA FIN D'UN AMOUR
   作詞:和田誠 作曲:Francis Lai 編曲:宮川泰
   演奏:宮川泰とルーパス・グランドオーケストラ
   録音:1971.06.19 キングレコード音羽スタジオ

    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★* ★★★★★ ★★★★★

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宮川泰とザ・ピーナッツの道楽ここに極まれり。
誰が何を言おうと、もう最高でありんす。至芸。
このLP(勿論CDでも同じ)絶対に買わなきゃダメ。一生の不覚だよ。(笑)
全部を通しての随想を書くべきだろうけど、50音ルールに反するから少しづつ。
●ピーナッツの歌
この曲に関しては難しいことは何もしていない。さらっと歌ってます。力みゼロ。
淡々と、メロディーの美しさを損なわないような気配りを感じさせる歌い方です。
私達(ザ・ピーナッツ)の歌を聴いて下さいという張り出しを全く感じさせません。
こんな歌手はあまり見当たらないのではないでしょうかね。(笑)
●編曲
宮川泰さんが好きなように好きなことをやり放題です。すんげ〜楽しいよ。
このピアノは推測ですがご自身で演奏されていると思いますよ。勝手に信じるのだ。
畳み掛けるような、この弾き方は...多分、そうじゃないかな〜。絶対にそうだ!
こういうのをピーナッツとやってた頃が天国&極楽気分の絶頂だったろうと思います。
●演奏
いやはや..大変な名手ばかりだと確信します。
これが下手だ、と感じる方は自分の感性を磨き直して欲しい。なんちゃって...
メディアが褒めたということでしか判断基準がない人は音楽聴いてもしょうがないよ。
せいぜいマスコミが売らんかなと持ち上げる商品を自己満足で勝手に聴くがいい。
ベストセラー集めたって心の糧にはならんと思うけどね。(無意味に拗ねてる:笑)
●録音
キング・レコードのザ・ピーナッツ担当スタッフは超優秀です。そりゃ最高だよ!
勿論、布施明も伊東ゆかりも江利チエミも同じ人かも知れないけどさ。(爆)
それにね。チーフ・ディレクターがどうせ牧野さんでしょ。ザ・ピーナッツ命の?
伝統的にね、キング・レコードは録音技術が生命のレコード会社だよ。(マジ)
録音が悪いなんてことは絶対にありえません。ここに断言する。耳を信じましょう。

この曲の録音一つでもいいから、今ならさしずめ、B&Wのシグネチュア800か
TANNOYのKINGDOMでもいいや。\3,500,000かあ..0が2つ多いなあ!
JBLのプロジェクトK2/S9800なんかで鳴らして真価を発揮させたいねえ。
音色も素晴らしいが、楽器の定位や、奥行き感、立体的で左右に展開する空気感。
まさにステレオ録音の醍醐味が備わっています。(あ〜また始めちゃった〜)
拙宅の貧乏人向け装置でも使いこなせばその片鱗ぐらいはちゃんと聴けていますよ。
高級乗用車一台分をオーディオに注ぎ込む余裕のある方は試して結果を教えて頂戴。
間違えてはいけないのは時代が古いから録音技術が低くて聴くに耐えないのでは?
グレードが劣悪なんでは? という誤認識をしてはならない、ということ。
ザ・ピーナッツのモノラル時代(〜1960.6迄)だって別に悪いわけじゃないのだが、
少なくともステレオ録音時期(1960.8〜)からは全部優秀録音です。
国内録音が悪い根拠など無く、プロの技術を、そして機材を甘くみてはいけません。
むしろ、現在のオーディオ環境は当時よりレベルダウンしている程なんです。
現代の状況。(オーディオ衰退を嘆く、ある記事を抜粋させて頂きました)

最近の若いミキサーはレコーディングの技術は専門学校等で勉強はしているが、オー
ディオには全く関心はなくスタジオを一歩外に出れば全くオーディオは聴かないし、
ましてオーディオファンをターゲットにした録音などは思いもよらない事だそうです。
また大半の録音現場の環境は無神経で、マイクケーブルが団子結びになっていたり、
左右の長さが違っても平気だったりと、それはひどい状態だそうです。
巷間よく言われる様に、下手なアーティストのミスを隠すために、複数のテイクから、
いい所取りをしてマスターを作るそうです。その結果、継ぎ接ぎだらけのダビングを
重ねるため、どんどん鮮度の落ちた録音になってしまうのだそうです。
売れるから儲かるからと言う理由だけで音の悪いJ−Popを安直に作り続け、売れ
ないからとクラシックやジャズはもちろん、音の良い音にこだわったソフトが本当に
少なくなってしまった。本当に若いポップス系のミキサーはラジカセで最終音決めを
しているそうですし、音の良いJ−Popは安物オーディオではかえって歪んでしま
うとの事。これではミニコンポ以上のステレオが欲しくなるわけはないのです
●まとめ
ハードはデジタル化され、高性能になったかも知れませんが、いいものを創ろうよ、
という当時のスタッフの気概、プロ根性は残された結果となって伝わってきます。
この録音に限った事ではありませんが、私は良い時代のいい仕事だと評価致します。