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♪あの日あの頃 1964.03
作詩:前田武彦 作曲:三保敬太郎 編曲:三保敬太郎
演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1964.01.27 文京公会堂
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
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この歌のルーツを知りません。
作詩は「夜のヒットスタジオ」の司会でお馴染みの前田武彦さん。
勿論、本職は作家です。シャボン玉ホリデーの歌の作詞もされておられます。
作曲・編曲の三保さんは役者でもあり、ジャズピアニストでもあり、バンドの編曲や
作曲活動もあるのですが、歌謡曲を他に何か作られているのか詳しくは存じません。
(そういえば..イレブンPMのテーマを作られているんですね)
このコンビのピーナッツの歌は後にも先にも他には登場しません。
どんな経緯でザ・ピーナッツに提供することになったのかご存知の方は教えて下さい。
LPにしか収録されていませんでしたから、ピーナッツ・ファン対象の歌であります。
カマトトっぽいと言いますか、少女趣味といいますか、ペギー葉山の「学生時代」調。
LPではこの後の「二人だけの夜」が大好きだったので、ついついこの歌もついでに
聴いてしまうのですが、ムードを壊さない、この歌の淡白さが良いなと思ってました。
それくらいに存在感の希薄な歌ですが、なんともこの清潔感がいいです。
夕焼けを眺めながら、ふと、セーラー服時代のことを懐かしんで..ああ..あの頃は
無邪気で恋の悩みもなかったんだわ...という感じで..やがて二人だけの夜に....
でも..その楽しい筈の時間がいつまでも永遠に続いてくれるのかしら..とこの2曲で
脳内ストーリーが繋がるんです。
専属契約とか企業間の縄張りのこととか色々あってままならなかったのでしょうが、
たまにこのような異色の組み合わせがあると、これもいいもんだと思います。
恐らくザ・ピーナッツの歌を作ってみたかったと思った作詞作曲家は多かったのでは?
ザ・ピーナッツほど個性際立つ存在は有り得ないと思いますから、畑違いの作曲家も
ピーナッツに相応しいようなフレーズが浮かぶ事だってあったのではないでしょうか?
後期のようにニュータイプの新進のメンバー一辺倒というのもどうかと思うのですが、
やるなら、一貫して多彩な布陣で何でもいらっしゃい体制で臨めば良かったのに。
例えば、橋本淳・筒美京平コンビなどは「離れないで」「冷たい舗道」という曲を
(例外的に)ピーナッツに提供しましたが、もしも..ならば..という私のイメージを
大きく覆す、ポップな感じではなくて、これが直球とすれば変化球で攻めています。
肩透かしを喰ったと当時は思いましたが、いやいや、そうじゃなくてピーナッツの
新しい境地を魅力を引き出してみせるんだ、という彼等のプロの意地が見出せます。
そして、確かにそれによって、残されたものが多彩になって、とても楽しめます。
それでもザ・ピーナッツの魅力の基本は宮川作品であり、それだけでも多彩です。
後年、売れ行きとのバランス上、仕方がなかったのかも知れませんが、当時好評の
作曲家の作品と並行して宮川作品も一年に5曲程度は出し続けて頂きたかった。
才能が枯渇した、ということではない筈なんである。私は営業上の都合だと思う。
だって「浮気なあいつ」が最後にさっと出来たじゃないですか、勿体なかったな〜。
この歌、もしかすると「恋のフーガ」級のビッグヒットになったと思うけどなあ。
とにかく、レコード何万枚売り上げとか,というヒット曲は少ないザ・ピーナッツ。
だけど、いいものがた〜くさんある。これだけは自信を持って言い切れますよ。
ラ星さんが“浮世離れ歌謡”と絶妙な表現をされているように、その離れっぷりが
思いきっている歌ほどお好みです。無意味なものにこそ神髄がある。(???)
ラ星師匠(急に尊敬し出したりして)が”この世のものとは思えぬ世界”と讃える
ような、色恋沙汰がテーマであっても天使の音楽に昇華させるピーナッツの歌曲群。
もっともっと吹き込んで欲しかった。(かなり頑張って浮世離れしてましたけど)
2002/05/06(Mon)投稿
>たまにこのような異色の組み合わせがあると、これもいいもんだと思います。
>恐らくザ・ピーナッツの歌を作ってみたかったと思った作詞作曲家は多かったのでは?
>やるなら、一貫して多彩な布陣で何でもいらっしゃい体制で臨めば良かったのに。
ほんとですねえ。これはもう、繰り返し言われてきた、
「ナベプロだから、あそこまで出来た」「だから、あそこまでしか出来なかった」
という話になってしまうのですが・・・。
んーーー、もう少し考えをまとめてから、来まーす!