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♪アモーレ・スクーザミ    1965.07
AMORE SCUSAMI
   作詞:あらかわひろし 原曲:Pallavicini Mescoli 編曲:宮川泰
   演奏:レオン・サンフォニエット
   録音:1965.02.26 キングレコード音羽スタジオ
    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★ ★★★★ ★★★★

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当時ブームだったカンツォーネの佳曲です。
これはピーナッツのヒット・パレード第6集のサブタイトルの曲でもあります。
白地スペースが多くて大きなレタリング文字で描かれているので目に付きますが、
さて? これはそんなに名曲なんだろうか? 私はあんまり好きではありません。
ザ・ピーナッツが歌うから聴くのであって、オリジナルには全く興味もない。
大オーケストラをバックにオペラ調の男性歌手が歌ったら似合いそうな感じです。

このLPは色んな意味で全体に軽い感じです。
レコード店で買う時に思ったのですが、俺みたいなピーナッツが歌うなら何でもと
いうようなピーナッツオタクしか買わないのではないか? と思いました。
ある程度は売れると見込んだから出すのでしょうが、あまり売れたとは思えません。
アンカーさんが、ザ・ピーナッツのLPを遂にコンプリートしたというので驚いた!
元々大した量が出ていないだろうに今頃、中古市場からよく発掘出来たもんです。
「軽い」と言ったのは色んな意味をこめています。

ザ・ピーナッツの活躍した時代は日本そのものが大きく変わっていった成長期です。
今では何だつまんないと感じるかもしれないポップスカバー曲だって当時は違う。
いきなりオリジナルが大衆の支持を受けたわけではないんです。
ザ・ピーナッツほかの日本人カバーがあっったからこそ耳に徐々に馴染んだんです。
ザ・ヒット・パレードで海外のポップスが親しまれるようになったと断定します。
その影響は凄まじく、例えば、ザ・ピーナッツがカバーした曲が本国や世界中で
大ヒットしていたのかというと、そうじゃないのです。
ザ・ピーナッツほかが自分に似合う曲を見つけて流行らせていたんです。

このLPが出た頃には日本の国力が急激に増強された時期です。
賃上げ交渉も、30%とか、嘘みたいに所得も物価も上がり続けました。
外国のタレントも続々と日本に来るようになりました。お金になるからです。
こうなると日本人歌手によるカバーは殆ど無意味なものになってしまいます。
とうとうザ・ビートルズまで来日しちゃう時勢となってカバーは死滅するという
状況になるのですが、けっこうザ・ピーナッツは最後の牙城を死守してました。(笑)
その終焉のちょっと手前にこのレコードは位置するのですが、ピーナッツによって
流行ったという曲は一つもないんです。だからこれも軽さと感じます。

ザ・ピーナッツは既に歌の技術でも定評のある中堅どころでした。
このLPが売れようと売れまいと人気や仕事に差し障りはないほど堅調でした。
だからかも知れませんがあまり凝ったことはしていません。のほほんとしてます。
慣れちゃってるという感じがします。これに賭けるなんてことはまったくない。
肩肘張らずに聴いて下さい、という感じではないでしょうか?
良い意味の軽さというところでしょう。余裕というのはこういうものかな?

ちなみに、このLPの中の特お気に入りは「ナポリは恋人」、だぁ〜いすき!
ピーナッツのカバーレコードが抜きん出て良いのが録音です。
ステレオ録音で残しているということが涙が出るほどに嬉しいと思いませんか?
当時のカバー全盛時の対抗馬は殆どがモノラル録音です。
 「月影のナポリ」(森山加代子)(西田佐知子)
 「月影のキューバ」(森山加代子)
 「ポケット・トランジスター」(森山加代子)
 「ジョニー・エンジェル」(森山加代子)
 「悲しきかた思い」(弘田三枝子)
 「シェリー」(ダニー飯田とパラダイス・キング)
 「渚のデイト」(弘田三枝子)
 「悲しきカンガルー」(ダニー飯田とパラダイス・キング)
 「さいはての慕情」(伊藤アイコ)
 「コーヒー・ルンバ」(西田佐知子)
 「ボーイハント」(西田佐知子)
ザ・ピーナッツの所属がキング・レコードで本当に良かったと思いました。
キング・レコードは今でも元気みたいです。(笑)
良い仕事をすること。先見の明があること。これは何時の時代にも通用しますね。

                  2002/06/05(Wed) 投稿



<アンカーさんよりレス> - 2002/06/06(Thu)
♪アモーレ・スクーザミ、、大好きですよ。

>ザ・ピーナッツほかが自分に似合う曲を見つけて流行らせていたんです。

いかに自分のオリジナリティーや個性を出すかが重要だったんでしょうね。
同じ曲を何人も歌っていたから、自然と比較されちゃうし。
ピーナッツはやっぱり宮川先生がいたから良かったんでしょうね。
それとインファントの連載犬さんもおっしゃってますが
ステレオ録音だったこと。
これ重要だと思います。

当時安いポータブルプレーヤーなんかで聞く分には
たいした問題じゃ無いと思うけど、ステレオで聞くと
演奏(編曲も含めて)の厚みや重量感は比較にならないですもんね。

>アンカーさんが、ザ・ピーナッツのLPを遂にコンプリートしたというので驚いた!
>元々大した量が出ていないだろうに今頃、中古市場からよく発掘出来たもんです。

そうなんです。
「可愛いピーナッツ」とか最初の「ヒット・パレード」などは
わりと見つかりますが、「アモーレ・スクーザミ」や
「アラウンジ・ヨーロッパ」になるととたんに出ません。
中古の値段もかなり高めになってます。
それだけ市場に出なかったからでしょうね。

ちなみに同じ頃キングレコードから出た
「ザ・ヒット・パレード」(SKK-120)
ピーナッツは「朝日のあたる家」と「砂に消えた涙」をが入っているやつね。
これも相当な高値で売られていますよ。
カンツォーネと言えば、キングレコードが一番力を入れていたんですよね。
当時のポピュラー系歌手にはほとんど全員に歌わせています。
またイタリアの会社とも提携して本国オリジナルの歌も
ほとんど一手に引き受けていたんです。
いまは契約切れとか、日本での販売権が無くなったため
ジリオラ・チンクエッティなんかのCDも市場から
消えてしまって残念ですね。



<迷い猫さんよりレス> - 2002/06/06(Thu)
1.カンツォーネのすべて  ¥2,857−
  オムニバス版 2枚組CD (2002.5/1.) キングレコード  
2.決定版!カンツォーネ   ¥2,381−
  オムニバス版 CD (2001.6/6.) キングレコード
 ざ〜っと、HIT曲を連ねると 皆さんCMソング等で、良く耳にすると思いますよ。
 過去からして 自動車のコマ・ソンが、なぜだか多いですね。
  ◎ イヴァ・ザニッキ(愛のわかれ・涙の定め)、
  ◎ ドメニコ・モドゥーニョ(チャオチャオ・バンビーナ・愛は限りなく)、
  ◎ ボビー・ソロ(君に涙とほほえみを・ほほにかかる涙)、
  ◎ ミーナ(月影のナポリ・砂に消えた涙・別離)、
  ◎ ウィルマ・ゴイク(花のささやき・夜の想い・花咲く丘に涙して・愛のめざめ)
  ◎ ジリオラ・チンクエッティ(夢見る想い・雨)
  ◎ アドリアーノ・チェレンターノ(24000回のキッス)



<ラ星 さんよりレス>- 2002/06/07(Fri)
これ、大好きなんです。一頃、落ち込んだ時など、これを聴くようにしていた程。
(アンカーさん、インファントさん、心配をおかけしました。)
サビ始まりの歌を、ストリングスと女声コーラスとティンパニで盛り上げますが、
それほど大編成・大音響でもないのにスケールが充分大きいのが、素晴らしいと思います。
♪スクーザミ の所、ピーナッツの歌声がやや演歌っぽく泣くのも、たまりません。

告白すると、子供の頃はそういうのがあまり好きではなかったのですが。
「ラ・ノヴィア」「コメ・プリマ」「アル・ディ・ラ」など、
三連符(「津軽海峡冬景色」のようなリズム)感情移入過多カンツォーネ
を得意とした、トニー・ダララというおじさんの代表作。
その後、世界中でそっくりな歌が作られたことでも有名です。
すぐには沢山思い出せませんが、例えばサビの後のメロディは
ハワイ(?)から輸入して佐川満男さんも歌った「ちょっと待って下さい」に似てます。
当時奥様だった伊東ゆかりさんが、レコーディングを強く勧めたとか。
因みに、ゆかりさんも「アモーレ・スクーザミ」を吹き込んでいるので、
ジョイント・コンサートで、メドレーかミックスをしちゃえばいいのに。なーんて。


<福島の狸さんよりお手紙> 2003/04/29

インファントさん、こんにちは。
 年度末、年度始めの業務に追われ、3月からなかなか休みも満足にとれない状態で、
今日やっと仕事も一段落し、ピーナッツ・ホリデーにお邪魔して、インファントさん
の部屋ものぞかせていただきました。
 そして、レコード随想を拝見していて、ヴァイア・コンディオスの曲目のところで、
私の名前を拝見し、感激してメールを送らせていただきました。
 よく覚えていて下さいましたねェ。有り難うございます。
 私も元気で、何とかやっています。

 オフ会も盛り上がったようで、良かったですね。
 このように、趣味を共有できる方達と、一同に会し話ができる・・・何と素晴らし
いことだろうと思います。

 ところで、レコード随想、まぁよく調べられましたね。今後も楽しみです。
「アモーレ・スクーザミ」は、1964年夏の第1回夏のディスク・フェスティヴァル
(イタリア:夏)の入賞曲で、ジョン・フォスターによって歌われました。
 この曲は、上位入賞曲より成功し、ピーナッツのLPのトップにもってきたり、
ダリダに日本語で歌わせたりと、この曲に対するレコード会社の並々ならぬ意欲が
感じられました。さらに、トニー・ダララにもキングレコードが歌うよう、働きかけた
のではなかろうかと思われます。

 ピーナッツの「アモーレ・スクーザミ」に刺激されて、ダリダの日本語で歌われた、
同曲が入った当時1,500円のLPを買うため、せっせとアルバイトに精を出した
ことも懐かしい思い出です。
 ピーナッツ盤と歌詞も同じ(一部違う個所がある)ですが、ダリダもオリジナルの
歌手もおとなしく歌っているのが私には少々物足りなく感じていました。
 ピーナッツは、「馬鹿な私なの〜」のところのメロディを十分歌い上げていますが、
これはピーナッツの真骨頂と思っていました。

 バイアの小道もダリダがカヴァーしており、オリジナルは誰か分かりませんが、歌
唱力のある歌手の曲を聞き比べるのは楽しいものです。
 しかし、「アモーレ・スクーザミ」や「バイアの小道」はピーナッツのアレンジが
抜群に良くできており、彼女達の歌唱力も相俟って、昔から私の好きな曲でした。
「バイアの小道」や「山小屋の太郎さん」「二人の高原」など、ピーナッツのドリー
ム・ボックスに入っていなかった時は私もショックを受け、キング・レコードにファ
ンの心理が全く分かっていない選曲と抗議文を送ったことがありましたっけ。

 「赤とんぼ」は私も好きな曲で、ピーナッツのほか、一人で酒を飲むとき聴くよう
な歌い方の加藤登紀子さんや、珍しいところではたどたどしい日本語で歌う、ナナ・
ムスクーリの透明な歌い方が絶品です。
 もうピーナッツの話は、いくら書いても書ききれません。
 どうか、インファントさんもお身体大切に、そして、これからもピーナッツ・ホリ
デーの掲示板への書き込み、楽しみに拝見しております。

※おもちゃ箱の中のアナログ音源よりCD−Rに録音する方法も、今後参考にさせ
 ていただきます。私は生来のメカ音痴なので、教えていただけれ有り難いです。

注)福島の狸さんより頂いたメールをご本人の了解を頂いて転載しました。