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♪イスラエルの子守唄   1964.03
ISRAEL LULLABY (原曲は民謡です)
   作詞:音羽たかし 編曲:宮川泰 演奏:レオン・サンフォニエット
   録音:1964.01.27 文京公会堂
    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★* ★★★★ ★★★★

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悲痛な歌です。でも、とても心打たれます。戦争なんかなくなってほしい!
ザ・ピーナッツは流行歌手ですが、そんな枠組みは超えて、この歌と演奏を多くの
方々に聴いてほしいと切に願います。この曲の歌唱の白眉と言っても過言ではない。
宮川先生の弦の使い方...実に泣かせます。混成合唱も哀切感を盛り上げます。
これはもう単なる商品とはいえない。キングレコードの良心の塊のようなものです。
世間の相対評価は別として、今、話題の義務教育での絶対評価なら私的に「5」です。

娘が小さかった頃、絵本を見ながら涙ぐんでいたんです。どうしたんだろう?
その絵本は「かわいそうなぞう」でした。ご存知の戦時中の上野動物園のお話です。
まだ字が読めないので家内が読んであげたと思いますが、その本を一人で眺めて、
絵を見ながら涙を流していたんです。なんて優しい子なんだろうと思いました。
いや、うちの娘だけじゃない筈です。どこのお子さんも優しいに決まっています。
子供時代は天使なのに、何故、大人になると殺し合いまでしちゃうのでしょうか。

理屈や想像ではなかなかわからないことってあるものです。
子を持って知る親のありがたさ、というのはその典型的なものです。
大変な思いをして育ててくれたんだ、という意味合いはそんなに感じないのですが、
愛おしく思ってくれているんだという大切なことをついつい忘れてしまってました。
愛する者が居るということはとても幸せだけど、一方とても不安なものです。
強盗でも入って殺されてはいないだろうか、と家に着くまで心穏やかではありません。
「おかえりなさい」と揃って玄関までドタドタと来てくれるとほっとしてしまいます。

各国の政治家や宗教の指導者は全員「母」でなければならないという制約を設けたら、
世界平和が実現するのではないかとついつい想像してしまいます。
父親でさえ子供の将来が安全で平穏であることを願っていますが、お腹の中で子供を
育てた母であれば、その思いはもっと痛切なものではないかと思うのです。
殺戮し合うような方針には例え教義がそうであっても母性本能が認めないでしょう。
そんなの全然ナンセンスだよ。..そうだよね..じゃ、こういうのはどうでしょうか?

世界中は全部繋がっているんだから、まず、家族内から判り合うところから始めて、
お隣と仲良くするという連鎖が続けば最終的に世界が平和になるんじゃなかろうか?
お互いに思っていることは黙ってないで話しましょう。意見は意見。思っている事は
変えようがなくても、じゃ、どうしたら仲良く出来るか考えるのが霊長類の知恵です。
戦ったり、勝ったりしたって、それじゃ永遠に平和になるわけはないように思います。
またしても単純すぎるかな? (小学生の作文以下だなこりゃ:笑)

♪グットナイト グットナイト おやすみ坊や
 夢にみましょう 十字架のその下に 静かにねむる パパを
 いつかは戦いの 終わるその日を待ち
 平和に暮らしましょう イスラエルの丘で

とてもいい詩です。イスラエルに一日も早く平和の訪れることを祈って筆を置きます。