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♪いつも青空   1966.05
TOUJOURS DES BEAUX JOURS
  原曲:H.B.Marvin B.Welch,B.Bernnett,J.Rosttill
  訳詞:安井かずみ 編曲:宮川泰 演奏:レオン・サンフォニエット
  録音:1966.02.28 キングレコード音羽スタジオ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★ ★★★★ ★★★★

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この年のお正月頃にシェイラさんという女性歌手が流行らせたフレンチ・ポップス。
ピーナッツの歌というよりも、中尾ミエさんらの歌声の印象が強いです。
デビュー以来毎年かなりの数のシングル盤をリリースしていたピーナッツですが、
この年以降は、2〜3枚というペースにダウンして来ます。
ファンとしてはもう人気がないのかなあ〜、ヒットしないからかな〜とやきもき。
そんな時期に出るLPはとてもありがたいものでした。
絶頂期ならばシングル盤になったであろう歌がた〜くさん詰め込まれているんです。
LPにしか入れないなんて勿体ないなあ〜という歌もあります。

しかし、一方、この年あたりからのカバー曲は数合わせに入れたような歌もある。
この曲は、汚い言葉で言うと、手抜き、のような感じを受けてしまいます。
もちろん、ザ・ピーナッツさんが手抜きをしているとは全く感じられません。
手抜きが出来る程のあり余る才能に恵まれてはいないのはわかっていたと思う。
双子だから息がぴったりあってる、と良く言われますが、そうなんだろうか?
ユニゾンの所は当然、ハーモニーの部分でさえ伸ばすところのヴィヴラートの波を
合わせようとしている。合わない場合もあるが、合わせようとしているんだ。
こういう研究、練習を絶えずやっているのだと思う。

声量が凄かったり、音域が抜群に広いとも思えない。リズム感も普通でしょう。
私はチャーミングな声音だと思うけど万人が素晴らしい美声だと認めるでもない。
スポーツ全般は絶対に得意じゃない筈と推察するのにダンスはしなやかに踊る。
上手く見えるように練習をしたからだと思う。双子だから揃ってたのではない。
たいした美人でもないのが幸いして単なるアイドル歌手と違いスケジュール的にも、
そういう訓練をする時間がもらえていたのではないかと思われます。

だからこそ、スタッフが上手く聴かせるようにアレンジしてあげよう、とするし、
見栄えがするステップを振りつけようともするし、綺麗な衣装も考えてあげるし、
いい演奏でバックアップしたい気持ちにもなる。そういう張り合いが生じる。
ドイツ語の歌も現地スタッフがピーナッツが何度やっても発音出来ない文字は抜いて
作詞をしてあげたという逸話が(噂ですが)あったりもします。
一生懸命にやっているからこそ、何とかして上げたくなってしまうんじゃないかな。
つまり、ピーナッツはスタッフ次第だと思う。悪い意味では無い。

だから、そういう点で、この曲はスタッフの気概に物足りなさを感じてしまいます。
そういう余計なことまで考えて聴いてはいけない歌なのかも知れません。
とにかく軽いのです。こちらも軽快な気分で聴くべきでしょう。
 ♪アウ アウ アウ アウ ...........の可愛らしい二重奏。
 ♪私は い〜〜〜〜ま〜〜あ〜〜.......のピーナッツならではの末広がり効果。
楽しければ、全て良し。これをもって結論としましょう。(笑)

2002/08/15投稿