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♪祈り      1968.12
 REZA
    原曲:Eduard Lodo、Ruy Guerra
    編曲:中村五郎 演奏:オールスターズ・レオン
    録音:1968.09.06 キングレコード音羽スタジオ
    (他に「祈り組曲」というのもあります)
    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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セルジオ・メンデスとブラジル’66の最高傑作(と思う)。
レーベルがキング・レコード系だったせいもあるけれど、女性ボーカル二人の
クールで新鮮なハーモニーが効いたこのサウンドはザ・ピーナッツがカバーを
するようにこの世に生まれたかのようなフィットぶりです。
もちろん、それをシングル盤でカバーするなんてのは野暮の骨頂です。
さりげなくLPの中でそっと歌ってしまったところがいい。ニクイねえ。

ザ・ピーナッツのタイトルでは「REZA」ですが、オリジナルは「LAIA LADAIA」。
この違いは何か理由があるのでしょう。
私が当時買ったのは、セルジオ・メンデスとブラジル’66第2集(33回転)
 A面「フールオンザヒル」「スカボロー・フェア」
 B面「祈 り」     「フェスタ」
このタイトルは「REZA」になっています。別にどうでもいいので追求しません。
蛇足ですが、こういうコンパクトLPというのは余り音が良くありませんでした。

こういう歌は楽しさが最優先。リズム感やハーモニーが大事じゃなくはないが、
それより面白いことが望まれます。その点、中村五郎編曲はちょっと生真面目。
宮川先生だと、これは踊り出したくなるアレンジに仕上げるかも知れないけど、
クールでオシャレな感じがして悪くはないです。こういうピーナッツもいいよ。
ちょっと巫女さん風のロングドレスで舞台はあくまでコンサート仕立てです。
ドライアイスの煙を足元に漂わせて、ソロ・ゲスト・プレイヤーを間に立てて
ピーナッツは踊るのではなくて軽く揺れながら両腕でノリを表現する感じ....

オン・ステージCD発売を機に、ついつい舞台をイメージしちゃいましたが、
ステージとして盛り上がるのは、やっぱり宮川バージョンの「祈り」でしょう。
出ないのかと思ったら、まあ、やっぱり出たよ「祈り組曲」というのがさ。
これはね、凄いよ、音楽的には、なんてヤボなことは言わないで聴きましょう。
こんなことやったら面白いだろうな、というのをやっちゃうのが宮川大明神。
この辺りの大人げのなさ、アマチュア的チャレンジ精神に凄く共感しちゃう。

「祈り組曲」とか「ダンス天国メドレー」なんか書いている時点では宮川泰を
今ほど名編曲家などと讃えてはいなかったと思うけど、私は凄いと思ってた。
こんなとんでもない人は他に居ない。ロマンとお茶目の権化だと。
ピーナッツの歌の魅力を語る上で切り離すことの出来ない宮川先生ワールド。
しかし、少数派のアレンジャーの方による別の世界もあるのだということを
この祈りでも知ることが出来るし、企画者もそれを意図したと思われます。
次回はその「祈り組曲」から「イパネマの少年」です。
五十音順でありながら、このように繋がるのは面白いなあ。

                      2002/09/05投稿