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♪イマジネイション    1975.04.05
Imagination
   原曲:G.Goffin,B.Goloberg 編曲:前田憲男
   演奏:高橋達也と東京ユニオン ウイズ 東京クレモナストリングス
    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★★ ★★★★★ ★★★★*

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グラディス・ナイト&ザ・ピップスというグループのヒット曲のカバーです。
さよならコンサートのライブ録音に入っている一曲なのです。
新基軸に常に挑戦し続けたザ・ピーナッツにふさわしく、最後の舞台にまで
このような唄を披露するなんて凄いことです。まったく頭が下がります。
演奏も録音もベストコンディション。良い出来だと思います。
さすがに、ステージの出だしで「可愛い花」をリフレイン・ミスしたりして、
普段の状態ではない心境が窺われますが、この歌はしっかり歌っています。

このさよならコンサートでは、普段はザ・ピーナッツのレコードでは編曲を
担当されていない前田憲男さんが珍しく、4曲もアレンジをされています。
オーケストラの響きがぐっと高尚になったかのように聴こえるアレンジです。
また、この曲ではバンドの持つメカニックな機能を思う存分発揮させるような
聴きごたえのするダイナミックな面を聴かせてくれます。
ザ・ピーナッツのアレンジといえば言わずと知れた宮川泰先生がメインです。
その数たるや、数えるのがバカバカしいほどの無量大数でして殆どがそうだと
思っても間違える確率が少ないくらいです。

宮川先生以外で、主な編曲者を紹介しますと、
 東海林修(12曲)各種    クニ・河内(10曲)各種
 若松正司(8曲)唱歌     すぎやまこういち(7曲)自作
 一の瀬義孝(7曲)唱歌    森岡賢一郎(6曲)オリジナル
 馬飼野康二(6曲)オリジナル 中村八大(4曲)自作
 星勝(4曲)オリジナル    小谷 充(3曲)オリジナル
 高田弘(3曲)オリジナル
たった一曲だけ、という編曲家もいらっしゃいます。
 筒美京平;自作 古関裕而:自作 三保敬太郎;自作
 中村五郎:自作 飯田三郎:自作 川口真:オリジナル
 服部克久:オリジナル 内藤法美:カバー 伊藤素道:童謡
(自作→作曲も同じ人  オリジナル→作曲は別の人  カバー→外国曲)

このような宮川先生以外のアレンジャーの方々が彩りを添えてバラエティさを
残してくれたのは大変素晴らしいことでもあります。
私達の耳に音楽が届く迄には多くの方のお仕事があったからこそと思います。
縁の下の力持ちということですが、その典型が編曲だと思うのです。
出来映えにこれほど影響を大きく及ぼすファクターは見当たらないほどですが
CDなどの記載はいい加減で間違っていたり、酷いのは記載すらありません。
誰が編曲したかブラインドで判るようになったら、それは大したものですが、
〜じゃないかな〜、〜ではないだろうな〜くらいしか想像出来ません。

「ノスタルジック・ムード」で唱歌を12曲も歌っていますが初めて聴いた時、
あれ、宮川先生が急に生真面目になってしまったな〜とビックリしたのです。
しかし、よく見たら、若松正司さんという方がやっていたのです。
きっと、こういう類いの歌はこの方が最も適切であって宮川先生ではお茶目に
なってしまってノスタルジック・ムード向きではないと考えたのでしょう。
宮川先生でも哀愁感たっぷりの曲もあるので一概にこんな風だと決めつけては
間違いなのですが、ピーナッツ自身とかプロデューサーの方が宮川先生以外を
指名されることがあるのか、宮川先生がこれなら僕よりあの人だよと推薦を
されたのか、そのあたりが少数派だけに興味深いです。

         2002/09/15投稿



若松正司さんはつよさんからレス> - 2002/09/16
こんばんは!
私は先日、メンデルスゾーンの「歌の翼に」をラジオで聴きました。
編曲は若松正司さんでした。
ほんとに「生真面目」な編曲、と思いました。
ピーナッツさんの編曲もなさっているのですね。
インファントの連載犬さん、いつも熱いお話楽しみです。
自分の中のキーワードをみつけて思わずうれしく書き込みいたしました。



実は私も...インファントの連載犬> - 2002/09/17
若松正司版→「歌の翼に」→036版のNHK腕比べを、連想してました。(笑)
若松正司さんのアレンジは学校の音楽観賞みたいな感じがしましたが、
「歌の翼に」もそのような印象だったのでしょうか?

036先生のNHK名曲アルバムのアレンジではコーラスが入っていますが、
あれでぐっと暖かみが醸し出されているように感じました。
編曲によって同じ曲でも色々な味わいが楽しめるのは素敵なことですね。
もっとも、編曲家のお仲間うちでは、あ、やられたな〜とか感じたりすることも
あったりするのでしょうね。

「さよなら銀河鉄道999」は深夜、ヘッドフォンで繰り返し聴いています。
クラシックな楽器だけで基本的に構成しているところがさすがだと思います。
チェレスタなんかまで使うなんてチャイコフスキーみたいで可憐でステキ。
アニメのBGMでは「新世紀エヴァンゲリオン」に寒気さえ覚える程感激しましたが、
余りにも物凄くて、健康のため聴き過ぎに注意しましょう、と言いたくなります。
その点、036作品はネガティブな冷感を排した音楽の体温の高さがあるようで、
それは、母の膝枕で耳掃除をしてもらっているような幸福感が後味に残りますね。
どっちがいい、なんてのはナンセンスで色々食べた方がいいにきまってます。