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♪内気なジョニー  1975.05(注:発売年です)
Johnny get angry
  作曲:Sherman Edwards,Hal David 
  訳詞:音羽たかし 編曲:宮川泰(演奏、コーラス:表記なし)
  録音:1963.06.12 文京公会堂
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★ ★★★★

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ザ・ピーナッツと同い年生まれの女性(美人)歌手ジョニー・ソマーズが歌った
1962年のヒット曲で、日本では1963年に流行しました。
歌ってる人がジョニーだからって自分が内気だという歌じゃなくって、彼氏の
ジョニーにもっと意思表示をはっきりしてよ、とクレームつけてる歌なんです。
こういう歌詞はどうも苦手で聴いてると自分が責められているような気になって
だから俺って駄目なのかなあ、なんてつまんない反省しちゃったり...
出来れば、ピーナッツさんにはジョニー・ソマーズをカバーするんだったら、
「ワン・ボーイ」の方が良かったのにな、とか思ってしまいます。

内気な、というタイトルに合わせたわけじゃないけれど、この歌はパッと印象に
残るような際立った良さがないように思います。そうなんだけども、いざ曲が
かかってみると、おお、懐かしいよな、あったな、あったよな、この歌も、と
いう感じで、大ヒット曲の間を埋めているような厚かましくはないのだけれども
やっぱり記憶のどこかには残ってるという渋い役割を担っているように思います。
こんなに目立たないようでありながら、ザ・ピーナッツの三種のCDボックスに
共通して入っているという面もあっったりして面白い。

ピーナッツの残したレコード(CD)の曲には、ああ、これはシャボン玉風だとか
何となく感じるものがありますが、この歌はザ・ヒット・パレードと重なります。
第一位なんかにはならないんだけど、代わる代わる色んな人が歌ってましたよ。
伊東ゆかりさんや園まりちゃんだと、ちょっぴりすねて甘えてる感じなんだけど、
これが中尾ミエさんともなると本当に怒られているような恐ろしさが...(笑)。

CD時代になってからお聞きになった方は、カバーポップス全盛期に出たんだな、
と思われるのが当然なんですが、実際のこのレコードのリリースはとんでもない
時期でありまして、ザ・ピーナッツの引退後に出た総集編みたいなアルバム中に
何気なく入っていたので吃驚したのでした。未発売で埋もれてたんですね。
当然、ザ・ヒット・パレードなどのテレビ番組中では何度も歌っていたのですが、
まさかレコーディングしてるとは知りませんでした。
時期的には「恋のバカンス」が流行っていたころの録音ではないでしょうか?

ところで「内気」という言葉。男の場合はイメージが悪いが、女の子ならばそれは
むしろおとなしく、遠慮深いといった美徳のような印象があったような気がする。
またまた、オーディオ談義で恐縮ですが....
以前というか長い間付き合っていたタンノイのスピーカーは内気だった気がします。
今のボーズ464が積極的に自分の良さをアピールするタイプなのでそう感じます。
内気というのは長所でもあって、八方美人ではないけれど素晴らしく良い面もある。
ボーズが何を鳴らしても90点以上取れるのにタンノイは50点しか取れない苦手な
ジャンルがあった。しかし、ハマったら100点以上取るという奇跡も起こすのだ。

内気な人というのは概して、上がり症、口下手だと思うけど、恥じることはない。
ノーベル化学賞の田中耕一さんは、内気族、オタク系にとって希望の灯火である。
これは内気が偉いという意味でじゃない。コンプレックスの解消なんである。
自分は内気だと思っている人は想像以上に多いようなのであります。
私も職場で、俺って内気な方だよなあ、と言ったら、「どこが」と言われた。(笑)
子供の頃、自分が苛められっ子だったので娘が学校へ行きだしてからそれが心配で、
小学校の保護者面談でそれを真っ先に先生に聞いたら、あはは、と笑われて、
「自分の考えをはっきり言いますから、そういう子はいじめの対象にはなりません」
だってさ。(教訓)客観的にものをみるというのはなかなか出来ないものですねえ。

2002/10/20投稿