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♪ウナ・セラ・ディ東京
UNA SERA DI TOKIO 作詩:岩谷時子 作曲:宮川 泰
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「UNA SERA DI TOKIO」は「黄昏の東京」という意味です。
最初のレコード発売は「東京たそがれ」という題名でしたが、アレンジを変え、
翌年に歌詞でもあった「ウナ・セラ・ディ東京」を題名にして再リリースし、
これが大ヒットにつながりました。
原案の歌詞では、英語で「トワイライト・イン・トーキョー」だったようですが、
イタリア語の方がよりかっこいいと思ったのか、キング・レコードの欧州路線に
フィットさせたのか、トワイライト=薄明かりをイタリア風に表現したのでしょう。
SERAだけで「夕暮れ時」という意味を持ちますから、UNAとDIはお蕎麦の
ツナギのような語句だと思います。詳しくはイタリア語を学んで下さい。
なお、イタリア語では東京はTOKIOですから「トキオ」と発音することになり、
ピーナッツもそういう風に歌いましたが、一部で顰蹙をかったとか。(笑)
ピーナッツのオリジナルは無国籍歌謡と評されましたが、今となっては勲章的讃辞。
出る杭は打たれる宿命でした。どうせならグローバル歌謡と言って欲しかったですね。
●Ver.1<1963.11> 編曲:宮川泰 演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1963.09.25 文京公会堂
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★* | ★★★★ |
●Ver.2<1964.09> 編曲:東海林修
演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1964.07.23 厚生年金会館
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★* |
●Ver.3<1967.12> 編曲:宮川泰 演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1967.10.05 キングレコード音羽スタジオ
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★* |
●Ver.4<1968.12> 編曲:宮川泰 演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1968.08.01 キングレコード音羽スタジオ
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★* | ★★★★* | ★★★★★ |
●Ver.5<1999.05>(アナザー・テイクと表記) 編曲・演奏:表記なし
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★* | ★★★★* | ★★★★ |
これだけ沢山のバージョンをレコーディングしたなんて世界的にも稀ではないかしら。
また、その全てがデジタル化されてCDで聴けるというのは、キングレコードは凄い。
更に驚くべきことに、単曲ではないけれど、ライブアルバムにも入っています。
ザ・ピーナッツ・オン・ステージ <LPとCDのジャンケットを見る>
さよならコンサートライブ <LPを見る> <CDを見る>
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★* | ★★★★* | ★★★★★ |
以上、レコード、CDだけに絞ってもこれだけあるのですがアレンジが全部違います。
同じヒット曲でも「恋のバカンス」や「恋のフーガ」などではこんなことありません。
Ver.1は、「東京たそがれ」というタイトルで発売されましたが、ジャケットの
違う後発ものもあり、こちらは「ウナ・セラ・ディ東京」ですから一緒でしょうね。
ピーナッツはこのバージョンでは全部ユニゾンで歌っています。
以外と、ユニゾンで通すというアレンジは存在します。案外とこれもいいんですね。
Ver.2は、東海林修さんが編曲しています。Ver.1とは全く違うイメージです。
このアレンジから、♪あの人はもう〜の、サビのところをハモるようになりました。
この編曲はこの曲のスタンダードともいうべき、虚飾を排した堂々たる風格があり、
途中、オーケストラが消え、ピーナッツが歌い出すと弦が後を追うという一発録音
ならではの活き活きとした音楽が展開し、何時聴いても素晴らしい録音です。
Ver.3は、Ver.1のバージョンアップのような感じを受けます。
歌詞が、♪ウナ・セラ・ディ東京 あ〜あ となっています。
サビのところのハモリは定番となったようです。
最後に、♪ウナ・セラ・ディ東京(間奏でジャカジャカジャ〜ン)あ〜〜あ〜 と
ステージで歌うかのように盛り上げてます。
Ver.4は、宮川先生がよ〜し、決定版を作ってやるぞ、と意気込んだような感じ。
持っている音楽的素養を出し惜しみなく投入。凝りに凝っています。まさに集大成。
一番ゴージャスで聴き応えのあるバージョンとなりました。
演奏ももっとも厚い編成と思われ、あまりの演奏の見事さで歌が聴こえない(嘘)。
豪華フランス料理フルコースといった趣で、別れた哀しみも吹き飛びます。
Ver.5は、前作でやるだけやったので、ここは遊び心いっぱいのアレンジです。
編曲者名が書いていなくたって、これは宮川節に決まっています。(笑)
ボサノバ風でやったらどうなるか? その答えがこれです。
弦がなかなかお見事で、リカルド・サントス楽団を彷佛とさせます。
Ver.6は、最近復刻盤が出たばかりのライブ録音。ビッグ・バンドで伴奏すると
こんな感じになるよ、と同時に、昔にタイムスリップした錯覚を味わえます。
Ver.7は、さよならコンサートの実況録音。最後の「ウナ・セラ・ディ東京」。
世に引退コンサートは数々あれど、短期間で大騒ぎしての引退やらカムバックなど、
そんな軽いものではない17年の活動に別れを告げる万感の思いがこもっています。
バックの演奏まで餞の全力投球。これは軽々しく聴くようなものではありません。
2002/10/30記
競作について
左のジャケットは1964年の本命盤(編曲:東海林修)の 後発異デザインのバージョンです。 このザ・ピーナッツ盤以外にも多くの歌手がカバーしている のがこの曲の特徴です。以下、一部でしょうがご紹介。 |
ずいぶんと色々な盤があるものなのですね。他にもいっぱいありそうです。
和田弘とマヒナ・スターズ盤はウワサではピーナッツのよりも
たくさん売れたとか...今頃は聴く人もいないだろうに。
私が買ったのは、演奏もの(これも多いでしょう)なのですが、
宮川泰作品集という自作自演のLPが、キングと東芝から
出たのを購いましたが、どっちもジャケットが...艶かしいヌード。
ちょっとこれは、ここのサイトには載せられません。
あと、
アルフレッド・ハウゼのLPにも入っておりました。
面白いアレンジでした。写真はありきたりなので載せません。
カバーの本命は、ミルバとカテリーナバレンテでしょうが、
私はザ・ピーナッツのお写真が出ていたので、ついついこれを。
でも、モノラルだし、歌も演奏もあまり........
ライナーは丁寧に書かれていていいですね!!!
2005.12.04.追記