■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

♪オー・シャンゼリーゼ   1972.04
  LES CHAMPS-ELYSEES
  原曲:P.Delamee,M.Deigham,M.Wilsh 訳詞:安井かずみ
  編曲:宮川 泰 演奏;宮川 泰とルーパス・グランドオーケストラ
  録音:1972.01.10 キングレコード音羽スタジオ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

ある土曜日の昼下がり、停留所で一人、バスを待ってたら、女子高生らしい
二人が、私の後ろに列んだのです。
そして、やおら「せ〜の」とか言ったと思ったら、♪オー・シャンゼリーゼ
と歌い始めるではありませんか.....!!

びっくりしましたが、そっちを振り向くと止めちゃうかも知れないから、
じっと聴いておりました。(耳たぶが、ひくひくしてたかもしれない)
ちゃんとハーモニーをつけてるんです。ま、その練習なんでしょうが。
これが、なかなか良くて、でも、更に後ろに人が列んだらやめてしまいました。
あ〜あ、もっともっと聴きたかったのにい。
思わぬザ・ピーナッツ再現で、耳が洗われたような、すがすがしい気分。
なんか、得しちゃったようなルンルンおじさんと化してスキップ踏んで帰宅。
あれは学校の部活かなんかなんでしょうね、きっと。
学校の先生もたぶんそういう年代だから教材にされたのかなと思いました。

先日、食事時に、テレビで高校生が(中学生じゃないと思うけど)そういう店で
制服とか靴下とか、ここに書けないようなものを売る商売があって、それを
規制する法律みたいなものがない、とか報じていました。
私もけっこうエッチな男だけど、そんなものを買いたいとは思わない。ならば、
何になら私は金を出すかな〜と自問自答してみました。(変態度自己診断?)
そこで、ふと、思ったのが「オー・シャンゼリーゼ」。
これを私の前で歌ってくれたら、2000円あげるというのはどお?
千円ずつじゃ安過ぎるかなあ。でも、それくらいが私の小遣いの限度です。(泣)

無駄話はこれくらいにしておきまして、本物のピーナッツの方へ方向転換。
あんなに大流行したのに「オー・シャンゼリーゼ」のCDって殆ど無いみたいです。
だからピーナッツのは希少品。オリジナルとはずいぶん違うアレンジとは思いますが、
とってもお洒落で、シャンゼリーゼ通りの雰囲気が出てるんじゃないでしょうか?
疑問符つきなのは、写真で見ただけで、実際に行ったことはないからです。(泣)
(泣)ばかりですが、ウソ泣きなので、涙は出ない聖子泣き。(古過ぎるぞ〜)
お洒落だなんて書いたものの、このイントロのトランペットが奏でる旋律は....
これ「世界の国からこんにちわ/三波春夫他」を捩ってるんじゃない。あははは..

やっぱり、無駄に楽しい宮川アレンジ。お洒落じゃなくて、もう殆ど駄洒落の世界。
これを違和感なく挿入するというのは、大変な才能なのかも知れないなあ。
この歌はコーラスで歌うのがお似合いだと思うのです。ハーモニーが生きる。
無駄話は前置きのつもりなんですが、ソロではつまらない。多重録音してでも
ハモらせて始めて味が出るような気がします。
この初版レコードでは、A面はオリジナル曲の羅列になっているだけですが、
そこから「世界の女」としてスタンダード的なカバー曲を繋げた企画は秀逸。
ちょっと無理があるとは思うけど、一般に売る商品なんだから仕方がない。
   
 恋するメキシカン〜夢のカリフォルニア〜さよならキューバ    
 〜マンチェスターとリバプール〜ノルウェーの森    
 〜オー・シャンゼリーゼ〜アリベデルチ・ローマ
このように連なるB面は、ザ・ピーナッツの魅力満載の趣味のよいリサイタル風で、
とっても聴き応えがあり、出来れば単曲でなく、通しで聴いてもらいたい感じです。
楽器の使い方や録音方法も、この時点ではかなり進化していてテクニック満載で、
面白い効果が多用されている。ファンタジック・ピーナッツでもある。
それが単なるトリック・サウンドではなくて血が通った暖かみが感じられるのは
ザ・ピーナッツの上手さもさることながら、特有の声音の柔らかさじゃないかしら。
機械的、金属的な響きにはならない、ピーナッツの面目躍如という感じがします。