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♪乙女の祈り 1960.02
A MAIDEN'S PRAYER
作曲:Badarzewska,Tekla 作詞:音羽たかし 補作:椙山浩一
編曲:宮川泰 演奏:キング・シンフォネット
録音:1960.01.04
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★★* | ★★★★* | ★★★★★ | ★★★モノ |
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この曲は1855年テクラ・パダジェフスカというポーランドの女性が18歳の時に
書いたものなのだそうです。美人薄命などといいますが、早世されたようです。
ピアニストだったそうですから、他にも作品は書いたのですが、有名なのはこれだけ。
喩えは悪いけど歌謡曲でも「一発屋」というのがありますね、そんな感じでしょうか。
でも、これだけ世界中の人に愛されたら一曲でも、短い生涯でも値打がありますね。
とてもシンプルな名曲ですが、学校で教わったから覚えたのではないと思います。
「明色アストリンゼン」という女性用化粧水のコマーシャルのBGMとして使われ、
「美人は夜つくられる」というセリフは小学生の私にも印象的でした。
オルゴールにももっとも良く使われる永遠のベストセラーではないかと思います。
そのオリジナルのメロディーとこのピーナッツの歌はちょっと異なります。
でも、これもまた乙女チックで、なかなか趣味が良いのです。
編曲は宮川さんですが、メロディーのアレンジは椙山浩一さんが行ったようです。
勿論あの、すぎやまこういちさんです。この時点ではまだ漢字で表記していました。
前年からザ・ヒット・パレードのプロデューザーを担当されていますが音楽活動では
ザ・ピーナッツでの仕事始めの曲というわけですね。
すぎやまさんは大のクラシック好きなのだそうです。わかるような気がします。
ザ・ピーナッツの歌にもクラシックのモチーフを用いたものがたくさんあります。
♪情熱の花__________エリーぜのために/ベートーベン
♪白鳥の恋__________白鳥の湖から情景/チャイコフスキー
♪恋のバルカローレ______バルカローレ/オッフェンバッハ
♪二人はしあわせ_______ユーモレスク/ドボルザーク
♪レモンのキッス_______歌劇「ジョコンダ」より時の踊り/ポンキエッリ
♪ウェルテルへの手紙_____交響曲第7番第2楽章/ベートーベン
♪ラヴァース・コンチェルト__メヌエット/JSバッハ
大ヒット曲の「恋のフーガ」も、ロッシーニのセビリアの理髪師から旋律の素材を
拝借していると思われますが、コピーとかそういうものじゃなくて再創造なのです。
それでもクラシック・オペラ・ファンの方は思わずニヤリとすることでしょう。
この連載犬を書いてから改めて気づいたし、最近は持論化しつつあることなのですが、
それは、ザ・ピーナッツが「偉大なカバー歌手」であり「偉大な演奏家であること」。
一般的な自分の持ち歌を流行らせる面はあまり得意ではなかったということです。
流行歌手ではあるし、この上なく個性的なのはわかりきったことですが、流行の元を
作るのではなくて、ショービジネス第一義であったことだと感じます。
踊りやファッションも素晴らしいセンスで魅せましたし、コントまでやる。(笑)
ですから、歌もその一貫なのです。
シャボン玉ホリデーとザ・ヒット・パレードというレギュラーを2本も持ちながらも
それらの番組では自分の新曲を繰り返し歌い、それを売り込むという面は少なかった。
だからこそ番組自体が成功したし、長続きもしていたのだと思います。
そういう意味ではレコードも一緒なのです。テーマを持って吹き込んでいたと思う。
これをレコードとして聴いてもらいたい、そういう作り方が圧倒的に多いのです。
結果的にある程度流行したものもありますが、よくあの曲が受け入れられたものだな、
という感じの曲が多いと思いませんか? 時代と必ずしもフィットしてないんだもの。
ポップスやラテン、ジャズ・スタンダード、なんでもかんでもカバーしまくってる。
民謡のカバーアルバムが3種類あったり、歌謡曲のカバーアルバムまで2種類ある。
宮川先生も、ザ・ピーナッツにはアレンジでの寄与が物凄いし、その出来もいい。
レコードが何十万枚売れたとか一度も目にしたことはないのですが、その一枚一枚の
クオリティの高さは異様な程で、スタッフが皆良い仕事をしているのが歴然です。
流行った歌を懐かしむという聴き方にはそぐわなくて、レコード(CD)そのものの
音楽が今でも優れた作品として聴ける歌手ではないかと思います。
それでもこの曲などはモノラル録音であり、古いな〜とは感じてしまいます。(笑)
こういうのはやっぱり響きの豊かな(付帯音もたっぷりした)電蓄で聴いてみたら
もっと味があるのかもしれません。
この頃は何を歌っても人気があったのでしょうね。これも売れたのでしょう。
まだファンになっていなかったので、そのあたりの雰囲気がわからないところです。
ザ・ピーナッツという仕切り名札の枠内には、それでも沢山の種類のシングル盤が
並んでおりました。このレコードも取り寄せではなくてちゃんと店頭にありました。
歌謡路線の後年は「サ行女性歌手」の中に埋没しちゃって淋しい思いをしました。
投稿日:2003/01/10
うっきゃー、「明色アストリンゼン」、懐かしい!桃谷順天館!
「美人は夜つくられる」ってのは、さすがに覚えておりませんけど。(^^;
おお、レモンのキッスは、ラ・ジョコンダの間奏曲からだったんですね。
紅白では小柳ユキさんが「Lovin'you」として歌ってましたが。
どうでもいいけど、あの間奏のアコ−ディオンさん(誰だったっけー、忘れた!)、
一小節ずれてハラハラしました。
「恋のフーガ」、僕はロシア民謡の「黒い瞳」を連想するんです。
(フリオ・イグレシアス&郷ひろみ「黒い瞳のナタリー」の原曲)
余談ばかりですが、今日は短め。
ラ星さん、桃谷順天堂(と私は記憶していますがどっちが正しいのでしょうか?)
本当に懐かしいですね。ところでこんな風にクラシックなどの曲を拝借(?)する時は、
著作権とかどうなるのでしょうね。
インファントさん、私の友人でこの「乙女の祈り」が弾きたくてピアノを習い始め、
結局ピアノの先生になった人がいます。ちなみに私は「ラバース・コンチェルト」が
好きでバッハの「メヌエット」を練習しました(笑)。
アンカーさん、メニューの写真、新春に相応しいピンクのドレスのピーナッツ、
ステキですね。デビュー45周年。私の心の中ではまだまだとても「新鮮」です。
> 桃谷順天堂(と私は記憶していますがどっちが正しいのでしょうか?)
↓
http://www.e-cosmetics.co.jp/
桃谷順天館が正解のようです。(創業1885年)
順天堂といえば、津村順天堂が有名。(創業1893年)
↓
http://www.tsumura.co.jp/kaisha/main.htm
> メニューの写真、新春に相応しいピンクのドレスのピーナッツ、ステキですね。
よくこれだけ色んな写真が登場するものですね。いつも感心しています。
アンカーさんはドラえもんの四次元ポケットから出してるのか、どこでもドアで
あの時代にこっそり行っているのではないかしら???
インファントさん、桃谷順天館の軒、やっぱり私のうに頭でしたね。
教えて下さってありがとうございます。津村順天堂はバスクリンですか?
私もドラえもんの「四次元ポケット」と「どこでもドア」に憧れています。
私は「四次元ポケット」があったら「決心コンクリート」が欲しいです。
インファントさんは「どこでもドア」があったらどこに行きたいですか?
他のみなさまの「行きたい所」も教えて下さい。ここがまずかったら、
離れの「林檎の木陰」にどうぞ!
豆だぬきさん、インファントさん、
> メニューの写真、新春に相応しいピンクのドレスのピーナッツ、ステキですね。
>よくこれだけ色んな写真が登場するものですね。いつも感心しています。
こういう些細なことでも、反応してもらえるとすごくうれしいです。
書き込みをためらってる皆さん、キーボード叩いてみましょう。
はじめの一歩は勇気いるけど、一旦踏み出せば新しい世界が開けます。
(これは今年の自分に言い聞かせている言葉)
うはは、豆だぬきさん、そんな、「うに頭」って言うんですか?!
著作権は一般的に50年とされているので、クラシックはほとんど無許可で
拝借できるようです。訴訟で75年に延期された例もありますが。
また、ラフマニノフのように作曲家の権利を守る力が強い財団は、
エリック・カルメンの All By Myself(セリーヌ・ディオンも歌った)と
Never Gonna Fall In Love Again の作者名に、故人の名を併記することを要求したとか。
アンカーさん、お正月のクイズの回答者が二十人近くいらっしゃったというのも、
驚きですよね。
ラ星さん、ありがとうございました。著作権は50年、また知識が増えました。
私、エリック・カルメン好きなんです。もちろん「All By Myself」も断然
エリック・カルメンです。「ラズベリース」、懐かしいです。
一昨年彼が出したアルバムを買って好きで聞いていたのです。
ところがCDがどこかに無くなって見つかりません。悲しんでいます。
「うに頭」は中身がぐじゃぐじゃというか鮮度の落ちたうになんです。
豆だぬきさん、エリック・カルメン、いいですよね! ラズベリーズ時代は
よく知らないのですが、今でも美しいメロディを作り続けているようで。
来日して、セリーヌの「All By Myself」への感想をきかれて、
「オー、ボンバースティック!」とこたえたとか。英語はよく解りませんが、
「爆発的!」でしょうかね。
セリーヌは素晴らしい歌手だと思いますが、
「君がいなくなって、なにもかも自分一人でやらなくては・・・」
という歌詞を、あんなに声張り上げて・・・。
よろしければ、元歌(?)の、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番も
聴いてみてくださいませ。
千円くらいの安いCDでも売られていると思いますので。
先日は、なんと百円ショップでも売ってました!
演奏者名も書いていないという恐ろしいシロモノでしたが、良い演奏で、
またびっくり。
第2楽章に「All By Myself」のメロディが出てきます。
なお、「恋にノー・タッチ(Never gonna fall in love again)」は、
交響曲第2番の第3楽章に、そのメロディがゆるやかにドーンと。
ほんと、とろけますよ!
ラ星さん、すごい!早速探して聞いてみます。おかゆさんのおっしゃる通り、
コンピューターと共に書き込みも
アップ・グレードされたような、、、。←(尊敬のまなざし)