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♪悲しきかた思い    1962.01
YOU DON'T KNOW
   作曲:John schroender-Michael Hawker 作詞:音羽たかし
   編曲:宮川泰 演奏:シックス・ジョーズ(ウイズ・ストリングス)
   録音:1961.11.10 イイノホール
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★ ★★★★ ★★★* ★★★★

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このタイトルはふつうは「悲しき片思い」と書くと思うのですが、ピーナッツのでは
「かた思い」。なにかこだわりがあるのかなあ。
これをピーナッツがレコーディングしていたということを知っているのはかなりの
ピーナッツ・オタクと言ってもいいんじゃないかな。
というのは、ヘレン・シャピロのオリジナル盤が日本でも大ヒットしていたのだし、
あのパンチ娘の弘田三枝子が歌ってるんだから、あとは影が薄くて当然なんです。

これはLPにしか入っていないナンバーです。
どうしてもザ・ピーナッツの歌で全てを聴いてみたい、という切なる願いをかなえた。
そういう類いのものですね。ファン・サービスに属する感じじゃないでしょうか。
歌詞もミコちゃんとは違うものを用意しましたね。こういうのも結構多いです。
実際、私もピーナッツのは鑑賞用であって口ずさむのは漣健児の方でしたね。(笑)
ですから、ピーナッツのを絶対に聴かなきゃ生きてる甲斐が無いなんて申しません。

ただ、同じLPに入っているポケット・トランジスターなんかでも言えるのですが、
別の歌詞がつくというのはなかなか新鮮です。出来の善し悪しとか抜きにね。
ああ、こういう別の解釈もあるんだなあ、とか、こっちの方がしおらしかったり、
一層可愛らしかったり、それなりに意義が見出せるとこもあると思うんです。
カバー曲のいいところというのは、こういう楽しみ方もあるからじゃないかな?
あと、ハーモニーの付け方が変わってますね。下にじゃなくて上に乗せてます。
いろいろ試しているんだな、と思いましたが、テレビでは違ってたような?

歌としてのインパクトはまるっきりありませんね。
ピーナッツのこの歌を聴かなきゃどうだこうだというような面もまるでないです。
だけど、とてもいい雰囲気があるんです。これは得難い魅力なんです。
LPに入っているからかも知れないけど単独で聴くのじゃなくて、続けざまに
聴いてこそ味があるというのかなあ。ほわ〜としてて楽なんですね。
ああ、懐かしい歌だなあ、で、いいんじないかと思います。

演奏者が、レコードには一応、シックス・ジョーズと表記されてはいるのですが、
これは違うと思いますよ。小編成オーケストラに近い演奏なんだもの。
キング・シンフォネットじゃないのかなあ??
そこで妥協して(笑)、ウイズ・ストリングスを付加させて書いておきました。
ウイズ・ストリングスだとしてもシックス・ジョーズの個々のプレイヤーの音が
聴こえてきません。まさか、タンバリン担当ということもないでしょう。(笑)
ハモンド・オルガンが右チャンネルに入ってますが、これはまた宮川先生でしょう。
どうも楽団名はあまりあてにならないような気がします。

この歌が巷で流行っていたころ、トランジスタ・ラジオを買ってもらいました。
ポケットに入るような代物じゃなくてナショナルので、9800円でした。
これが嬉しくて家中持ち歩いてました。(外に持って行く大きさじゃない;笑)
まあ、これはウソだろうと思って頂いても良いのですが...
ピピピっと第六感が閃いてスイッチを入れるとザ・ピーナッツの歌が出てくるんです。
妹が、なんでなの?? と不思議がっていましたが、けっこうこういうことがあった。
母親は、ピーナッツのレコード全部持ってるのに、わざわざラジオで聴かなくても、
とは言うのですが、一理ありますが(笑)それが、聴きたいものなのですね〜。

こういうLPにしか入っていないバージョンでもラジオでは結構使われるのでした。
今思うと、ザ・ピーナッツ人気というものはかなりなものだったと思われますけど、
自分の熱中度に比べて、扱いが低過ぎるという不満ばかり抱いてました。
だから私が、世間ではあまり評判にならなかった、という記述が多いのはその為で、
実際にはなかなかどうして幅広い支持があった歌手だったというのが正しいのです。
ただ、レコードまで買おうとしない人が多いという現象はあったと思います。

ですから、今のオジサン、オバサンは是非青春時代の忘れ物を取りに行くように、
ザ・ピーナッツのCDを買い求めなくてはいけないのじゃなかろうか?
とにかく、1960年代の録音は絶対にお薦めなのです。
信じられないほどの「美音」が聴けるのです。この年代だけの美意識を感じます。
後年の音も決して悪いわけじゃないし、むしろ音響としての忠実度は進歩してます。
それでも、1960年代には「私は」勝てないと思う。音の芸術的奇跡だもの。
これらの録音技師の耳というか技術というかセンスには驚くばかりです。
本来はお名前を表記しておいてほしいものだなあと思いますね。

投稿日:2003/03/15



<でぶりさんからレス> 2003/03/15


>信じられないほどの「美音」が聴けるのです。この年代だけの美意識を感じます。

そうですね、そうですね。
この言葉に私は感動してしまいました。
“この年代だけの美意識”とは言い得て妙。
インファントさん、あなたは詩人です。

チエミさんの世界にもそれは当てはまります。
山屋 清さんという編曲者が素晴らしいアレンジを提供してくださっているのです。
私たちの世代の多くは“この年代だけの美意識”を知らず知らずに身に付けて
いるのだと思います。

さて、うちの息子の世代になると“どんな美意識”を身に付けつつあるのか?
これもまた30年後に初めて意識できるものなのでしょう。



<豆たぬきさんからレス>  2003/03/15


アンカーさん、みなさま、大変遅ればせですがカウンターの80,000突破おめでとうございます。
直前まで「おめでとう」を一番に言いましょうと構えていましたが、ちょっとうっかりして、
カウンターを見なかった時に、、、。それでラ星さんの書き込みを見て慌てて見たら80,022でした。
いつも肝心なときに抜けています。

インファントさん、当時レコードを買うのはお小遣いではなかなか大変でしたよ。
だからラジオは一番の「お友達」でしたね。

60年代の「特別さ」世代を超えてたくさんの人達が認めていると思います。



<アンカーさんからレス>  2003/03/17

:祝 ☆ピーナッツ・ホリデー☆8万ヒット!!!!!!!!

インファントさん、豆たぬきさん、お祝いのことはありがとうございます。
これからもお二人にはいろいろとお願いすることばっかりだと思いますが
どうぞ末永くお付き合いください。

「悲しきかた想い」はほとんど一緒にピーナッツ盤とミコちゃん盤が自分の中に入ってきたので
(もちろんヒットしてるときじゃなくあとからですよ:笑)
これはピーナッツの歌詞、これはミコちゃんの歌詞、と言うように
自分の中で振り分けは出来ていました。

>あと、ハーモニーの付け方が変わってますね。下にじゃなくて上に乗せてます。
>いろいろ試しているんだな、と思いましたが、テレビでは違ってたような?

僕がピーナッツの歌を口ずさむときに大抵下のほうを歌っているのですが
(とっても難しくて「可愛い花」のエミさんのパートは未だに
ちゃんと歌うません。
だれか低音のパートの音を教えて〜)
いつもはハーモニーなんだけど、この歌は主旋律になってますね。
だからあれ?いつもと違うなあと思っていました。
でもテレビでは違っていたんですか?
じゃエミさんがハーモニーをつけていた?
そういえば「情熱の砂漠」も当時テレビで歌っていた時
レコードとは違うハーモニーだったと記憶してます。