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♪哀しき小鳥のワルツ(未発表曲) 1969.11録音
   作詞:なかにし礼 作曲:吉川英世 編曲:森岡賢一郎
  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
* ★★ ★★★ ★★★★

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この歌は今から12年ほど前に発売されたザ・ピーナッツ・ドリーム・ボックスと
いう10枚組の記念碑的アルバムで初めて紹介されました。
ですから、現役時代は未発表曲だったわけです。
関係者以外は誰も知らなかったはずで、もちろん、私も初めて聴きました。

また「ザ・ピーナッツ全集」という6枚組のアルバムにも収録されています。
こちらのアルバムは録音年月順(一部発売年月も加味)に収録されているので、
この歌がどんな時代に吹き込まれたのかといった背景を考察すると面白いです。
時期的には、
「哀愁のヴァレンティーノ/夕陽に消えた恋」「野いちご摘んで/ついて行きたい」
の次であって、
「男と女の世界/しあわせの誓い」「東京の女/愛が終わったとき」
の前にあたります。

「哀愁のヴァレンティーノ」のシングルを最後に、宮川泰やすぎやまこういちとの
馴染んだ路線をこの時期に離れようとしていることがよくわかります。
その前のシングルは「田辺信一」さんという方で、AB面が作曲されています。
この「哀しき小鳥のワルツ」と、未発表曲の「ポルケ」という歌が「吉川英世」と
いう方の作曲となっています。
ですから、この2曲でAB面を構成してシングルを出そうとしたのではないか?
ほぼこの推定で間違いなかろうと思われます。

じゃ、何故ボツになったのでしょうか?
前作の田辺信一作曲というコースが当て外れだったからなのでしょうか?
吉川英世作曲コースではなお商売にはならないということだったのでしょうか?
そりゃ、宮川、すぎやまに比べたら、魅力という点で落ちると思いますよね。
やはりどうしても新機軸というものを表に出したいという意図が強かったのか?
だから、この後、沢田研二作曲路線がすぐに続くことになったのですね。

こんにち、これを聴いてみますと、流行る流行らないといった下世話な世界から
解放されて、歌が、曲がしみじみと聴ける、そういう幸福感があります。
現役の時はファン心理で、ああ、今度の新曲はうんと流行ってほしいな、とか、
いつも思ったものです。
別に人気や売れ行きなんか、実際どうでもいいのですが、ピーナッツさんたちが
紅白に(選ばれるであろうけれども)ヒット曲もないようでは肩身が狭かろう、
なんて妙な心配までするおばかさんなのでありました。
今時は、ヒットがあろうとなかろうとデカイ顔してデカイ身体で歌う歌手もいて、
トリで歌っちゃったりして、わけのわからん時代となって隔世の感。

この歌もB面のポルケもよく似た雰囲気を漂わせ、この作家の持ち味を感じます。
編曲は手堅く森岡賢一郎。B面は宮川先生。
どちらもアレンジで聞かせているかな〜というところも若干あります。
歌は上手ですね〜ほんとに。こういう歌ではデュエットは逆にハンデになりそうな
面もあるのですが、ちょっとスリリングな生々しい歌い方で引き込まれます。
あまり近年の歌手では聴けないフィーリングで機械的な響きではない肉声そのものの
暖かみを感じます。聴けて良かったね、という歌でした。

投稿日:2003/03/25



<うさぎさんからレス> 2003/03/27
インファントさん 私 びっくりしました。
この曲が ボツになったなんて信じられません。
未発表曲だったと知って すごく驚いています。

私は「ザ・ピーナッツ全集」という6枚組のCDを購入して
聴かせていただいていますが
あまりに なかにし礼さんの詩が素敵なのに驚きました。
もう 情熱的で・・・女らしくて・・・切なくて・・・
すご〜〜くすご〜〜く素敵です〜〜〜!!
もう どうしてこんなに切ないの〜〜〜っ!!
恋をした女性でないとこんなこと書けないっ!
ひざまづいて泣きたくなります〜〜〜っ!!
(すみませんっ 変かも〜〜〜っ)

だから この「哀しき小鳥のワルツ」もすごく好き〜〜〜っ!!
静かだけど 切なくて・・・
本当に泣きそうになります。

アレンジもすてきですよね。
ピーナッツさんの歌も 胸にぐっとくるほど素晴らしいです。
私はこういう曲大好きです。たくさん歌ってほしかったです。