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♪悲しき16才 1960.06
Heartaches at sweet sixteen
原曲:Reid Koslotti,Sprimger 作詞:音羽たかし
編曲:宮川泰 演奏:シックスジョーズ・ウイズ・ストリングス
録音:1960.02.27
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★★★ | ★★★★* | ★★★ | ★★*モノ |
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この歌は日本中で、大流行しましたね。
♪ヤヤ ヤンヤ ヤヤヤヤ を知らない人って居なかったんじゃなかろうか?
レコードが何万枚売れた云々というヒットはピーナッツの場合殆ど聞いた事が無い。
そういうヒットのしかたをする歌手ではなかったのです。
それでも日本中に知れ渡ったのです。テレビで聴くことが大いに流行ったのです。
私は当時、中学1年生であり、まだザ・ピーナッツのファンじゃなかったのですが、
この歌は歌詞なんかも確実に覚えてました。(すごく覚え易いですものね)
まだ、ピーナッツは踊るタレントとしての開眼はしていない時期だったのですが、
歌振りで、掌を上に向けて、ヤヤ ヤンヤとやる恰好が脳裏に焼き付いてます。
あれはまだご本人たちがハイ・ティーンだったから、絵になって可愛かったのだと
思いますが、超ブリッ子の先駆けですね。(笑)
繰り返しますが、まだファンじゃなかったのだけど、ブラウン管の中のピーナッツは
ほんとに可愛かったし、ポチャポチャで、その辺のお姉さんと同じみたいだった。
そのポチャポチャ感というのがなんか妙に子供のクセに意識に強く残っているんです。
それは多分、衣装のせいだと思うのです。
腕とか肩とか胸元とかを露出するという姿の女性を余り見た事がなかったのでしょう。
ザ・ヒット・パレードでのドレスはそういうのが割合いと多かったと思うのです。
周囲にそういうのを見慣れていないから、たったそれだけでも男の子は痺れるのです。
テレビ見ているだけでドキドキしてしまうのです。
「色っぽい女」だとか言う単語を耳にすると、私は反射的にピーナッツみたいな事を
指していう言葉かな、とか思っていたのでした。
ずっと後年になってよく「ピーナッツは色気がない」なんて、よく言われたのですが、
えっ、そうなのかなあ、じゃ、自分は変な人間かなあ、とか、とても不思議でした。
色っぽいといえば、床屋さんで散髪の順番を待っている時に「平凡」という雑誌を
見ていたら「桑野みゆき」という映画スターのセパレートの水着写真が載ってました。
それを見た途端、ビビビと脳髄に電流が流れたように吃驚しちゃったのです。
大人の言葉で言えば「悩殺」されたということですが、カラー写真が余りに生々しく、
そのまま持って帰りたいような気持ちになりました。
どっちにしても本当に他愛のないものです。
しかし、そういう印象はずっと残っていて桑野みゆきも私の中では超絶的に色っぽい
女性であるという意識はいまだに拭えません。あの写真、もう一回見てみたいなあ。
凄い脱線をしてしまいましたが、イモねえちゃん、だとか、太ってるとか、言われた
当時のピーナッツには、後年の洗練されスマートになったピーナッツにはないそんな
魅力があって、それも人気爆発の要因ではなかったのでしょうか?
とにかく、順風満帆、出す曲は、みんな日本中に知れ渡った時期でした。
可愛い花〜キサス、キサス〜情熱の花〜乙女の祈り〜ときて、この悲しき16才。
おまけに、B面まで大ヒット。それが「心の窓にともし灯を」です。
この悲しき16才から「悲しき....」というタイトルがポップスカバーの常套句に
なってしまったのもすごいことです。
勿論、これはピーナッツのオリジナルじゃないのですが、流行らせたのはピーナッツ。
本場物じゃなきゃダメだという人も居るでしょうが、これはピーナッツの歌でしょう。
惜しむらくはモノラル録音であること。(時代が時代ですから仕方ないけど)
B面の「心の窓にともし灯を」はステレオで録音し直しています。
この再録音がまた凄い。同じ音源かな、と一瞬錯覚するほどにオリジナルそっくりだ。
演奏までオリジナルを踏襲している。
後年、メドレー形式で「悲しき16才」をさわり程度に歌うこともあったのだけれど、
これも歌い方がぜ〜んぜん変わっていないのですね。これも意外なんだ。
モノラルだから鼻につまったような声音なんかな〜と思っていたら、そうじゃなくて、
そういう歌い方なんですね。レコードの声が再現されるので驚きました。
投稿日:2003/03/30
1960年というのはラジオでヒットパレード番組を聴きはじめた頃で
特にTBS(当時はラジオ東京)の今週のベストテンをよく聴きました。
(テーマがハリージェームスのトランペットブルース)
この年最初にヒットしたのがニールセダカの「恋の片道切符」で8週ぐらい
トップで、それにとって変わったのがケーシーリンデンの「悲しき16才」、
さらに「ローハイド」「死ぬほど愛して」と続いたと記憶しています。
インファントさん、おまちかねでした。私にとってザ・ピーナッツの歌と言えば、
一番にこの「悲しき16歳」が来ます。
父が「可愛い花」のレコードを持っていましたが、「悲しき16歳」のピーナッツが
私にとても強烈な印象を与えて、この曲が私にとってのピーナッツになりました。
この歌は他の人が誰も歌っていないことからもやっぱり
“ザ・ピーナッツの”という形容詞がついて正解でしょうね。
若干スリー・グレイセスの英語版カバーもありますけど
全然ハイティーンの心情が伝わってこないです。
こんな歌を歌えるのはピーナッツ以外にはやっぱりいないだろう
と感じさせてくれますよね。
たった2分足らずのとても短い歌だけど、今の歌のように
だらだらと長いものよりもビシッと簡潔にまとまってて
いいなあと思うんですよね。