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♪枯葉 1968.12
AUTUMN LEAVES
作曲:J.Kosma 作詞:J.Mercer(英語詩) 編曲:宮川泰
演奏:オールスターズ・レオン コーラス:フォー・メイツ
録音:1968.08.30 文京公会堂
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
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若葉が萌えたち周囲の緑もみるみる濃くなるこの季節に枯葉とはミスマッチですが、
五十音順なのでご勘弁下さい。(笑)
逆に、この緑もいつしか枯れるのだと思ってこその有り難みがあったりするわけで、
素晴らしい天気に恵まれた黄金週間も今日でお終い。既に思いは憂鬱にもなります。
イヤな仕事、つまらん仕事も待ってはいますが、働らかなきゃ食べられません。
この時期に枯葉など思い浮かべるとついつい哲学しちゃいます。(どこが)
さて、余りにも有名で、世界中の歌手、楽団が色んなスタイルで挑戦するこの曲。
それだけに歌唱、アレンジ、演奏など、その腕前が白日の下に晒される怖い曲なの
かも知れません。自信のない方は避けたくなるのではないかしら?
ザ・ピーナッツはデビュー10年目のアルバムで初めてこれを歌いました。
さて、その首尾はいかがなものなのでしょうか。
本を読む時に「あとがき」からついつい見てしまう、ということはありませんか?
それは、本を買った後で電車やバスに乗った時など、本文はまあ落ち着いてからと
心で決めているので、ちょっとした序文があれば、そこ、なければあとがきなんかを
さらっと読んでみたくなるものです。
レコードでもそうです。初めて聴くときは、やはりその出逢いというものを大切に
したいので、これからメシを喰うとか風呂に入るという段取りが控えているのならば
ジャケットだけ眺めたりすることになります。
アレンジは宮川先生か..というだけである程度ヒントがあるわけなので聴く以前から
何か普通じゃないことをやりそうだ、という予感がするわけです。
バイオリン、チェロなどのバックでしおらしくはやらないだろうな、アコーディオン
も使わないだろうな、直前が、マーシー・マーシーだしな、と推理も楽しい。
そして、やはり素人の思いもつかぬアレンジが実際に聴けたのだから二度楽しい。
いきなり、ダバダバダ〜ですからね。(笑)
当然なのか常套なのか音楽家ではないのでわかりませんが、このダバダバダ〜が凄い。
チェンバロとフォー・メイツとの分厚いハーモニーが一瞬にして場を作ります。
枯葉が舞うのです。一枚ではなく数枚がハラハラと舞い落ちるのです。
枯葉を落ち葉が追いかけていくのです。クラシックな風情があったりもします。
もうここだけで(勝負じゃないけども)勝ったな、という感じです。
フォー・メイツとの共演はどの曲でも良い結果が生まれています。
ピーナッツだけでは出来ない厚み、表現力が強化されるし、邪魔になることもない。
ザ・ピーナッツの活動以外に彼等と組んで別ユニットを作ったらいいのではないか?
沢山の録音を聴いていて常にそう感じていました。
お茶の間のマスコット的なアイドル系はせいぜい5年でいいし、歌謡曲に行っても
勿体ないし、音程とリズム感を活かした混声合唱の魅力路線もありだと思った。
実際、レコード内ではそれが出来ているのだから、まあ、それでもいいのだけれど、
コーラスの楽しさの原点に戻った面白味を視覚メディアを通じて魅せてくれるのも
視聴者のレベルアップにも繋がったのではないかと思う。
結構、ザ・ピーナッツは無意識に茶の間に新しい文化を定着させてきたのである。
それは大袈裟ではないか、と感じられるかも知れませんが、ザ・ピーナッツ個人が
ではなくてスタッフとの連合軍が優れたチャレンジをしていたのであります。
コーラスの和声が素晴らしく、そこに聞き惚れてしまうのですが、演奏もいいです。
間奏のギターなど凄く上手いと思います。奏法のことは全然わからないのですが、
全体の流れで、全てが和声重視であるその中にギターも溶け込んでいます。
変わった枯葉だなとは思いますが、そこに気品が感じられたり、お洒落でもある。
かといって妙に高尚な風にも生意気な感じもなく、さりげない自然さも伴って、
安心感が次第に、枯葉って、こういう歌だな、これも標準かも知れないな、とか、
もう全然、無理なアレンジじゃないことに気付かされます。
投稿日:2003/05/05
<lesterさんよりレス> - 2003/05/06
>間奏のギターなど凄く上手いと思います。奏法のことは全然わからないのですが
これはウェス モンゴメリーの創始したオクターブユニゾン奏法だと思います。
ウェスは1967年にA&Mに吹込んだアルバム「A Day In The Life」が
大ヒットしたのも束の間、翌年に急死してしまった悲劇の人です。
それはともかく、この「枯葉」とても良いですね。
私としては、やっぱりプログレよりスタンダードだなあ。