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♪かわいい小鳥 1965.08
THIS LITTLE BIRD
作曲:Loudermilk 作詞:あらかはひろし 編曲:東海林修
演奏:レオン・サンフォニエット
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
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英国系ロック界のアイドル歌手マリアンヌ・フェイスフルが歌った曲のカバーです。
モンキー・パンチさんの漫画「ルパン三世」の峰不二子のキャラクターはこの方の
イメージなんだそうです。これはネットサーフィンして拾ったネタです。
元歌は聴いた事がありませんが、是非聴いてみたいという程の執着はありません。
最近では、白鳥英美子さんのアルバム「I’M HERE〜永遠の詩〜」の中で
この歌がカバーされています。ネット試聴したら、なかなか良かったですよ。
さて、ここでクイズです。
ザ・ピーナッツの歌でレコーディングされている曲に限定して、作詞、作曲、編曲を
されているアーティストのベスト・スリーの中の「????」を当ててみて下さい。
作詞
第一位 音羽たかし 40曲
第二位 ???? 26曲
第三位 岩谷時子 25曲
作曲
第一位 宮川泰 32曲
第二位 すぎやまこういち 17曲
第三位 ???? 15曲
編曲
第一位 宮川泰 数百曲
第二位 ???? 15曲
第三位 東海林修 12曲
作詞家の正解は、かわいい小鳥を作詞した、あらかはひろし(ペンネーム)さんです。
作曲と編曲の????は同じ人で、え、そうなの、という意外な方です。
勿体ぶらずに、さっさと正解を書きましょう。(笑)
ハインツ・キースリングさんなのです。
ザ・ピーナッツはご存知のように外国にも進出した時期がありました。
ヨーロッパではわかっているだけで、8枚のオリジナル・シングル盤を出しています。
この内の15曲が、国際的な作家であるハインツ・キースリングさんの作品なのです。
それらの曲は改めて連載の一部で取りあげますが、ここの主役は彼ではありません。
編曲を担当された東海林修先生です。
東海林先生とハインツ・キースリングさんの出会いについては、
「東海林 修 公認ファンサイト グリーンジンジャー」の「メッセージ」という
コーナーで先生自ら寄稿されておられますので、ご覧下さい。
↓
http://www6.airnet.ne.jp/oumesan/index_gg.html
<2001/12/02 東海林 修先生のお話(5)〜 ハインツ・キースリング氏 〜>
「その時に聴いた”音”は正に感動で足が震えました。狭い日本のカエルだった
私自身を思い知らされたからです。」と、その運命の出合いを語っておられます。
この出逢いは東京オリンピックの年ですから1964年。
そして、この「かわいい小鳥」のアレンジは翌年の夏に行われているのです。
これがアレンジの真髄だ、という奥義に目覚めた東海林先生のお仕事によるものです。
一方、ザ・ピーナッツとしては、シングル盤両面にカバー曲を持ってくるのはこれが
最後であり、また以後はオリジナル曲が中心でした。
いわば、ポップスカバーのこれが極めつけとでもいうべき集大成的な仕事になります。
B面の「ブルー・レディーに紅バラを」も東海林先生のアレンジです。
「ソフィスティケーションされた魅力」この一言に尽きると思います。
これが東海林先生のお仕事に共通してみられる特色と私は感じています。
生々しい赤裸裸な感情をぶつけるのではなく、そこに知性と教養が滲み出るような
決して抑制ではないのだけれども音楽としての美意識を損なわないことを優先させた
作風と私は感じています。
また、刹那的な流行とも無縁なエバーグリーン的にいつまでも聴ける良さがあります。
これも、ザ・ピーナッツなのですが、異色なザ・ピーナッツという感もあるのです。
この感覚にもっとも近いのは、最後のシングル盤である「浮気なあいつ」「よこがお」
のカップリングです。(曲調が似ているというのではありません:念のため)
どの感覚が、というと、「ソフィスティケーションされた魅力」が似ているのです。
最後のシングルで聴ける、その完成度が、既にこの10年前の盤で聴けるのです。
かといって「10年は進んでいたアレンジ」という概念は私の好みではありません。
10年進んだところで既に28年も昔であり、それは「古くさい」となってしまう。
つまり古いから良いとか新しいから良いのではなくて、絶対的に良いアレンジだから
良いのです。ラベルやリムスキーコルサコフは当時として新しいから良いのではなく、
ラベルでありリムスキーコルサコフだからオーケストレーションが素晴らしいのです。
「かわいい小鳥」では、東海林修先生のアレンジが時を超えて素晴らしいのです。
投稿日:2003/05/10