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♪鏡をみてもちっとも似ていない 1966年発売
作詞:サトウハチロー 作曲/編曲:平井哲三郎
演奏:オール・スターズ・レオン コーラス:ヴォーチェ・アンジェリカ
LP/おかあさんへプレゼント ●サトウハチロー詩集「おかあさん」より
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
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「おかあさんのうた」に引き続き、サトウハチローさんの詩集「おかあさん」を素材に
したキングのオムニバスLP収録曲の感想です。
♪鏡をみても ちっとも似ていない 顔かたちも 目も鼻も口も
それなのに うしろ姿は 母にそっくりだという
半分さみしく 半分うれしい
わたしのうしろ姿に 母がいる 母がいる
どことなくユーモラスで、ちょっぴり暖かで、しんみりする不思議な詩だと思う。
誰でも書けそうなんだけど、それを詩にしようとは凡人には思いつきません。
鏡を使ったコントで、実際には鏡はなくて、枠だけでピーナッツが差し向いに座り
同じ仕種をするというのがあって、面白くてピーナッツだから出来るのかな、とか
思ったりもしたものですが、そういう化粧品の生コマーシャルもありました。
この歌を聴いたら、まっさきにそれを思い浮かべてしまいました。
バック・コーラスがヴォーチェ・アンジェリカという豪華な布陣で、可愛さいっぱい。
大曲とは対極を為すような、小品という感じの歌で、ささやかでさわやかです。
やあ、凄い歌を聴いたぞ、というのじゃなく、小さな幸せを感じるような歌ですね。
曲を作った平井哲三郎さんという方は、私が聴く世界には全く馴染みがありません。
おそらくクラシック畑が中心で、真面目で教育的な曲を手掛ける方と思われます。
ザ・ピーナッツの歌う楽譜も丁寧なハーモニーがついていまして素人では同じように
歌うのは困難です。でもザ・ピーナッツだから、あっさりとさりげないのです。
私は長男で、妹や弟に比べ、母だけじゃなく祖父母にも過保護を絵に描いたように
育てられました。自分のために周りの皆が尽くしてくれるような環境だったので、
どうもそういう感覚が抜けなくて人を頼りにしたりしてしまいます。
服なんかも脱ぎぱなしで、家内が拾い集めています。やりっぱなし、の悪い性格。
不思議なことにそういう星の下に生まれたということもあるような気がしてまして、
本当に色んな人が仕事でもプライベートでもお世話をしてくれます。感謝してます。
だから私にとって周囲のみんなが、おかあさん、という気がしないでもないのです。
私も父親になってわかったのですが、親が子にしてあげることにお返しはないです。
子供は物理的には何もしてくれないんです。でも、ちょっとした笑顔が嬉しい。
無財の七施の一番大切な何かをくれるのです。どんな苦労も吹き飛びます。
育児ノイローゼという現象があります。あれはお父さんの気配りが足りないのです。
私はそういう時期には大変なのはわかっていたから仕事はなるべく早く切り上げて、
家路に着きました。家内は一日中あまり寝れないのです。
だからちょっとでもいいから横になってもらおうとして、赤ちゃんの世話をします。
それでも、その言葉だけでうれしい、と言って実際には寝たりはしませんでした。
よく、今の若い者は、とか言いますが、私は今の若い世代の感覚の方が好きです。
昔の親父像はダメです。あれでは、子供がおかあさんにしか愛を感じません。
週休二日の世の中になったおかげで子供と多く接することが出来る時代なのです。
娘と一緒に公園に遊びに行くと、多くのおとうさんと逢うことが出来ました。
昔とは大違い。ここが今のおとうさんの偉いところです。
私は38歳という晩婚だったので、周囲はかなり若い世代のおとうさんでした。
幼稚園にもたくさんのおとうさんが集まってゲームなんかもしました。
皆さん理想的な優しい父親です。駄目な親というのは余り見当たりません。
これは絶対に昔の時代より良いと思いますし、間違いではないと思います。
怒られたり、殴られたりしたことは今の自分の糧になんかなってはいないのです。
あれは人間の子を犬や猫と勘違いしてるんです。叱ることと教えることは別です。
人間は生まれつき優れたオペレーティング・システムを持っているのです。
親が期待していることは自然と理解出来るし、自分で考えて学ぶことが出来ます。
親子で意志の疎通が出来ない、とか、考えていることがわからない、というのは
「愛」と「理解力」が不足しています。「平和」というのは理解力が必要です。
親子で理解が出来ないようでは、人類の世界平和なんか永遠に実現出来ません。
投稿日:2003/08/25
<ペコちゃんよりレス> 2003/08/25
「おかあさんへプレゼント」のなかでも一番覚え安くてリズミカルでそれでいて
なにかしんみりしてしまう曲ですね。
感想は連載犬さんがすべて書いてくださったとおりです。
ピーナッツがさりげなく歌っていますが心に残るものがありますね。
そしてヴォーチェアンジェリカのバックがとてもよくきいてます。
バックコーラスは脇役で地味だけど、その歌を生かすも殺すもバックコーラス次第なのですね。
平井哲三郎さんは「平城山(ならやま)」という名曲を作曲した平井康三郎さんのご子息で
音楽一家に生まれた方です。作曲・編曲をされる方で学校校歌、子供のうたなどを沢山作っています。