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♪北国の恋 1971.05
作詞:山上路夫 作曲:沢田研二 編曲:宮川 泰
演奏:オールスターズ・レオン
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★ | ★★★ | ★★★* |
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このタイトルもピーナッツ・ファン以外ピンとこないマイナーな曲かもしれません。
シングルB面だし、A面も「なんの気なしに」ですから、余り売れておりません。
両面とも沢田研二作品ですが、あまり才能の凄さという感じが滲み出てはいません。
題名もそうですが曲も類型的です。どこにでもあるような曲調だなと感じます。
まあ、それだけに軽く聞き流すような感じの軽快さが持ち味と言えますね。
歌詞の平凡さ、メロディーの単調さを救っているのは宮川先生のアレンジでしょう。
もうほとんど編曲と演奏とピーナッツの歌で、ピーナッツのレコードだよ、と言える
その水準を維持している。そんな印象を私は持っています。
イントロのトランペットのう〜〜〜〜んっとという引っ張り感が聴かせます。
全体にノリが良くて、同時録音みたいなライブ的感覚があるんです。
この時期にはマルチトラックだと思うのですが、わざと一緒に録ったということも
考えられないことはないかな。それほど演奏と息が合っていてピーナッツが上手い。
ただ、惜しいな〜と感じるのが右サイドのギターのサウンドです。
なんでここでこのピヨヨン、ピヨヨンというふざけた音色を使ったのでしょうか?
宮川先生は時々このようなわけのわからない指定をするので面喰らいます。
このギターの音色さえ別の何かに置き換えれば全体が凄く良くなったのではないか?
もちろん、私だけの勝手な思い込みですが、歌詞も曲も悲しいテーマなんだから、
ここで面白い効果を出しても無意味だと思うのです。整合性がないと思いました。
どこがどうという説明は出来ませんが、この歌はB面だよな、と感じてしまいます。
そしてA面の「なんの気なしに」もB面曲みたいなので、両B面シングルみたいです。
円熟期のザ・ピーナッツなので歌いっぷりには文句なしなのですがインパクトがない。
あえて他の作曲家(沢田研二)を起用してこの程度なら、宮川先生が作曲された方が
もっと良い作品が残されたんじゃないかな〜と、ちと残念。
ことピーナッツの歌に関する限り(私にとって)宮川作品にハズレがひとつもない。
毎回、同じ愚痴を書いてても過ぎた時間は戻りませんが。(泣)
さて、この歌にはどんな効用があるのかを考えてみました。
これって、ピーナッツの歌を沢山続けて聴きたいな〜という気分の時に合うのです。
存在感はあまりないのですが、やっぱりこういう軽さもあった方がいいのです。
そうすると他の例えば「愛のフィナーレ」みたいなズンと重い歌が活きてくるんです。
そういう意味では沢田研二作品も作風は多彩なので、以前も書いたようにアルバムの
12曲を全部沢田作品にしてLPを出すべきだったと思いますね。
シングル盤は専門の作曲家がいくらでもピーナッツの為に書き下ろしてくれた筈です。
作曲はインスピレーションだと思うので別に歌手の彼がやっても構わないのですが、
やはり専門職には適いません。どうしてもシングルで勝負出来るようなパワーがない。
それは何も技術的なことじゃなくて、感性の深みとか味みたいなもののレベルが違う。
メロディーラインに込められた感動の度合いが段違いだと思うのです。
なんか、いい歌が出来たね、だけという作品だから、どうも愛着が湧かないのです。
この路線では余り傑作は期待出来なさそうだし、営業的にも盛り上がらなかったのか
結局、この両面曲で一連の沢田研二作曲シリーズは打止めになってしまったのですが、
他の曲に比べてもそれなりのレベルにはあることも事実なので楽しめる歌です。
特にサビのメロディー、ハーモニーが素敵な盛り上がりを作って聴かせちゃいますし、
間奏から再びサビに戻るところなんかもなかなかのものです。
もちろん、歌は上手いよ〜。ダイナミック歌謡曲だよん。
投稿日:2003/07/10