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♪君去りし夜 1962.03
LA NOCHE DE TU PARTTIDA
作曲:O.Oropeza 作詞:あらかはひろし 編曲:宮川泰
演奏:シックス・ジョーズ スパニッシュ・ギター・ソロ:山田たかし
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★* | ★★★★★ | ★★★★* |
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この上なく地味な曲ですが、私はこの曲が気に入っています。
ラジオでは時々流れたと思いますが、AB面ともにテレビで見た記憶がありません。
売るという努力がまったくされなかったようなシングル盤でした。
それは無理もありません。まあ、見て下さい。下記はたった一年の新曲の山です。
1月:いつも心に太陽を/山小屋の太郎さん
同:<LP>ピーナッツのザ・ヒット・パレード第2集
(新曲)涙のスクリーン/ポケット・トランジスター/悲しきかた想い
2月:ふりむかないで/アテネの恋唄
3月:君去りし夜/あなたなんかもういや
4月:夕焼けのトランペット/ローマの恋
5月:私と私/幸福のシッポ
6月:モスコーの夜は更けて/初恋のところ
7月:イエスサリー/グッド・ラック・チャーム
同:<LP>ピーナッツのザ・ヒット・パレード第3集
(新曲)モニカ
8月:さいはての慕情/ジョニー・エンジェル
10月:手編みの靴下/二人の高原
11月:レモンのキッス/恋のジューク・ボックス
同:ジングル・ベル/サンタクロースがやってくる
な..なんなのでしょう。このリリース・ラッシュは..狂気の沙汰だと思いませんか?
初任給(公務員:国家公務員上級試験に合格した高等官)が、15700円の時代の
シングル=290円、25センチLP=1000円(ステレオ盤は1200円)です。
現在の大学卒公務員初任給は、約180000円。
この物価水準に換算しますと、シングル盤=3300円、LP=11500円です。
こんなペースで発売されては高校生の私の親のスネは齧り尽くされてボロボロに。
なんといっても「ふりむかないで」の直後でしたから歌われる機会はなかったのです。
それでもこの歌が気に入って、ギターを買って来て、何とかこれを弾こうと挑戦。
カンだけで音を見つけコードらしきものを探してデタラメにやってました。
それを見てて、母が言いました。「苔の一念、岩をも通すだね〜」って。
「夕焼けのトランペット」では雨戸を閉めて、トランペットを吹きました。(実話)
「ローマの恋」では、ピアノを...これは..手が出ませんでしたね。
とにかく伴奏とはいえ、ザ・ピーナッツのレコードの演奏はその楽器の名手がいつも
弾かれていることが多かったと思います。聴き応えがあるのです。
作詞をされている「あらかはひろし」さんとか「音羽たかし」さんというのは実在の
方ではなくて、牧野プロデューサーのペンネームじゃないかと思っておりました。
ところが先日、林檎の木陰の掲示板の方で、まりこさんからご投稿がありまして、
> 祖父は訳詞家をしていまして、何度かお仕事をさせて頂いてたそうです。
> 「ジングル・ベル」「コーヒールンバ」など訳詞していたそうです。
これで、キングのスタッフがプロジェクト的に作詞されていたことがわかりました。
プロジェクトA:音羽たかし (音は高し:キングレコード本社は音羽にある)
プロジェクトO:あらかはひろし(荒川広し:キングレコード工場は荒川区)
命名真偽の程はまあわかりませんが、こういうことだったのでしょうね。
まだわからない謎は「千家春」さんという月影のナポリ、白鳥の恋の作詞家です。
本格的な作詞活動をする前の岩谷時子さんではないのか、などと推理しています。
どなたか、事情通の方が居られたら教えて下さい。