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♪キャンディー・ムーン    1964.3
  作詞:安井かずみ 作曲/編曲:宮川 泰
  演奏:レオン・サンフォニエット
  録音:1964.01.21 文京公会堂
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★* ★★★★ ★★★★*

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それまでのEP盤のジャケットとはちょっと異質な光沢のある紙質が使われていて、
あれっという感じを持ちました。色は単色なんですが、なかなかいい感じです。
この頃の宮川先生はノリにノっていたようで、前年の恋のバカンス〜舞妓はん音頭〜
東京たそがれ〜こっちを向いてとオリジナルを多数ピーナッツに作っていますが、
このキャンディー・ムーンの後もジューン・ブライド〜青空の笑顔〜マイ・ラブ、と
次々に素敵な歌を作ってくれた夢のような時期でした。

ミエとゆかりのコンビが、ザ・ピーナッツの代表曲を歌い継いでくれているのですが、
それら定番曲だけがいい歌だというわけではないと思います。
宮川先生も後年色んな場面でピーナッツの曲を再披露してくれていますが、ここでも
大体決まったお約束のナンバーということになってしまいます。
贅沢をいえないのはわかっていても、ピーナッツはそれだけじゃないよと思っちゃう。

手元に「宮川泰作品集」という自作自演のLP(キングと東芝)があるのですが、
その曲目をここで紹介してみます。

キング(SKK−58)1965年
<A面>               <B面>
1.ウナ・セラ・ディ東京        1.恋のバカンス
2.ふりむかないで           2.マイ・ラブ
3.ひとつぶの真珠           3.歌を教えて
4.キャンディー・ムーン        4.何も云わないで
5.青空の笑顔             5.幸せをつかもう
6.ジューン・ブライド         6.手紙
   宮川泰(ピアノ)とオール・スターズ
   ゲストソロ:松本英彦(テナー・サックス、アルト・サックス、フルート)
         道志郎(エレクトーン) 
         松宮庄一郎(エレクトリック・ギター)

東芝(TP−7202)1967年
1.帰りたくないの           1.逢いたくて逢いたくて
2.つれてって             2.信じていたい
3.若いってすばらしい         3.銀色の道
4.何でもないわ            4.しあわせの花を摘もう
5.恋のバカンス            5.大人の匂い
6.ウナ・セラ・ディ東京        6.青い雨
   宮川泰(ピアノ、アコーディオン、クラビエッタ)とニュー・サウンズ

ほんとにいい曲ばかりを若き日の宮川先生がジャズっぽく楽しく弾いています。
私の秘蔵のLPですが、ジャケットをご紹介しにくいのが残念です。
二枚とも外人女性のヌード写真なのです。宮川先生の趣味なのかしら???
お値段も、1500円の廉価盤でした。先生の名前じゃ売れない時代だったんだ。
だけど、この演奏がたまらなく好きです。
先生の作曲の奥義に触れたような、ああ〜こういう感覚の方なのだと感じます。
(注:「手紙」という曲はマヒナ・スターズが歌ったものです)

キャンディー・ムーンも演奏版を聴くと、なるほど、と思える面があります。
ピーナッツ版とあまりイメージは違いませんが、ラテン・ピアノ・タッチです。
  ♪はるかな空から 見つめてるの〜〜〜……
ここのエコー処理が幻想的で無重力空間みたいなのがピーナッツのレコードですが、
演奏ものでも、ここがアクセントになっています。ここが聴かせ所なのでしょう。
世間的には全く流行らず、埋もれてしまってますが、私にとっては宮川先生の作品は
全て等価値なので、ヒット云々は問題外です。私が好きならそれが名曲なんですから。

後年の「マイ・ラブ」「哀愁のヴァレンチーノ」「たった一度の夢」「恋のフーガ」
などに比べるとアレンジの技術面でまだまだ勉強途上なのかなという物足りなさを
感じる面もありますが、何をやりたいのか、どういう夢を託しているのかといった
感覚はむしろストレートに伝わる感じもあって、これは自分が愛さなくては、他に
誰が好きになってくれるのだ、という妙な親近感を抱いてしまう不思議な曲です。
凄くなんかないし、どこがいいとか言えないけど、やっぱり好きです。大好きです。

投稿日:2003/09/05



<アマクサのシロさんよりレス> 2003/09/07


プレーヤーも無いのに(家が貧乏なので)初めて買ったレコードが「キャンディー・ムーン」と
「ジューンブライド」なんです。
近所の人からポータブルのプレーヤーを借りて二枚しかないレコードを繰り返し繰り返し
聴いたのが昨日のような気がしますが。
あれから39年も経つのか、その時のレコード盤は傷みが激しいので捨てましたが
ジャケットだけは今も有ります。



アンカーさんよりレス> 2003/09/07


初めて買ったレコードっていつになっても
鮮明に覚えているものですね、>アマクサのシロさん
僕の場合は「ブルー・ライト・ヨコハマ」でした。
ピーナッツじゃなかった・・・。ゴメンネ。
やっぱりこのころ家にステレオが無い頃で(それ以前・以後はあるんだけど)
親戚の家にレコード抱えて聴きに行ってました。
レコード盤に針下ろすのが出来なくて、いっつもやってもらってました。
ピーナッツのレコードではシングルじゃなくてLPだったんですけど
「世界の女たち」が初めて買ったものです。
お年玉ためて名古屋まで電車に乗って買いに行きました。
(この時はまだ岐阜の山の中の少年だったの)



初めて買ったレコード <インファント> 2003/09/07


「星条旗よ永遠なれ/錨をあげて」で海上自衛隊音楽隊でした。(笑)
これは今でも口笛で全部吹けちゃいますよ。
歌ものは「幌馬車隊/アイ・ラブ・パリス」で平尾昌章さんの歌でした。
日本テレビの映画主題曲だったのですが、主題曲って書いてるのを買ったら
歌が入っていないのです。それはオリジナルのレコードだったのです。
あわててレコード屋さんに取り替えてもらいました。
主題歌と主題曲は違うなんて子供にわかる筈がないから仕方ないよね。
お店の人はレコードをかけてくれて、これでいいんだね、と言ってくれた。
このEPレコードをネットで見たら、9000円の値がついてました。