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♪京都の恋   1972頃(推定)
KYOTO DOLL
  作詞:林春生 作曲:D.Wilson, M.Taylor,G.McGee, J.Durrill
  編曲:宮川泰 演奏:記載なし
  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★* ★★★★ ★★★★

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ザ・ベンチャーズの作曲で、渚ゆう子が歌ってヒットした曲です。
渚ゆう子さんはこの曲でデビューしたわけではないのですが、ここから売れっ子に
なったことは皆様周知のことだと思います。
ベンチャーズが日本の歌謡曲を作ってしまうことには当時違和感があったのですが、
出来た曲は日本人の感傷的な気質にマッチしていて、ほんとに彼等が作ったのかな?
と首をかしげるようなメロディーが出来上がったので驚きです。
まさか、筒美京平さんが影武者で作ったなんてことはないでしょうね。(笑)

渚ゆう子さんの曲で私が好きなのは「雨の日のブルース」(作曲:筒美京平)です。
京都シリーズが大流行したのですが、それより「雨の日のブルース」なんです。
この曲は、ザ・ピーナッツの「愛のフィナーレ」と同じような時期に出たのです。
「愛のフィナーレ」には個人的に辛い思い出があって、
http://homepage.mac.com/infant/home/015.html
そのために、この「雨の日のブルース」もその引き金になってしまう曲なのです。
行方洋一さんという録音技師の方が腕をふるったといわれるこのレコードは音響も
素晴らしく、作られた音というイメージが多少はあるのですが、例外的に好きです。

当然シングル盤を買ったのですが、この盤をもし傷つけてしまったら、と思って、
渚ゆう子のLPも買ってしまいました。しかし、他の曲はさほど気に入ってません。
そういうわけでザ・ピーナッツのレコードみたいに複数の盤を聴き比べてみますと、
ドーナッツ盤(EP)の方がかなり音がいいんです。
これは他でも言えることなのですが、やはり、45回転と33.3回転の違いであり、
刻まれている面積の違いがあるのでダイナミックレンジが全然違います。
LP盤は沢山の曲が入っているので「お買得」ではあるのですが、ドーナッツ盤は
それならではの良さが絶対にあります。

盤質という面ではLPには厚みがあり(安物は薄いが)そういう面の良さはあります。
だからドーナッツ盤を厚く作れば鬼に金棒じゃないのかなあと思います。(笑)
オーディオマニア向けのLPでは、45回転のLPというものがありました。
これは凄いです。特に低音のエネルギーが凄まじい。
CDではこういうことは全くないと思います。シングルもアルバムも同じでしょう。

この「雨の日のブルース」のCDが欲しくて某アルバムからのコピーを頂いたりして
いましたが、晴れて渚ゆう子の二枚組アルバムが出たので喜んで買いました。
著作権の問題とデジタルコピーの蔓延が取り沙汰されますが、商品をちゃんと提供も
しないのに権利ばかりで縛り付けるのはおかしいと思う。
音楽はどんなジャンルであっても私は芸術品だと思っています。
良いものにはきちんと身銭を切ることが礼儀だし、そうでないと自分に恥ずかしい。
音楽を聴ける時間というものは生涯で考えてもそんなに沢山は聴けません。
その程度のものを不法に入手して聴くなどという卑しい人間にはなりたくないです。

京都の恋の話題に戻ります。
オリジナルのアレンジは川口真さんで、この曲はこのアレンジでなけりゃ、とまで
思える程に一世を風靡したと言っても過言ではないような名編曲でした。
さて、ピーナッツのカバーはというと、宮川先生が手がけて、ピーナッツが歌うと
なるほどこうなるのか、と、オリジナルの面影は殆どなくて、これも面白いのです。
でも、おふざけの感じではなくて大真面目に取り組んでいるところも興味深くて、
このようなカバーでも全力投球しちゃうのだなあと感心します。

この歌のCDは何故なのか頻繁にリリースされているので入手しやすいと思います。
タイトルで提示したCDは入手難かも知れませんが、次のCDは売っている筈です。
キング KICX 7091(2002.09.04)

右側のCDはドリームCD-BOXの4枚目で、ここにも入っていました。

<2003.9.21記>