■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
♪黒猫ピーター 1965.06録音
Schwarzer Peter
作詞:Joachim Relin 作曲/編曲:Heinz Kiessling
演奏:Heinz Kiessling Chor und Orchester
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ザ・ピーナッツ・ファンとしては、これは大変なCDが出たものだと感激しています。
国際的タレントという言葉は当時から言われてはいましたが、具体的なその活動が
当時は殆ど紹介される場面がありませんでした。
放送する権利の関係が難しかったということとか、あの時代は外国へ行くこと自体が
大変だったので、取材陣までが同行するなんて考えられなかったからだと思います。
したがって、ザ・ピーナッツの価値そのものが実体よりも低く見られていたようにも
思うので、そこが残念だったなと感じます。
現在、そういう歌手が居ればの話ですが、同じことをやったならば、それはそれは
マスコミで大変な評判になったと思います。
当時も今もそうですが、大衆の好みにマスコミは迎合する存在なので、歌手の活動を
真面目に紹介することには熱心だとは思えないお寒い世界です。
誰と誰が仲がいいとか喧嘩してるとか不倫だの金を借りたの詐欺をしたの等等等...
そういう人間の卑しさみたいな面を誇張してとりあげることで視聴率や販売部数を
増やすことに汲々としています。
芸能を扱う雑誌が率先してそういうことをやっていたし、やっているのだから歌手の
レベルが上がるわけがない。悪趣味な話題が好まれる。
ザ・ピーナッツはそういうゴシップ・ネタがないものだから次第に取材対象にも
ならなくなったようにも思います。
「平凡」でも「明星」でもいいから、ドイツに取材に行くような真面目さはなかった
のも情けない。日テレもフジもピーナッツのレギュラー番組を放映してたのに何も
アクションをとらなかったのも目先の利益が優先したとしか思えない。
素晴らしいなと感じたのはドイツの人達の暖かさです。
ザ・ピーナッツのテレビ出演がそんなに頻繁にあったわけではないのです。
なのに、あんなにシングル盤を出してくれて、遂には、今回のCD発売です。
オムニバスに混じっているのではなくて、ザ・ピーナッツのCDなのですからね。
ハインツ・キースリング氏の曲はザ・ピーナッツの魅力を熟知されていると思います。
さすがに世界的な作曲家であり、このCDだけ聴いても大変な才能が見い出されます。
8枚=16曲のオリジナルが収録されていますが、どれもこれも楽しめる曲ばかり。
可愛らしい曲が多いのですが、シンプルな曲調でありながら聴き応えがあるのです。
同じ歌手にはシリーズ風な同じような曲を並べる日本のやり方とは大違いです。
これが音楽文化の底の厚みなのでしょうか。安直さがありません。工夫が違います。
ザ・ピーナッツがどれだけ練習してもどうしても上手く発声出来ないスペルがあり、
そういう単語は使わないで作詞をしたというような話もあったと記憶しています。
それでも彼女達に大変な魅力を感じたからこそ、これだけ多くのリリースが実現し、
35年以上経ってもCDになって復活されるほどドイツでは愛されたのでしょう。
その中でも、この曲は、ザ・ピーナッツのお茶目さを活かしていて面白いです。
実は歌詞がさっぱりわからないのですが、そんなものはわからんでも素敵なんです。
「ニャーオ」という猫の声は万国共通で、ここはとてもよくわかりました。(笑)
(2003.10.05記)