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♪恋のジューク・ボックス   1962.11
IF I DIDN'T HAVE A DIME
(TO A FLY THE JUKE BOX)
  原曲:Bert Russell-Phil Medley 作詞:漣 健児
  編曲:宮川 泰  演奏:オールスターズ・レオン

   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★ ★★★ ★★★★

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1962年のジーン・ピットニー(悲しき街角でお馴染み)のヒット曲のカバー。
「恋の」とタイトルにつけると流行りやすいというジンクスがあったようでしたが、
あまり他で聴いた記憶がなく、我が国でこの元歌が流行ったのかもわかりません。
ピーナッツのカバーは流行りませんでした。これは「レモンのキッス」のB面です。
随分と変わった歌だなとは思いますが、度々聴く気にはなれなかった歌でした。

ピーナッツには似合わないような歌だなという気もします。
概ね漣健児さんはザ・ピーナッツ向けに作詞することってなかったのではないか。
殆どが競作の場合に漣健児さんの詩をピーナッツも歌うというパターンだったような?
これは何も具体的根拠はないのですが、全体にそう感じるのです。
しかしながら、ピーナッツ以外の誰がこれをカバーしてたのか判らず。小さな謎です。
それに、随分と歌詞の乗せにくいリズムの曲だったろうなとも思います。

変わったメロディーだし、アレンジも洒落ッ気があるし、ユニークなフィーリングが
どことなくA面の「レモンのキッス」に相通ずるところを採ったものか判りませんが、
繰り返し聴いても私の耳には馴染まない歌です。
しかし、さすがにピーナッツの歌は上手で、このような難曲をこなしてみせています。
この曲の良さのポイントはしっかり押さえたな、という感覚はこちらに伝わります。
それでも感動は薄いのですから、曲そのものに力が無いのではと感じてしまいます。

今時はあまり聴けなくなったウッド・ベースがブンブン良く鳴ってます。
右手のピアノの音色が明るくクリアで素敵。ドラムのブラシ・プレイも味があります。
ちゃんと弦楽も入っていて、B面でも手抜きなんかまったくありません。
なぜなら、A面はビッグ・バンドの編成で吹き込みしています。弦はなしです。
演奏者表記は同じオールスターズ・レオンでも、B面の録音ではがらりと編成を変え、
つまり、ついでに録音したりしたものではないことがこれでわかります。

ラジオではたまに流れたことがありましたが、テレビやステージでは歌わなかったし、
ヒット狙いもしなかったので、もう全然話題性もない曲だったなと思います。
それでもCDは昔のようなシングル盤ではなく、アルバムになっているわけなので、
ずっと通して聴くのに邪魔になるというほど酷い歌ではありません。
人の好みは千差万別です。この歌が大好きだという方もいらっしゃるかとも思います。

<重箱の隅:余話>

ジャケットのDIDN’Tの文字の「’」手書きしたみたいだなあ。(笑)
(2003.12.10記)