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♪サンタクロースがやってくる   1960.10
SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN
  作詞:Haven Gillespie, 作曲:J.Fred Coots 訳詞:音羽たかし
  編曲:宮川 泰 演奏:シックス・ジョーズ

   

   翌年発売の新ジャケット

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

♪サンタが町にやってくる     1962.11
SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN
  作詞:Haven Gillespie, 作曲:J.Fred Coots 訳詞:たかお・かんべ
  編曲:宮川 泰 演奏:レオン・サンフォニエット

   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★ ★★★★* ★★★★★ ★★★★★

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まず、ややこしいことの整理を先にしたいと思います。
ザ・ピーナッツの「サンタクロースがやってくる」と「サンタが町にやってくる」は、
どちらも1937年に作られた「SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN」で、同じ曲です。
しかし、直訳=サンタクロースがやってくる では別の曲もあります。
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 サンタクロースがやってくる(1947作曲)
 HERE COMES SANTA CLAUS
 作詞:Gene Autry,Oakley Haldeman, 作曲:Gene Autry,Oakley Haldeman,
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この曲はドリス・デイなどが歌いました。

さて、まず、1960年版の紹介からですが、これはCD化もされました。

♪リンリンリンリン リンリンリンリン.....
 さあさ 泣かないで すねないで 表をご覧なさい
 サンタクロースがやってくる
 ほら 象さんや お人形や 自動車をかついで
 サンタクロースがやってくる
 サンタのおじさんは いつも見てる 誰が悪い子か 誰が良い子か
 さあさ 泣かないで すねないで 表をご覧なさい
 サンタクロースがやってくる
 リンリンリンリン リンリンリンリン.....
 (間奏)
 不思議の国の 小人たちは クリスマス・ツリーの周りに 町を建ててる
 (ハミング)
 さあさ 泣かないで すねないで 表をご覧なさい
 サンタクロースがやってくる
 サンタクロースがやってくる

ふつうの歌詞とは違うのかも知れません。もしかするとピーナッツ用なのかな?
でも「サンタのおじさんは いつも見てる 誰が悪い子か 誰が良い子か」という
部分は、オリジナルの作詞者ギレスピーは、自分が昔母親から、サンタクロースが
自分の行動を見ていて、いい子にしていないとプレゼントは貰えない、という風に
言われていたことを思い出しながら、地下鉄に乗りながら一気に歌詞を書き上げ、
これを作曲のクーツのもとにもって行ったそうなので、正しい訳詞でしょう。
それに、この箇所が私は大好きなんです。子育ての基本がここにあります。
今の時代「金」しか価値がなく、何をしようが「金持ちが勝ち」みたいな感じで、
殺伐としてて、人間がどうあるべきかを見出せないようですが、やはりどこかで
善行を積む子は見ていてくれるんだよ、という観念が欲しいなあと思います。

さて、もう一つのバージョンである1962年版では歌詞が変わります。

♪さあさ あなたから メリークリスマス わたしからメリークリスマス
 Santa Claus is comin' to town
 ねぇ 聞こえてくるでしょう 鈴の音がすぐそこに
 Santa Claus is comin' to town
 待ち切れないで おやすみした子に きっとすばらしい プレゼント持って
 さあさ あなたから メリークリスマス わたしからメリークリスマス
 Santa Claus is comin' to town
 リンリンリンリン リンリンリンリン.....
 (間奏)
 クリスマス・イブを 指折り数えた 幼い思い出も 今宵なつかしい
 さあさ あなたから メリークリスマス わたしからメリー クリスマス
 Santa Claus is comin' to town
 Santa Claus is comin' to town

こちらの歌詞の方が一般的なのかも知れません。
ただし「クリスマス・イブを 指折り数えた 幼い思い出も 今宵なつかしい」を
抜かして「待切れないで...」をリフレインする場合も他の歌手ではあるようです。
歌詞としてはどちらも捨て難いのですが、Santa Claus is comin' to town と
英語が混じるよりも、前者の、サンタクロースがやってくる、と歌った方が好き。
最初に、混乱の整理を書いたことにも関連しますが、ここにこの歌詞を充てたいので
曲名を「サンタが町にやってくる」じゃなくて「サンタクロースがやってくる」に
どうしてもしたかったのではないかと思うのですが、どうなのでしょうね。

<両者に共通するポイント>
♪リンリンリンリン リンリンリンリン.....というのが同じように入っています。
これは恐らくアレンジの宮川さんとかナベプロのスタッフの発想だと思うのですが、
これがもう最高です。ザ・ピーナッツのクリスマス・ソングなんだというイメージが
これで確立されたようなもの。この効果は抜群。とにかく可愛らしさこの上なしです。
伴奏ともここ合っているんですね。楽しさがここから膨らんで来るんです。
いかにも嬉しいクリスマスが近づいてくる、サンタさんが来る、という喜びが昂揚。

1960年版は、コンボ・バンドで小回りが効いててスピード感もあり、軽快です。
1962年版は、オーケストラ編成でちょっと重厚。ゆったりでゴージャスです。
でも、アレンジはどちらも宮川泰さんなので、基本的な構成は同じなのです。
同じ構成がそのまま使えるということ、そして、この構成が最高だと思ったからこそ
これを継承したのだと思いますし、究極のアレンジと自負されていたことでしょう。
特にいいな〜と思うのは、1960年版の
♪不思議の国の 小人たちは クリスマス・ツリーの周りに 町を建ててる
そして、1962年版の
♪クリスマス・イブを 指折り数えた 幼い思い出も 今宵なつかしい
ここのところは、歌詞の上でも、起承転結の「転」に当たる重要部分なので、
ここだけを、ゆっくり歌い上げているのですが、この演出が素晴らしいと思います。

どっちもデジタル化されていれば良いのですが、残念ながら1960年版だけです。
しかし、どっちを優先させるかというと私は、こっちで良いとは思います。
シンフォニックなアレンジも捨て難いのですが、この曲には1960年版が良い。
クリスマス・レコードは無差別級の歌手の見せ場でもあると思いますが、この歌は、
これが、ザ・ピーナッツだよって、誇らしく推薦出来る一枚でもあります。

☆ピーナッツ・ホリデー☆の素敵なクリスマス・レコード特集記事もどうぞご参考に!

(2003.12.13記)


<追記>
  たかお・かんべさんの訳詞の元々は、
さあ あなたから メリークリスマス で始まるのですが、
  ピーナッツは
さあさ あなたから メリークリスマス と「さ」が余計に入っています。

これは音羽たかしさんの訳詞とチャンポンみたいな結果になっていますが、
これにはわけがありそうです。

この歌は弱符から始まる弱起の曲(アウフタクト)なのですね。
あなたから、の「あ」が強拍なのです。ですから、
さあ、は、4拍目ですが、そのままじゃ単調で、メリハリが出ないのです。
ジャズのシンコペーションは、タータ、タータ、という感じですので、
ここは、さーさ、すなわち、さあさ、が、リズムと合っているのだと思います。
(2003.12.14記)


<再追記> 2004.11.26 遂に両バージョンが収録されたBOX発売!!!

      キング・レコードの快挙だ!