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佐渡おけさ  録音:1970.06 初発売:0970.08
 <新潟県民謡>   編曲:宮川泰 コーラス:フォー・メイツ

  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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この曲は「お国自慢だ! ピーナッツ」のCDの中でも三番目位に好きです。
トップは「伊那節」、次点が「八木節」、かっこよくて楽しくて大好きです。
この「佐渡おけさ」も「伊那節」同様にビッグバンドをバックに歌っています。
ですから、受ける印象は「伊那節」と良く似ています。
http://homepage.mac.com/infant/home/065.html

「伊那節」も金管楽器が大活躍してビッグバンドの魅力満載なのですが、この
「佐渡おけさ」に至っては、歌が主役なのかバンドがそれなのかわからない程。
間奏が単なるツナギじゃなくて、むしろそこまでの引き立て役がピーナッツ?
凄いです、ハイノートのトランペット。気持良さそうにうねって吹いてます。
ライブ録音では聴く事がありますが、スタジオ録音で伴奏でこんなの珍しい。
宮川さんはやっぱりバンドマン出身のせいなのか楽器をやる人がこういうのを、
と思うところのツボを押さえた、演奏の楽しさを盛り込んだアレンジが多い。
これでノレないようじゃ楽器やってもしょうがない、プロだってやる気になるに
違いありません。

レコーディングのためのメンバー寄せ集めじゃあ、こんなサウンドは無理です。
一流のビッグな名のビッグバンドの演奏に違いない。(ナベプロ系でしょう)
このCDは、洒落た小編成のバンドと、弦楽器付きのオーケストラ編成のと、
完全なビッグバンドのフル編成のと、三通りの録音が組み合わさっています。
恐らく、録音タイミングも違うのでしょう。(三日間かけたのか?)
キングの先輩、江利チエミさんも民謡をジャズっぽく歌って大好評でしたから、
その延長線上にあるという見方も出来ますが、アレンジャーが違うこともあり、
また違った味がピーナッツにも聴けると感じます。

こういう変化球のような類いの歌でも、ザ・ピーナッツの歌声はテンションが
下がらないのが凄い(というか面白い)。
CMソングであろうと怪獣映画のテーマであろうとエネルギーが充満している。
後発の女性デュオはキレイに歌ったりはしますが、このパワーが違いますね。
意識的に押さえて歌わない限り、ピーナッツは全力投球しちゃうタイプなのかも。

前奏の前に、いかにも北海の荒波の音をイメージするサウンド・エフェクトが
入っていて、その波のうねりを音楽に置き換えたようなイントロが流れます。
このスウィング感は当時としてもかなり古典的なフィーリングだと思います。
その古臭さが魅力です。懐かしい時代のビッグ・バンド・スウィング・ジャズ。
懐かしいとはいいながら、本当はあと10年くらい早く生まれていたらという
面もあるほど、私の青春時代より、もっともっと以前の雰囲気なんです。

スウィングガールズという映画で演奏された古典的なビッグバンドサウンドが
古かろうがなんだろうが、いいものはいい、超かっこいい、ことがわかりました。
聴く人の年齢や環境がどうあれ、感動するものは人間だから共通しています。
この「佐渡おけさ」だって、やっぱり何時聴いてもかっこいいです。
やっぱり楽器というもの、音楽というものは電子的にではなく人間が腕で指で
息で奏でた音で成立している方が本当の感動があるように感じます。
このアルバム全体におとなしく整っているというよりエキサイティングで演奏も
スリリングでダイナミック。同じ聴くなら、こういうのを聴かなきゃ、損、損。

(2004.10.28記)