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♪マルゴのタナベ    1961.10.26録音
   作詞・作曲:三木鶏郎 コーラス:フォーコインズ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★

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♪マル、マル、マル、マル マル5つ
 マルゴのタナベ タナベのくすり

このメロディーは主にラジオで流れておりましたが、当時は新聞広告も多く、
この田辺製薬のマークはお馴染みのものでありましたが、現在ではあまり目に
しなくなったため、この歌だけ聴くとなんのことやらわからない世代も増えて
いるかも知れないと思い、旧ロゴマークをここに表示してみました。
現在は三菱ケミカルホールディングスの傘下にあり、このマルゴのマークは
殆ど使用されていないようです。

この歌は商品PRの歌じゃなくて企業CMでありますから重要度が違います。
これを歌った時点では田辺製薬は武田薬品工業に次ぐ我が国第二位の売上げが
ある大製薬メーカーだったのですよ。三番目が三共製薬でした。
また別経営だった東京田辺という会社もあったし、大阪の製薬御三家といえば
武田/田辺/塩野義であり、中でも田辺は300年以上の歴史を持つ老舗です。

現在は業界再編が進んでおり、国内8大メーカーといえば、2009年時点で、
 1、武田薬品工業  売上=7554億 純利益=1806億(半期9月末)
 2、アステラス製薬 売上=4946億 純利益= 834億(半期9月末)
 3、第一三共    売上=4705億 純利益= 186億(半期9月末)
 4、エーザイ    売上=3949億 純利益= 309億(半期9月末)
 5、田辺三菱製薬  売上=1982億 純利益= 135億(半期9月末)
 6、塩野義製薬   売上=1326億 純利益= 115億(半期9月末)
 7、大日本住友製薬 売上=1322億 純利益= 126億(半期9月末)
 8、大正製薬    売上=1297億 純利益= 103億(半期9月末)
          (※アステラス製薬/山之内製薬と藤沢薬品が合併)
となっております。年間での業績数値はこの二倍ということなります。
アスパラで生き抜こうの宣伝で馴染みだった田辺製薬は次第に下位に下がってきて
いますし、リポビタンDや風邪薬パブロンで知名度ナンバーワンである大正製薬や
元気ハツラツのオロナミンCが爆発的に売れていた時代でも大塚製薬も巨大企業で
ないことは案外大衆はご存知ないのが不思議といえば不思議。
テレビや雑誌などの広告の多さと企業活動のスケールは全く別物なのですがねえ。

余談はさておき、日本テレビの企業CM、文化放送の企業CMなどもそうなのですが、
ザ・ピーナッツが企業そのものをPRするCMソングを歌っている例はかなり多く、
清潔感や健康的な明るさを持つ代表的な歌手であるというイメージが強かったのだと
考えざるを得ません。芸能界独特の暗黒的要素のスキャンダルとは無縁と評価されて
企業の看板としての歌を歌う役割を安心して任せられたのだろうと思います。
最近の歌手や俳優では、安全そうなのはあまり見当たらないような感じもあります。

輝かしい時代のマル五の田辺のCMソングであったことを念頭に置いて聴きましょう。

(2010.01.28記)