■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

♪パパはママにイカレてる   1960.9.10
  PAPA AIME MAMAN
   原曲作詞:Robert Henri Chabrier 原曲作曲:Jo Moutet
   訳詞:音羽たかし 編曲:宮川泰
   演奏:シックスジョーズ
   録音:1960.8.6
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この歌のルーツについて先ず書こうと思ったのですが正直申し上げて
よく知らないのです。私が13歳の時のヒット曲ですからね。
カテレーナ・バレンテが歌ったとか、親日家イベット・ジローさんが
日本語で歌ったとかの情報もありますが、よくわかりません。
ネットの時代なので色々と調べたら、こんなのが見つかりました。
これが元祖なのかしら?
http://lapineagile.blog.fc2.com/blog-entry-128.html
https://www.youtube.com/watch?v=J5Qn9HgZz28

「パパはママにイカレてる」というタイトルはザ・ピーナッツ盤だけの
ようで、一般的には「パパはママが好き」で通っています。
イカレてるのは好きを通り越してクレイジーなほどに愛してるのかな?
NHKテレビのみんなの歌で、ザ・ピーナッツが歌っていようですが、
タイトルは「パパはママが好き」で、歌詞も違います。
http://www2.nhk.or.jp/minna/search/index.cgi?id=MIN196210_07

 うちのパパとママとはとても甘い夫婦
 ママはパパが大好きパパもママが好きさ
 ママにこにこ パパにこにこ
 ぼくもにこにこ みんなにこにこ

 ママの炊いたご飯はいつもおこげだけど 
 パパはいつもにこにこ文句ひとつ出ない
 ママしおれる パパなだめる
 ママ笑えば パパ微笑む

 冬になれば生まれる可愛い可愛い赤ちゃん
 僕も少し威張れるだって兄貴だもの
 ママごきげんパパごきげん
 ぼくもごきげん みんなごきげん

ザ・ピーナッツ歌唱ではありませんが、こんな感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=RqRl_E9aYvk

ハンドルネーム「ラ星」さんが、凄まじい記憶力で以前この歌詞を
掲示板に書いてくれましたが現在調べた内容とも合っております。
チャチャチャのリズムでとてもパンチの効いた歌唱で、時折、遠く
スマイリーさんと思われる「ウー!」が入ったような。
残念ながらザ・ピーナッツのお二人は登場せず、クレイ・アニメ
(粘土人形)の三人家族が、子犬と一緒に小さなお家に住んでいると
いう絵柄だったと思います。
とのことです。見たいなあ!

さて、こちらのレコード盤の「パパはママにイカレてる」ですが、
異例なほどに小編成の演奏がバックです。
シックスジョーズの6人が、更に5人くらいで演っているのです。
大活躍はフルート、電気ギター、ドラム、そしてウッドベース。
ほんのわずかにサックスが鳴るだけです。
なのにこの満ち足りた充実感はなんなのでしょう!

この歌をご存知でない方は、まず聴いて下さい。
(注意:将来リンク切れになる可能性があります)
https://www.youtube.com/watch?v=s4aNoAhLa3Q

この明るさ、屈託のなさは良いですね。とっても楽しいです。
こういうちょっとコミカルな歌はアイドルだったら歌いません。
ザ・ピーナッツはアイドル歌手じゃないのです。
面白く愉快なことにも積極的にチャレンジしちゃうのです。
おふざけレベルじゃなく大真面目に取組むんです。
でなきゃモスラ映画に出演しませんよ。ふつう。
今でこそ経済大国になった日本ですが、この頃は大変な時代です。
こういう歌がどれだけ日本人の心を和ませたかしれません。

軽いことに意味がある歌なので、あえて軽妙な小編成バンドでの
録音をやったのだと思います。
なんだけど、演奏に隙間風が入ってこないのです。密度が高い。
宮川節のアレンジがとても効いている。合いの手がいいんだなあ。
フルート(この頃は松本英彦じゃありません)が八面六臂の活躍。
ギターは超天才の松宮庄一郎が凄くセンスの良い音で聞かせます。
ドラムはザ・ピーナッツを名古屋で発掘したジミー竹内さん。

タムタムの音もチャーミング。もうこれはファミリー録音でしょう。
あれれ、宮川さんは何をやってたのかしら?(笑)
モニター室で、おやつなんか食べてたりして。
「うん、これはおいしいね」だってさ!

(2015.7.11記)