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ヘロー・メリー・ルー   1961.9.30
 HELLO MARY LOU
   原曲:G.Pitney
   訳詞:音羽たかし 編曲:宮川泰
   演奏:シックスジョーズ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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え〜、この歌のルーツは当時も今もよく知りません。
Wikipediaで検索すると色々なことが書いてありますが、コピペするのも
無意味なのでやりません。皆さん各自でどうぞ。
ただし気をつけることは検索タイトル「ハロー・メリー・ルー」です。
ザ・ピーナッツの歌のタイトルは「ヘロー・メリー・ルー」なんですが
世間一般には「ハロー……」らしいのです。

これが元歌。
https://www.youtube.com/watch?v=ttMt9SHRwsM

なんか、ザ・ピーナッツの方が良いですねえ。(笑)
カントリー&ウエスタンらしい味があるのはリッキーネルソンの歌声の
方でしょうが、バックの演奏はどう聴いてもザ・ピーナッツ盤の圧勝!
これには理由があると思います。

渡辺プロダクションの成り立ちを考えるとバンドの斡旋業主体でした。
歌手やアイドルの大芸能事務所に育つのはずっと後です。
当初は多くのバンドの面倒を見ていたんです。
この当時のバンドは進駐軍キャンプのお仕事が多かったわけですから、
彼等の血肉でもあるカントリー&ウエスタンが出来なきゃ駄目でしょう。
なので名手を擁していなきゃ商売にならないし、社員ではない場合でも
腕利きをエキストラで拝借するなんてことも得意だったはずです。

なので間違いなく本邦最高レベルのウエスタン演奏となっているのです。
右チャンネルのギターは松宮庄一郎さんなのでしょうが、左チャンネルの
スチールギターがまた凄え上手いですねえ。


オリジナルには入っていないスチールギターがザ・ピーナッツ盤の白眉。
この盤はもう演奏を聴くだけでも買った値打ちありでしょうね。

たかが伴奏にそんなに力入れてないんじゃないの?
いやいや、たかが伴奏じゃなく、バンド演奏はナベプロの本質的価値。
そこから始まった企業なんだから、そこは疎かに出来ないでしょう。
ましてや社長がリーダーやってるバンドが下手だったらみっともない。
そして何といってもザ・ピーナッツはナベプロのフラグシップですよ。
ナベプロの象徴的歌手です。下手は伴奏なんか出来ない。旗艦級です。
連合艦隊で例えれば、長門・陸奥でございます。長門・陸奥は双生児艦。


(あれれ、変なの貼っちゃったかな。インファントの品位暴落だ/笑)

ところでカントリー&ウエスタンはあちらでは根強い人気だそうですが
日本では一部の大好きな方々が熱中してるだけみたいに思うのです。
デキシーなんかもそうですが流行り言葉でいうとオワコンでしょうか。
日劇ウエスタンカーニバルなんてのが大流行してウエスタンバンドも
実際には出演してるんですが、中身はロカビリー大会だったでしょう?

大ヒットナンバーなんだけど、どう聴いてもこの曲は地味ですよね。
なんか、のんびりしちゃって。そこが良いのでしょうけど。
実際、THE PEANUTS BEST 50-50でのファンによる曲目リクエストでも
50位内に入ってこないし。
さよならコンサートのポップスメロディーでは歌ってるんですけど、
英語で歌ってるんだよね。レコード出したこと忘れちゃったのかしら?

この頃の海外ヒット曲はレコード各社競作で色んな歌手が歌った。
このヘロー・メリー・ルーもザ・ヒット・パレードでは他の歌手も
歌っていたのだがレコードを誰と誰が出しているのかよく知らない。
弘田三枝子さんがたしか歌ってたのですがユーチューブにはないみたい。
アイチューンではダウンロード販売で買えるのでそちらでどうぞ。
断片視聴した感じではザ・ピーナッツ盤の方が演奏は達者のようです。
それになんといってもザ・ピーナッツ盤はステレオ録音ですから。
弘田三枝子さんのポピュラー曲は歌は天下一品なので惜しいです。
もうずっとカバーポップスはモノラルなんです。なんでだろ?

ハイレゾで聴くと更に素晴らしいなんてのは録音も良いからです。
つくづくキングレコード所属で良かったと思いますよね。

ハイレゾのDSDで聴いたからなのかどうか……わかりませんが、
右チャンネルにビブラフォンの音が入ってることに気付きました。
シックスジョーズのビブラフォンは安藤八郎という方です。


このバンドはメンバーが色々変わるのですがビブラフォンは不変。
ジャズプレイだと大活躍するみたいですがザ・ピーナッツの伴奏
では目立つことは滅多にない。イエローバードくらいかな?
殆どが隠し味みたいな、むしろ隠れ味かな。(笑)

じゃあハイレゾじゃないと聴こえないのかとCDを聴いてみたら
ちゃんと聴こえるじゃない。なに聴いてたんだろう。ボケが。
たぶんハイレゾだと内声部が充実してるからじゃないかと思うの。
外声部というのはメロディーラインとベースライン。上と下です。
内声部はハーモニー成分。これも大切なんですよ。
CDはエッジがくっきりハッキリなのでそれでも普通はOKです。
でも、ああ、いいなあ、と感じるのは案外ハーモニーでしょ。
ハイレゾは中音が良い。ハーモニーが素晴らしい、そう感じる。

(2015.07.14記)(2015.07.17追記)