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♪ロンリー・ワン 1961.04
THE LONELY ONE
原曲:Duane Eddy,Lee Halzewood※ 訳詞:岩谷時子 編曲:宮川泰
演奏:渡辺晋とシックス・ジョーズ
録音:1961.02.18
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
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ロンリー・ワンといえばナット・キング・コールしか思い浮かばない。
なんだけど、昔買った彼のアルバムにはこれが入っていなかった。
彼の歌で定評のある曲というのはとんでもなく多くて普通のベスト盤には
入り切らないのだと思います。
ネットで調べてみるとCD一枚物には入らないし、CD二枚物でもダメ。
CD6枚のボックス物でやっと入ってくる。
……と書いてきて、ふと気付いた。
お手軽にベストヒットを網羅したようなCDを買い求めるような熱心さに
欠けるアプローチじゃダメなのでは、アルバム指向でさがせば、と思った。
そしたら、あったんです。
Complete After Midnight SessionsというCDに入ってます。値段も格安。
美空ひばりさんが追悼盤で歌ってるのが日本発売盤では希有なのかも。
昔のことなのでどうなのか知らないが、それほどのヒット曲ではなかった
可能性もある。私には素晴らしいメロディーとは感じられないんだよね。
なのにナット・キング・コールのこの歌をユーチューブで聴いてみると
やっぱり良いんだよね。もう最初の一節の歌声で納得させられてしまう。
この人が歌うとどんな曲でも、というと問題かもしれないけど、歌の力で
聞き惚れさせてしまうようなところがあるんじゃなかろうか?
美空ひばりさんのナット・キング・コール追悼盤もそういう面が大きい。
ザ・ピーナッツ盤は世間じゃ何も評判にはなっておりません。
だけど、私はザ・ピーナッツが歌うこと自体で異次元の素晴らしさを感じて
しまう人間なので、冷静に評価などは出来ません。
実際、この曲でもザ・ピーナッツだから出せる妙味があるのではないかな。
この曲もそうだけど、このアルバム自体がナベプロのファミリー作品です。
これで楽しくないということになればナベプロの存在が否定されるわけ。
よほどの小さな個人企業でない限り、社長が現場で一緒に働くなんてのは
普通の世間じゃありえないけど、渡辺晋とシックスジョーズという形では
率先してバンドを引っ張らなきゃならないわけで第一線労働者でもある。
ピーナッツ・ホリデーの舞台やらザ・ヒットパレードのスタジオやらでも
社長自らベースを弾いていたのである。
そのためか私はザ・ピーナッツのレコードでもご本人が弾いているものと
思い込んでいたのですが、よく考えると録音なのだから必ずしもご本人が
弾く必要がないようにも思えるのです。
音楽雑誌の人気投票ではベースマンの部門で渡辺晋さんは上位に君臨し、
バンドリーダーでもあるのですが、そんなにお上手だったのでしょうか?
「若いって素晴らしい」という宮川さんの著作本の中で社長のベースは
音程が悪いと二回も書いている。もちろんギャグなんだけどね。
またバンド仲間では、シックスジョーズじゃなくてファイブジョーズと
ワン下手、という冗談が流行ってたという。言いたいこと言うよね〜。
どんなこと言われても社長はベース弾くのが大好きだったとは思います。
でも録音の時はゴーストベーシスト起用だったのかもしれません。
ナベプロ内には社長より遥かに腕のたつベースマンがゴロゴロいたはず。
むしろ録音時には弾かずにモニター役で全体の出来を掌握して指示等を
行った方が結果が良くなると思うのです。
クラシックの指揮者でも録音時には助手に棒を振らせて自分は総合的に
サウンドを確認して録音バランスを整える人も居たのですからね。
宮川さんの言うような音程の悪いベースの音は録音では鳴っていないので
社長じゃないのかな、なんて考えるようになりました。(笑)
「歌は世に連れ」とか言われますが、お笑いの世界などの方が時代に敏感。
ドリフターズは面白いが、クレージーはつまらないなんてよく言われてた。
5年10年で環境がどんどん変化してるので面白いことの基準も変わるのだ。
クレージーが面白いのはステージ。次がテレビで、映画は死んでる、とか
言われたが、それはリアルタイム性の違いであろう。
今はこういうのが私は面白いと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=790OymcM-XA
なんだよこれは、と思うかもしれないけど「スーダラ節」がシャボン玉で
流れた時はお茶の間が吃驚したと思う。その時点の常識を覆したからだろう。
ドリフターズの舞台で大道具の仕掛けで家が崩壊するのだってぶったまげた。
子供の頃、雲の上団子郎一座という舞台中継を観てて大爆笑したものだった。
エノケンなんて遺物のような役者だと思ってたが、実際はとても面白かった。
映画でも残ってるがつまらない出来だ。リアルタイム性ははやり重要なのだ。
動画やビデオの類いは飽きがきてどんどん流行のものが古臭くなってしまう、
だが、音楽もそうだが音の記録は色褪せることがないように思う。
そしてアナログレコード盤はそれを聴く行為が無くなっても思い出の品物と
してのアイテムの価値は永遠だ。
それはもう半世紀近く自分の傍から手放したことがなく自分の身体の一部の
ように一緒に人生を生きて来たからで、もはや物体というよりも魂のような
ものが宿っている気がしてしまう。印刷なのに色褪せないのも不思議だ。
このレコード盤のスキャン画像を見れるようにしてあるのだが、実際よりも
綺麗に見えるように仕掛けがしてあります。
下の画像がそれです。パソコンでフォトレタッチソフトで修正してるんです。
上段の画像は修正後です。
下段の画像は元々のスキャン画像の一部ですが、妙な色段差があります。
もちろん新品の時からこうだったのです。
これはあくまで私の推理ですが、ステレオ盤とモノラル盤では右上のロゴが
違うのです。ステレオ盤で印刷原稿を作った後でモノラル盤用のも用意する
ためにステレオ用を流用したのではないかと思います。
そこで写真原稿を切り抜いてモノラル用のロゴを挿入したのではないかしら?
現在ではこんなことはパソコンレベルで綺麗に簡単に出来てしまいますよね。
現実として私のようなド素人でも出来ちゃってますから。
こういのもアナログ時代だったからこそのジャケットなんだなあと思います。
(2015.08.04記)
※原曲の作詞/作曲の作家名がメディアによりバラバラであります。
なにが正解なのか、私の知識では判別出来ませんので、最新CDに倣います。
ザ・ピーナッツのLP,CD表記
Eddy Halzewood(LP&旧CD)
Duane Eddy,Lee Halzewood(最新CD)
ネットの歌詞検索サイト
作詞:HELLER ROBERTA 作曲:HAMBRO LENNY/HAMBRO LEONARD
ネットの楽曲紹介サイト
作詞: ロベルタ・へラー・ローゼンタール Roberta Heller Rosenthal
作曲: レニー・ハンブロ Lenny Hambro (1956)
ナット・キング・コール Nat King Cole : After Midnight (Capitol)
美空ひばりのハイレゾ配信サイト
Leonard Hambro[作詞], Roberta Heller[作詞], Leonard Hambro[作曲]
Roberta Heller[作曲], みナみ カズみ[日本語詩], 不思議な表記です?