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♪夢で逢いましょう 1961.04
I'LL SEE YOU IN MY DREAMS
作曲:Isham Jones 作詞:Gus Kahn 編曲:宮川泰
演奏:渡辺晋とシックス・ジョーズ
録音:1960.08.11
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
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この曲が生まれたのは、お袋が生まれた大正15年なんだって。
そんな曲のこと、私は何も背景なんか書けません。やーめたっと。
その後、多くのミュージシャンによってカバーされて伝承されたのでしょう。
CDの作詞と作曲のお名前が逆になってるみたいですが……もういいや。
日本語訳が夢で逢いましょうなので、当然NHKテレビの同名番組テーマと
無関係です。あの歌ではありません。
ジャズ大御所のElla Fitzgeraldさんの歌声でも貼っておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=7fHT3ppE7aw
この歌をレコードで私が初めて聴いた時に真っ先に思ったのは、あれみたい。
あれとはシャボン玉ホリデーのエンディング曲「スター・ダスト」です。
雰囲気がとっても似てるんです。中学生だった私はそう感じたのです。
ところが、その感覚はあながち間違いじゃなかったことが後で判明しました。
この曲はシャボン玉ホリデーよりも以前に存在してた「魅惑の宵」という
これも日本テレビのミュージックバラエティー番組のエンディング曲でした。
これを知ったのはザ・ピーナッツ後援会報へのファン投稿でした。
番組の終りにザ・ピーナッツがこれを歌う時にカメラが二人をアップで写す。
二人がこっちに歩いて来る、そこがとても素敵です、と書かれていたのです。
これ、シャボン玉ホリデーのカメラワークと同じじゃないですか。
もしかしてスタイルも伝承されていたのかしら?
そんなのは実際に観てないから、想像するしかないのです。
魅惑の宵は夜の10時半からの放送でした。一年半くらい続いたそうです。
子供だから見せてもらえなかったというより、七人家族全員寝てましたよ。
その後「夜はたのしく」というのにリレーされたみたいですが、こっちの
番組は5回くらいで終ったそうです。
これには「光子の窓」の放送時間枠が空くのを待ってたという話もある。
さらに魅惑の宵以前に「ペトリ・ジュークボックス」があったらしいのだが
もう全く存じません。これも夜更けてからの放送のようでしたから。
ザ・ピーナッツはゴールデンアワーでの「ザ・ヒットパレード」からしか
私は見ていないのだが、当時はザ・ピーナッツは引っ張りだこの状態だとか。
我が家でテレビを買った年、NHK総合と日本テレビとKRテレビの3局しか
なかったが、翌年からはNHK教育テレビ、日本教育テレビ、フジテレビが
開局して、あちこちの局が歌番組などの新しい試みがほしかったのでしょう。
子供だったし、深夜近い放送の最後の時間帯はあんまり知らなかったです。
ただ、例外がありました。次の日が学校が休みになる土曜日だったかな?
最近でも再放送される、あの「ローハイド」です。
これは親父もお袋も大好きだったし、あの時代の番組としては中身も充実。
洋画をテレビで吹き替えで見れるのはもうワクワクしちゃう感じ。
主題歌も最高にかっこいい。現時点で見ると、そう大したことないんだけど。
この週刊誌の表紙は素敵だよね。「ふりむかないで」の衣装も可愛いし。
http://peanutsfan.net/x3703.html
ザ・ピーナッツを彼等に紹介すると、
「歌手? 童謡の……?」という反応が面白い。
ピーナッツはハイヒール履いてるんだけど、ちっちゃく見えるもんなあ!
https://www.youtube.com/watch?v=m6BXvWwAa48
「ローハイド」の主題歌が凄えいいんでドーナッツ盤買ったんだけど……
このムチの音が入ってないんだよね。代わりに変な音がカシャーン。
なんだこれはと思った。↓
https://www.youtube.com/watch?v=2KPplYp7K7M
こういうのは「若い季節」のレコードでも同じこと思ったよ。
NHK番組の主題歌はボニージャックスのバックコーラス付きだった筈で
(ダークダックスだったかも?)演奏も原信夫とシャープス&フラッツ。
そのNHK音源は無いのでしょうが、迫力が違いました。
おまけに映画が2本作られたけど、この主題歌は無視されてた。馬鹿か?
そういうわけのわからない大人の世界の事情は子供心に許せなかったな。
ぼちぼち「夢で逢いましょう」の話に戻らねば……
このLPアルバムが出来たきっかけはこの歌にあったのではないかと思う。
スタンダードナンバーを歌いたいザ・ピーナッツの思惑とスタッフの思いが
一致したようにも思うのです。よし、これをメインに据えてみようと……
実際のクライマックスは直前の「トゥーヤング」だと思うのです、あれは
凄く出来が良い。圧巻でしょう。だけど、これを聴いておやすみなさい……
そういうエンディングで終り良ければ総べて良し、という止めじゃないかな。
録音日も違うんだけど、ピアノの音が柔らかくて素敵です。
どうやったんでしょう。蓋を半開きにしたとか。毛布被せたとか。(笑)
それだけじゃなく、なんか全体が霧の中にいるような、薄暗いような……
ドラムなんか厚いカーテン越しみたいだし、とてもムードがいい感じ。
だが、しかし、夜になったからいいことしようなんて淫らな発想は無い。
それでは夢で逢うというロマンチックでプラトニックな思いにはならない。
ザ・ピーナッツはこの歌を可愛らしく歌っている。
それは、リリーズの、好きよ好きよキャプテンのごとく女子中高生のように。
しかし実際の歌詞は、唇がどうのこうの……と生臭くピュアな思いじゃない。
だが、私の無学さが幸いして何を歌ってるのわからないところが良いのだ。
それと、とても可愛らしくユミさんが歌っている部分が少し気になった。
元の詩では、They will light my way tonight.なのに、
They will light my way I'm so lonly
tonight.となっているではないか。
曲の最初も、lonly tonight lonly tonight とひとりぼっちを強調してる。
園まりさんが、ひとりにしないでね寂しくなるから……なんて歌っちゃうと、
あわわ……私で良ければ直ぐに伺いますが、なんてバカな気にもなるけれど
ザ・ピーナッツが今夜は独りじゃ寂しいと歌っても明日学校で会えるじゃん
みたいな、少女趣味の片思いソングに聴こえてしまうのです。
ザ・ピーナッツさんの夢って見たことがないです。
レコード店で持ってないレコードを発見して、目が醒めても、今の夢だよな
そんなレコード出てないよな、なんて暫くは夢うつつ。馬鹿じゃないのか。
これはレコードの夢であって、ザ・ピーナッツの夢じゃないよな。
いっぺん、夢の中でいいから、お話しなんかしてみたいなあ!
(2015.07.05記)