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♪ラモーナ 未発表だった曲です
RAMONA
作詞作曲:Mabel Wayne,Wolfe Gilbert
訳詞:音羽たかし 編曲:宮川 泰
録音:1962.05.30 イイノホール
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
未発表 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
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このラモーナという歌は録音はしたものの発売に至らなかった
未発表曲なのですが、私にはザ・ピーナッツの歌唱は耳馴染み
でした。というのはニッポン放送の帯番組「ザ・ピーナッツ」で
トークの合間に良く流れたからなのです。
ピーナッツの歌はシックスジョーズの伴奏でスタジオでまとめて
録音したと思われるニッポン放送内の蓄積ライブラリーがあって、
それを適宜ピーナッツのお喋りに絡ませて放送したようです。
ですからレコード盤の音源は一切使っていなかったと思います。
このライブラリー方式は番組内の天気予報でも使われてます。
ピーナッツに色々なお天気のパターンの原稿を読んでもらって
今日の天気予報として流していたのです。愉快なアイディア。
余計な感想ですが、テレビや映画でのピーナッツの話し方は
ちゃんとした標準語でしたが、このラジオ放送でのトークは
微妙にアクセントがオカシイことがよくありました。
恐らく事前の予習をする時間が無かったのではと思われます。
こういうアクセントの修正は歌や踊り以上に大変なのでは?
ザ・ピーナッツは寡黙というイメージが強いのはこの背景が
あったからではないでしょうか。後年は良くなりましたね。
時間さえあれば京言葉までマスターしたザ・ピーナッツ。
こういう隠れた努力もあったものと思います。
ラモーナの話題に戻りましょう。
うんと古いこの曲のことはなにも知らないので、ネットで検索。
どうも90年も昔の無声映画の宣伝用に作られたらしい。
主題歌?という記述も見られますが、サイレント映画での
メインテーマというのはどういう使われ方なのか不明。
メイベル・ウェインと、L. ウルフ・ギルバートという方の共作で
作詞作曲を共作されていますが、このウルフ・ギルバートの名、
何処かで見たことあるな〜と思ったら「南京豆売り」の作詞者。
そういえば、あれも同じくらい古〜い曲でしたね。
これだけ古いスタンダード曲ともなるとカバーはいっぱいある。
あるけれどもこれといって余り目立たない。
学校に軽音楽部なんてのがありますが、この曲、軽音楽と称すのが
とても相応しい感じ。短くて薄味。ほのぼの系。癒し系。
昔の日本ではディック・ミネさんも歌ってたらしい。お似合いかも。
その系列?でフランク永井さんとかも歌ってますね。
元は三拍子のワルツらしいんですが、鈴懸の径なんかもそうだけど
ジャズにアレンジすると四拍子になって、ノリが良くなっちゃう。
ラモーナって女性の名前らしいので男性が歌うのが正当なのかも
しれないけど、女性歌手が歌っても違和感はないよね。
ザ・ピーナッツは日本語歌詞で歌っていますが、これ珍しいかも?
♪ラモーナ たそがれの空に
ラモーナ 愛の鐘は鳴る
※ふたりだけの 愛のその小道に
かすかに今も バンドネオンが流れて
ラモーナ 尽きぬ思い出に
ラモーナ うるむその瞳
小さなその胸にやどるは
ラモーナ 君の陰
(※くりかえし ラジオ放送も同じ歌詞でした)
ニッポン放送録音時のラモーナはホントに軽く口ずさむ感じで
ほんわかと歌ってたのですが、こちらは正規レコーディングなので
気合いが入ってる。ちょっとムキになってる。
アレンジも全然違う。ラジオ向けはチョチョイのチョイの編曲。
キングレコードのはちょい重く大袈裟な録音ですが、カッコいい。
これは貴重な発掘だったと思います。
昨日録ったようなフレッシュで瑞々しく鮮明な音質が素晴らしい!
キングレコードの音源保存の姿勢の凄さに敬服します。
(2018.2.14投稿)