■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

♪ポコタの花    1960.7.15放送
   作詞・作曲:三木トリロー
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
不明 ★★★ ★★★ ★★

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この歌は「ポカンポカン(二人の四季)」とほとんど同様のルーツがあります。
ですから、そちらのテキストをコピペしておきます。

 そもそもザ・ピーナッツ名義でのアナログレコードは発売されていない曲です。
 朝日放送(ABCラジオ)の制作番組であるクレハ・ホームソングが発祥の地の
 ようです。といっても私自身この番組を全く知りません。
 関東地区ではニッポン放送で聴けたものと思われます。
 クレハ・ホームソングというのは当時の呉羽紡績がスポンサーであったとのこと。
 ここは昭和歌謡史とかテレビ・ラジオ歌謡史を研究するサイトではありませんので、
 これ以上の詳細はわかりませんし、調べたい意欲もございません。

このラジオ番組が生んだ凄い曲数のリストが下図のCDに付録で付いております。

このCDはまだ現役で発売されていますので興味のある方は早めにお買い求め下さい。

さて、ポコタの花のポコタって一体何なのでしょう?
その答えは歌詞にありそうです。

♪誰も知らない どこかわかんない
 夢のお国の花の名はポコタ

つまり空想の国の夢想の花のお名前なんですね。
インファント島に咲いてる花かもしれません。(笑)
他の歌手の方にもこのようなメルヘンソングはあるのでしょうが、
ザ・ピーナッツはかなり数多く存在します。
もう天国的に美しいハーモニーなので、作詞/作曲の先生方には
ザ・ピーナッツに歌ってもらうことを意識すると独特の世界観の
ような夢幻の世界が登場することになるのではないでしょうか。

もうテレビ放送が始まってかなりの年月が経過しているのですが、
まだこの時代は現在のような全日放送体制ではなくて放送休止時間が
日中にもあって、ましてや深夜番組など無く、テレビ放送がある
時間帯というのは限定されておりました。
一方ラジオ放送は早くから全日放送であったので、何時でも聴ける
ラジオは根強い聴取者を持っていました。
そして現在のNHKみんなの歌のような番組独自のラジオ歌謡曲が
色々と作られたようです。

NHKのラジオ歌謡や田園ソングとかこのABCホームソングは
ザ・ピーナッツだけでなく今では埋もれている佳曲の宝庫とも
言えるべき存在なのかもしれません。
ラジオって音だけなんですが、それがメリットでもありまして
高校生の時アルバイトで勤めたテレビやステレオの回路を作る
下請け会社ではBGM代わりであって兼時報装置。
これで仕事を始め、休憩や退社の合図になっていました。
8時間勤務で日給550円。当時としては有り難い大金でした。

ザ・ピーナッツは当たり前のことですが、コーラスグループです。
他のグループもそうですが個人の歌声ではないので節回しのクセが
少なく流行歌調よりも唱歌のような爽やかさがお似合いです。
ですからホームソング、CMソングを多く歌っております。
ザ・ピーナッツよりも大衆的人気のある歌手は常におりましたが、
歌唱のアクの強さを求めない歌というニーズにピッタリでした。

微かな記憶なのですが雑誌平凡か明星の歌本に掲載されていたと
思うのですが、本も残っていないし、記憶違いかもしれない。
ザ・ピーナッツがデビューしてから暫くの人気沸騰期の間では
私は8歳から10歳くらいでしたから青年向けの芸能雑誌などを
見る機会が少なく兄も姉も居ないので床屋さんでの待ち時間に
ちょこっと眺める程度でした。

そういえば、桑野みゆきさんのセパレーツ水着のカラーグラビア
を見て子供のくせにドキっとしたことがあり、人生で最も刺激を
受けた写真でした。極めて普通のグラビアではあった筈ですが、
一体なんなんでしょう? 桑野みゆきの映画など観たことないし。
ネットオークションでの古雑誌の出品をチェックしてたけど
その後見当たりません。他の写真ではどうということもないです。
(これ、一度書いたような……掲示板かな?……ま、いいか)

脱線から復帰しますが、このようなファミリーソングが似合う
人気流行歌手って昨今ちょっと見当たらない。
ザ・ピーナッツはデビューした年からNHK紅白歌合戦に出たが
前代未聞とはいえ全然違和感がなく至極当然とみんなが感じた
のは、このファミリー要素ニーズが大きかったのではないか?

しかしながら三木鶏郎さんという人は大天才なのでしょうね。
ラジオの時代は大活躍でした。テレビ創成期もそうかも。
おぼろげながらも子供のクセに歌は良く知っていましたし、
日本中に流れてました。あれもこれもトリローって感じでね。

(2018.2.10記)