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♪モナ・リザ   1963.06
  MONA LISA
   作詞・作曲:Jay Livington Raymond Evans
   編曲:宮川泰  演奏:レオン・サンフォニエット
   録音:1963.01.24 文京公会堂

    

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★ ★★★★

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モナ・リザといえば、ナット・キング・コールでしょう。
https://m.youtube.com/watch?v=I7AbBxpbiY0
https://m.youtube.com/watch?v=NIDX18Xl16s
彼には膨大な大ヒット曲が目白押し。
もちろん有名な曲はレコードもCDも持っています。
彼の歌声には誰もかなわないとも思いますが、日本人も
色んな方がカバーして歌っていたようです。

でも、私はザ・ピーナッツ・ファンであることを抜きに
しても音楽好きとしてザ・ピーナッツのモナ・リザが好き。
普通は流麗にというか句読点がないかのように歌われる
曲なのだと思うのですがザ・ピーナッツの歌唱は五線譜の
小節線がはっきりイメージ出来るような歌い方に感じる。
縦がズレないように伴奏とリズム感が一体となっている。
これはズラすのも歌唱の味わいなのですが、コーラスと
いう面もあって、とても楷書風でわかりやすい。

ナット・キング・コールさんのレコードは演奏側さえも
歌うようにテンポを伸縮自在に動かして味を出している。
でも、例えば「美しき青きドナウ」をウィーン風の独特の
ズラしをしない日本やアメリカのオーケストラの演奏でも
やっぱり素敵なんですよね。名曲ってそういうものでしょ。
ザ・ピーナッツの歌で聴いてもやっぱり良い歌だと思うよ。
むしろザ・ピーナッツが歌うことでこの曲の別の味わいが
見直されるような面さえあると私は確信しています。

この演奏が、アレンジがまた素晴らしい。
ソロで歌うユミさんとエミさんの歌声がそれぞれニュアンスが
違っていて、双生児だけど異なる人間味さえ感じられるのが、
どこか人肌の温もりがスピーカーから伝わってくるようです。
間奏のギター、いいですねえ。一音、一音が宝物のようです。
弦楽合奏の芸も細かい。これ位の有名曲になると編曲の技も
細部までお仲間にも見透かされると思うのでいい加減な事を
やったら恥ずかしい。小枝に至るまで養分が通っているかの
ようにきめ細かい音符がならんでいるように感じます。

ナット・キング・コールさんの歌声はまるで子守唄のように
愛おしさの対象に染み入るような優しい声で歌いかける。
ザ・ピーナッツさんの歌は、あのね……それからね……と相手に
語りかけるような風情で話しつづけているイメージが浮かぶ。
モナ・リザ〜バンビーノ〜男というものは〜ベニスの夏の日。
このアルバムの中のこの流れが私のお気に入りでした。
CDは好きなところへ飛ばせるので、流れはないわけですが、
今でも習慣でついつい途中では止められません。

(2019.03.20投稿)