この年の初めにシャボン玉ホリデーは300回を迎えた。
ザ・ピーナッツも既に26歳で若いアイドルとしての人気は峠を越しており、
クレージー・キャッツも番組当初ほどの爆発的な人気ではなくなっていたが、
それでもシャボン玉ホリデーの番組としての人気は高く視聴率も20%台を
キープしていて、相変わらず茶の間の支持基盤はしっかりしていた。
それはやはり、バラエティの質の高さが維持されていて、クリエイティブな
熱気がクオリティを落とさなかったからだと思われる。

ザ・タイガースや布施明など渡辺プロのニューフェイスを次々に登場させて
彩りを添えたことも人気を継続させた要因ではあったが、それはどこの番組
でも同じなのであり、色々なバラエティ番組が登場してもシャボン玉の持つ
上質な楽しさを醸し出す作品とはならなかった。
ザ・ピーナッツとクレージー・キャッツという芸能史上稀に見る巨星たちを
擁したとはいえ、スター主体ではなく、スタッフの叡智が奇跡的に相乗して
出来上った番組なのであって、将来もこれを超えることは不可能であろう。
そう言い切っても間違いないと私は信じている。


クレージーのヒット・ソングはそろそろ打止めの感があった。

ザ・ピーナッツのシングル盤リリースはわずか二枚であるが、大ヒット作の
「恋のフーガ」が、この年に誕生した。
海外での新曲リリースもこの年二枚を出しているが、これは国内には販売されなかった。


高2時代(昭和42年6月号)の記事です。(2009.10.2追加)