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♪あなたの胸に 1965.07
作詞:安井かずみ 作曲/編曲:宮川泰
演奏:レオン・サンフォニエット
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
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このレコードを買って初めて聴いた時は18歳の青年でありました。
この前に出た「マイ・ラブ」もそうだったんだけど、ちょっと苦手でした。
当時は清潔感というものをピーナッツに抱いていたので(今でも不潔じゃないが:笑)
この何というか..異性との関係を歌ったような感じは..なんか嫌だなあ、と思って。
やっぱり、お屋根のてっぺんで..恋をしちゃった! ぐらいでないとな〜、
あなたの胸に顔を埋めてというのは...ちょっと..園まりに任せておけばいいのに..
今では勿論、上記のような感覚は全く無くて、「マイ・ラブ」もこれも超大好きです。
とにかく宮川泰作曲は全て名曲。ハズレが(私には)無いというのが凄いのです。
後年は宮川先生以外の作曲がずっと続いてしまい、どうしてなんだろうと不満でした。
17年の歌手活動を通してもっともっと宮川作品を歌って欲しかった!
安井かずみ/宮川泰の当時のニューコンビはとてもいい仕事をしたんだなと思うけど、
大ヒットには恵まれなかった。
先生は「ピーナッツには色気がねえ...」と限界を嘆いておられたようなんですが、
あの時点ではピーナッツのこの手の曲がヒットに入り込む余地がない程に大人の歌が
沢山あって、上手い人もそれはそれは沢山居て、出る幕が無いという感じだった。
演歌でもないガキの歌でもない歌謡曲のいいものが次々に出ていたんだものね。
そもそも色気って何だろう。辞書をひくと、異性を引き付ける性的魅力と書いてある。
私(男性)を惹きつけるのだから、色気がたっぷりあるのに違いない。そうかな?
実際はそうじゃなくて「不特定多数の..」が正解なんだと思う。
でも、それじゃ水商売の看板女性みたいで、そういうピーナッツだったら敬遠でした。
これは単純ではない...難しいテーマだ。
うちの奥さんが色気たっぷりでフェロモンを周囲に振りまいていたら大変な事になる。
だけど、私には色っぽく、女っぽく見える(笑)。
私だって決して男っぽい逞しさは皆無だが、家内には男の代表だと映ってるのでは?
でなければ子供は出来っこないのだから。色っぽさは主観なのではないか?
じゃあ、宮川先生の言う歌手としての色気って何なのか、園まり風と理解すべきか?
変な喩えだが園まりと一緒になったら天国に行ったような極楽気分になるのだろうか。
違うと思う。普通の女性でしょう。歌詞のようにベタベタ甘えている人じゃなさそう。
結局。園まりはピーナッツより美形だということに尽きるのではないのかしら。
だとすれば色気があれば云々というのは可愛らしいだけのピーナッツには無理難題。
生まれつきのことで差別しては可哀想だ。それは芸でも努力でもないじゃないか。
ピーナッツが人気商売から足を洗ったのもそこに一因があるのではないかしら?
逆説的にセックス・アピール要素が主体ではなかったから幅広い層に支持されたし、
シャボン玉の顔だったし、17年も長く続けられたとも考えられます。
それはさておき、このレコードのジャケットの写真はお気に入りです。
モノクロだけど色っぽい。こんな表情のピーナッツがたまらなく好きです。
このジャケット見ながら、この曲を聴くと、とっても切なくてどうにかなりそうだ。
色気がない、なんて世間の男どもは「見る眼がない」だけじゃんか。
これが結論だ。文句あるか。インファントだあ。
2002/04/17(Wed) 投稿