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♪あの空の向うには (昭和41年3月録音)
   作詞:岩谷時子 作曲・編曲:宮川泰 演奏:記載なし

  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★* ★★★ ★★★★

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この歌のことは既に#018♪愛は永遠にで一度書きましたので引用してみます。
> ドリーム・ボックスほかで未発表曲の「あの空の向こうには」が入ってました。
> 商品として売り出せなかったであろうことは一聴瞭然。流行歌にはならないよね。
> これが、1966.03収録だから「愛は永遠に」はこれのバージョンアップでしょうね。
> 捨て難いフレーズが幾つか使われてます。それをしつこく使い回ししたいその思い..
> 実に良くわかるんだな、この感覚。ああ..文章も千々に乱れてしまいます(笑)。
初めっから千々に乱れているんで、今始まったことではないのですが。(自爆)
よほど、♪あの空の向うには...という節をこの世に生み出したかったのでしょうね。

岩谷時子さんの詩は健全です。幸せな健康な精神をベースに書かれています。
まるで女子高校生がノートに書くような詩です。憧れのような空想の世界なんです。
生身の人間の醜さ、腸を引きちぎられるような辛い悲しい叫びや、大人の官能の世界
のような生々しさや、度胆を抜くような切り込みはみあたらないのです。
どうということもないけど、人間ってやっぱりいいわよね〜、というおっとりさです。
悲しい詩でも実際にはそんなに深刻にはならないんです。そういうこともあるさ程度。
いやらしくもないんです。裸で恋をしよう、ってオープンに言われたらねえ。(笑)
この歌と「愛のかけはし」で、シングルを一枚出そうと思ったに違いないと思います。
どうして止めたのかも、まあ大体想像出来ますよね。(笑)

ピーナッツのレコードは全部買うのだ、と心に誓ったようなおバカさんしか買わない。
タカラヅカの舞台で歌うならまだしも、誰も興味にも話題にもしませんよ、この歌は。
多分、わかっちゃいるけど止められねえ、と、手直しして「愛は永遠に」になった?
そこまでこだわるところがアーティストたる所以だと思います。
マーケットリサーチのセンスじゃなくて、とにかく生理的に生み出したいんでしょう。
我慢が出来なかったんでしょう。そこのところがわかるような気がして愛しいんです。
名声が欲しいわけじゃない、といった、潔さまでも感じてしまうのは考え過ぎかな?

いさぎよい、といえば、ザ・ピーナッツさんの引退ほど潔い出来事は稀なことです。
そして、現役時代から「寡黙」であることも私は潔いと感じました。
●自分の作詞や作曲です、というものを一切発表しなかった。
●自身の体験です、というようなことを匂わすような歌を歌わなかった。
●本人及びゴーストライターによる手記などの出版を全く行っていない。
●衣装デザインが本人達のセンスによる所が半ば周知の事であっても、アイディアを
 出したりはするが、デザインはナガシマさんの手によるものですとコメントしてる。
●ザ・ピーナッツというチーム以外の仕事も行っていない。
すなわち歌手ザ・ピーナッツ以外のプライベートな部分は隠すということではなくて、
それを売り物にするのは潔くない、という美学に基づくものであろうと思われます。
好きな仕事、嫌な仕事、楽しかったこと、悲しかったこと、そして辛かったことも
人間なんだから色々あったと思うのですが感情を吐露されたことがありませんでした。
さよならコンサートで初めてザ・ピーナッツも泣くことがあるんだな〜と思ったし。
よほど感極まってしまったんだろうとも思うし、いつもは我慢してたんだろうなとも
感じました。だってニコニコしているピーナッツしか見た事がなかったからね。

シャボン玉ホリデーでの踊りだって、毎週毎週違う振付けなのに、いとも簡単に?
蝶々のように舞っていて、それが振付け師に言わせると、あんな踊りの上手な歌手は
他にいない、単なる歌手の余芸の踊りではない、独特のしなやかさがあり舌を巻く。
とまで言わしめたのは、椎間板ヘルニアになって入院する程の激しい修練があって、
そこから生まれたものなのに私はただ器用だな〜ぐらいにしか思っていなかった。
いや、でも、むしろファンにそう思わせておきたいのが心意気なんだろうと思います。
潔くないなあ、と最近感じるのは、沢×研×さんの奥さんとのベタベタコマーシャル。
そのことを批評するなんて筋違いだとは百も承知しておりますがね〜。(笑)
気持ちよく見れない人もいらっしゃるとは思わんのだろうか?
ああいうポリシーの方だったんだろうか?
もっと骨のある、思いやりのある人間だと勝手に良い評価をしていたんだけれどな。
♪世の中 変わっているんだよ 人の心も変わるのさ〜(日吉ミミ:古い〜〜)
ヒドイ脱線をしてしまいました。またまたゴメンナサイ。m(_ _)m