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インファントの娘(サウンドトラック版)1961録音(1978.5発売)
   作詞:池すすむ 作曲:池すすむ(=宮川泰先生と個人的に推測)
   

   ←ステレオ録音

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★★ ★★ ★★モノ

インファントの娘(レコーディング版)1961.06
   作詞:池すすむ 作曲:池すすむ(=宮川泰先生と個人的に推測) 編曲:宮川泰
   演奏:キング・レコーディング・オーケストラ
  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★* ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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インファントの娘(この場合は私の娘の意味:まぎらわしい)もモスラ映画の
ファンですが、お馴染みなのは、やっぱり「モスラの歌」の方です。
ところが映画の主題歌はこの「インファントの娘」であることになっております。
せっかく映画に出たのだから主題歌EP盤も売り出してみようとしたのでしょう。
日劇「第2回ピーナッツホリデー」第6景モスラ襲来でこの歌を歌っているのです。
写真を見ると映画の衣装にデザインは似てますが大きめの柄がついていました。
髪もロングではないようですが、お花がついていて可愛い。見たかったなあ〜。

でも、レコードのこの歌は映画のサントラとは大分違うものでした。
これは当時中学2年の私にも、編曲が違うのだと、すぐに判りました。
中学生と言えども、なかなかあなどれないものでありまして、感覚的な面で
あれば、当時感動した物は今でも何故そう感じたか、よ〜く理解出来ます。
言い直すと全然進歩していないということなのかも知れません(笑)。
映画公開より先に出たレコード・バージョンの編曲は宮川先生です。

編曲という域を明らかに逸脱されていまして、文字通り変曲が行われています。
作詞は池すすむさんですが、これはペンネームで、助監督の梶田興治さんです。
(この記載は、東宝出版事業室刊行の「東宝SF特撮映画シリーズVOL.2=
 モスラ/モスラ対ゴジラ」の本田猪四郎監督インタビュー記事によりますが、
 池すすむ=渡辺晋という説もあり裏づけが不明確です。:2003/3/2追記)
作曲も同じ池すすむとなっていますが、本当にそうなのか、私には少し疑問です。
やはり既に著名な歌手に歌わせるのですから、古関裕而さんが力を貸していたと
いうのが私の推論です。どこか「黒百合の歌」に似ているような気もするのです。
池すすむさんは作曲家として殆ど無名で、作曲者が多少曖昧なような気がします。
それだからこそ、宮川先生が思いきった編曲が出来たのではないかと思います。

この歌が使われた「大怪獣モスラ」の小美人の乗った宙空の金の馬車を夜の海上の
モスラがけなげに追う、あの有名なシーン。忘れられません。私は脳が壊れました。
あのシーンには、やはりオリジナルが合うのです。オリジナルでなければ駄目です。
「大怪獣モスラ」にはまるで歌舞伎の舞台のように大変美しい場面が登場します。
「絵」になる、というのは、こういうものを指していう言葉でしょう。

CGもなく、例えトリックが稚拙であっても、感覚が素晴らしいのです。不朽です。
DVD化が遅れていますが、何か付加価値をつける考えがあるのだろうと思います。
ピーナッツ・ファンでなくても一家に一枚は備えるべき名画だと確信します。
当のピーナッツが引退してから3年も経って、モスラ上映から数えて17年後に
なんと、サウンド・トラック盤のモノラルEPレコードが初発売されました。

更に1995年になってこのステレオ音源が偶然発見されたシネテープで蘇り、
ザ・ピーナッツものではないけれど、CDやLDで聴けるようになりました。
これは何を意味するか。私の推測では、私同様に思いの深い同世代の仲間たちが
年月を経て、映画会社、レコード会社の企画面で意見を通すことの出来る立場に
昇進されたのではなかろうか、と思うのです。これからは定年退陣が心配です。
勿論、弊害(老害?)もあるかも知れません。いつまで経っても、ゴジラと
モスラとガメラとウルトラマンの懐かしさだけではいけませんよね。

さて、一方のレコードバージョンの方ですが、これも私は素晴らしいと思う。
宮川泰先生著作の「サウンド解剖学」という本を読むと、このように改作した意図が
判るような気がします。音楽の形式美というものを大切に感じたのでしょう。
AABA(A)BAという音楽形式にしたかったのでしょう。(A)は間奏です。
オリジナルの幽玄だが楽曲としての未完成さを、きちんとさせたかったのでしょう。
この形式は後年の「ウナ・セラ・ディ東京」で再現され、先生の作品に多い姿です。

2小節にも及ぶ長大な弦楽器の下降パッセージで始まるところも斬新な編曲です。
弦合奏とアルトサックスがメロディーとは全く異なることをやっていて、それが
曲として成立する...この歌で音楽の仕組みが中学生にも良く理解出来ました。
あまり意識されないのかも知れませんが、実はザ・ピーナッツとしての歌唱面でも
この歌は物凄いレベルに達していると思うのです。絶賛ものだと思います。
私の人生を変えてしまったとも言える(ザ・ピーナッツこそがこの世で最上位に
位置付けられる存在であるという価値観を抱いてしまったから)大変な歌です。
特撮映画の際物と軽聴してはいけません。私は最高点を差し上げたいくらいです。

2002/09/20投稿

妹が持っている小美人フィギュアです。(2005.4.23追加)

モスラの模型も買いました。(けっこう高価です)東京タワーはたしか娘が買ってくれたもの。


今日、miyagawa-world<作曲家・宮川泰先生のファンのためのホームページ>の中の
miyagawa-world掲示板を見て、あっと思いました。

> 入ってなかったところをみると、モスラの「インファントの娘」は、宮川先生の曲じゃ
> なかったんですね・・。池すすむ、という名前、渡辺プロの共作ペンネームで、曲は、
> 宮川先生に違いないと思っていたのですが、外れました(^^;)

くれべえ(HN)さんという方の書込みだったのですが、これは鋭い、何故今まで、
気づかなかったのだろうか、と思いました。
真相は恐らくこれからも判明しないと思いますが、状況証拠は多いのです。
「インファントの娘」=宮川泰先生作曲説はかなり濃厚な線ではないでしょうか。
外れではなく、当確じゃないのか、と思っていしまいました。

(状況.1)
今でこそ作曲家として有名ではありますが、当時は一枚のレコードも出していません。
宮川泰作曲として売り出してもセールス・ポイントにはならなかった筈です。
(状況.2)
「スク・スク・ドール」は、レコード盤には、中村八大作曲と書かれておりますが、
実際は宮川先生との共同作品であったことが近年判明しています。

ここの文章内でも、映画で歌われた原曲を変曲&改曲し、AABA型の整然とした
メロディーに直されていることを私は書いていますが、もし他人の作曲なのであれば、
ここまで大胆に手を加えることはありえないと推察します。

あの名曲「ウナ・セラ・ディ東京」の伏線とも思えるメロディーの流れもありますし、
私の中では既に宮川先生の作曲に違いないという確信を持ちました。
何を隠そう、ザ・ピーナッツ全楽曲の中で、私が一番大好きなのは、この曲です。
(2006.9.20.追記)


インファントの娘のCD決定版が出ました。買うっきゃないでしょう。

文句無しの超推薦CD

http://peanutsfan.net/TSFCD15.html

東宝ミュージックのサイトのサウンドトラック・レポートに
興味深い記述がありました。

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 本編ではオリオン丸の汽笛にほぼ消されてしまっているが、前半部の歌詞「海の底」
の「こ」を境にしてピッチが変わっており、モノラルのPS-106と比べてみると、前半
のみをテンポアップしていることが判る。
 1978年に初リリースされたEP盤レコードは、モノラルのPS−106を使用
していたため問題はなかったが、ステレオ版のPS−106は、オケ・歌共にシネテー
プの段階でピッチが変更されてしまっているため、これまでのCDには、映画と同様、
前半のピッチが速いものしか入っていない。
 本CDでは、モノラルのPS−106、つまりオリジナルの状態を再現できるよう、
前半部分を本来のピッチに戻して収録した。映画や今までのステレオCDを聞き慣れ
た耳には、「スピードが遅い」「キイが低い」という違和感を持たれるかも知れない
が、このテンポこそが録音時の姿である。
 前半のピッチを変えた理由については、キューシートにも記載はないが、例えば、
プレイバックを聴いたスタッフ(もしくはプロダクションサイド)により、出だしが
低いという判断がなされ、ピッチを若干上げることになった、だが撮影が終了してい
たため、歌と画面のシンクロする部分が多い後半はそのままにせざるを得ず、前半だ
けピッチを上げることとし、SEでうまく隠れるよう編集ポイントが決められた、と
いう推測は可能だ。
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確かにこの通りだと思います。「海の底」の「こ」が変な音程なのです。
凄く違和感があって、映画を何度も見に行ったのですが、自分には絶対音感が無くて、
メロディーとして変だなと思っていただけでした。この音は落ち着かないんです。
レコーディングバージョンの方が好きなのも、ここに起因しているのです。
今回、ピッチが修正されるそうですから、楽しみです。
ザ・ピーナッツ・ファン、また、特撮音楽ファンは絶対に買わなければなりませんね。
出来れば、海外のファンにも提供出来るといいなあ。

(2010.07.20追記)