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♪銀色の道 1966.10
NHK−TV「夢をあなたに」より
作詞:塚田茂 作曲/編曲:宮川泰
演奏:レオン・サンフォニエット
録音:1966.8.19
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
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音楽教科書にも載ったお馴染みの名曲で、ダーク・ダックスの歌でも知られています。
作詞は日劇のザ・ピーナッツ公演の脚本・演出やシャボン玉ホリデーの作家もされた
いわばピーナッツを取り巻く連合艦隊のような名スタッフの一人でもある塚田茂さん。
宮川先生とのコンビで作ったのだからザ・ピーナッツ向けなのかというと、必ずしも
そうでもなくて、テレビで初めに紹介したのはダーク・ダックスでありました。
ところがレコード発売はザ・ピーナッツが先のようでして経緯はよく判りません。
北海道の留萌で生まれた宮川先生が幼少を過ごしたオホーツクの紋別がこの曲の楽想
のルーツだと言われています。銀色の道とは広野を走る鉄道のことです。
銀色の道誕生の地ということで「銀色の道」鴻紋軌道記念碑が紋別市旧JR紋別駅跡地
「氷紋の駅」正面に今年7月に建立されたばかりです。
http://ganbo.i.pxc.jp/picture/0309/ginironomiti/
また、同市内の鴻之舞鉱山跡地にも同趣旨の碑があるそうです。
いずみたく作曲か?と錯覚しそうな、またはフォークシンガーが作ったかのような、
宮川先生としては突然変異のような、このメロディーは何故出来てしまったのか?
その作曲時の逸話など、ここで先生が語っておられます。
http://www.musicman-net.com/relay/21/a_12.html
このインタビューは大変面白いので、先頭から全部読まれた方がいいでしょう。
http://www.musicman-net.com/relay/21/index.html
ダーク・ダックスの銀色の道はシングルA面で(B面:誓いのウエディングベル)、
レコード番号は、BS−518。
ピーナッツのはシングルB面で(A面:ローマの雨)レコード番号は、BS−515。
競作というよりも同じレコード会社なので、共存共栄を狙ったようです。
ピーナッツは「ローマの雨」を前面に出していて、NHK紅白の出場歌もこれでした。
今考えると何とゴージャスなシングル盤なのでしょう。
ザ・ピーナッツ向けのアレンジはかなりダイナミックです。
宮川先生はこういうのがお好きだったのか「ダンケシェーン」や「かえしておくれ
今すぐに」同様に息の長いクレッシェンドです。ラベルのボレロ風というか。(笑)
ネットで「銀色の道」で検索かけていたら、面白い感想を見ました。
「童謡チックな懐かしい感じのメロディーなのに、アレンジは超ノリノリのビッグ・
バンドジャズ!このミスマッチでトウーマッチな感じがとっても素晴らしいのです」
まさにこの通り。これが、宮川だあ〜文句あるか〜..という感じ。
じっくり、しんみり味わうようなフォーク調の曲とも感じられるのですが、これを
ついつい、かなり編成の大きなオーケストラでやりたくなってしまうのが宮川先生。
特にザ・ピーナッツのためのアレンジということになると必要以上に気合が入って、
なにもここまでやる曲じゃないんじゃないの? と思えるほどに大爆発します。
こんな録音をするとお金もかかる筈です。そういうことには無頓着なんでしょうね。
そういうことを考えながら聴くと、なんとも微笑ましく、楽しくなります。
人生の艱難辛苦に立ち向かって頑張ろう、みたいな真面目で深刻な歌詞なのですが、
暗さのようなものは微塵もありません。明るく前向きです。
だからこそ酒の席で歌うのではなくて、音楽室で生徒みんなで歌えるのでしょう。
本当に良い歌というのは合唱しても感動的だというような記事をどこかで見ました。
そういう意味では、ザ・ピーナッツとダーク・ダックスが歌ってみんなに親しまれた
この曲などは名作というにふさわしい歌だと思います。
(2003.9.30記)