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♪冷たい手    1964.12放送
   作詞:安井かずみ 作・編曲:宮川泰
   演奏:シックス・ジョーズ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★

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この曲も生まれた背景などについては、こちら↓を先にご覧下さい。
http://peanutsfan.net/KICS1408.html

ほぼ半世紀の長きにわたってザ・ピーナッツ・ファンを自認してきたつもりでしたが、
知らなかったことの多さに驚くことばかり。
そりゃ当然といえば当然なのであって、テレビやラジオ、雑誌やら後援会会報でさえ
全ての活動が網羅されているわけじゃなくて、どれもが氷山の一角に過ぎません。
関係者でもない一般的な大衆の一人である自分に伝わる情報は限られていたわけです。
この曲なんかもその一例でしょう。

ニッポン放送の「ザ・ピーナッツ」という番組も、これを毎日聴きたくとも聴けない
事情があり、高校生になってからの後半の放送は殆ど知らない世界でした。
あと5年ぐらい経ってからならばテープレコーダーが普及とまで行かなくとも商品と
して市場に出回って、これで録音ということも可能だったと思います。
そういう時代ではなかったからこそ、この録音が退社される方の記念にプレゼントと
いう形で残されたのでしょう。現在なら録音物なんか自分で出来るから無価値です。

この「冷たい手」は、放送されてから約半年後に「あなたの胸に」という歌となって
蘇ります。シングル盤でリリースされ、A面の曲でもあったわけです。
この歌の随想は既に書いていますので参照してみて下さい。
http://homepage.mac.com/infant/home/035.html

「あなたの胸に」の方は、クレージーキャッツ主演の「大冒険」という映画の中で
歌われていて、これは現在DVDにもなっているので見聞きすることが出来ます。
また、私自身も「日劇ピーナッツ・ホリディ/歌うザ・ピーナッツ」を見ており、
そこでも、この歌をナマで歌うピーナッツに接しているはずなんですが記憶に薄い。
どこかしら唐突で、ザ・ピーナッツのそれまでの流れにそぐわない感じがあった。
もっと後年の方が良かったのかも知れません。
とにかく、どういう路線なのか、何を目指しているのかわからない曲でした。

それが今回のCDアルバムのリリースで謎解きが出来たような気がするのです。
ザ・ピーナッツの持ち味を活かして新しい路線を開拓するというような計画性を
持って作品を作って行ったというものではなさそうだという感じを抱きました。
もちろん、ザ・ピーナッツに何かを提供したい思いはあるにしてもマーケットを
考慮して売れる曲を作るという姿勢じゃないんですよね。
宮川先生ご自身の趣味趣向で自分が気に入った曲を作ったんだなと感じます。

私はこの曲のメロディーが大好きです。
なんだけど……詩が新旧どちらもしっくりこないのです。覚えにくい感じです。
もしかすると曲先なのかも知れません。
歌じゃなくてピアノで弾いたら凄く良いような感覚を抱きます。
歌だと一寸ベタベタしちゃって。かといって演奏だけじゃ物足りないし……。
こういう、どこかもどかしい、収まりの良くない曲が宮川作品に多いと思います。
大傑作になりかけてるのに……という浮遊状態のものが沢山あるようです。
こういう曲は、編曲を他の方にやってもらうと良いのかも知れません。
(2009.03.20記)


<付録>
短期集中連載シリーズ

ザ・ピーナッツ萌え〜(その7)

フリー百科事典<ウィキペディア(Wikipedia)>によると、
おたくとは、社会的認知度が高くない趣味に傾倒する人の一つの類型またはその個人
を示す言葉である。

この定義に照らし合わせるとザ・ピーナッツそのものは社会的認知度は抜群であるが、
ザ・ピーナッツに凝るということになると、通常はマニアックになる対象ではなくて、
実際、人気最盛期でも熱心なファンである後援会員は3000名以下であった。
キャンディーズを代表するようなアイドル萌えの構図が成立しない歌手のようなのだ。
つまり何となく見聞きする対象なのであろう。通常は熱中する対象ではないのだ。
したがって、ザ・ピーナッツのファンになること自体は社会的認知度が高くない趣向
ということになりそうである。私は変人なのであろうか?

NHKニュースの気象情報担当の半井小絵さんという方が大変な美人だということで
話題になったことがあった。
へえ〜、そうなの、と思って眺めていたら、ほんとに可愛いやと思ったが、お名前が
違っていた。山本志織さんという女性だった。あらま?
後日、 半井小絵さんも見たけど、私の目には山本志織さんの方が断然素敵である。
半井小絵さん=社会的美人認知度高い 山本志織さん=オタク的美人認知度高い?

ウィキペディアでは更に社会一般からは価値を理解しがたいサブカルチャーに没頭し
コミュニケーション能力に劣る人というネガティブな見解も紹介されている。
ザ・ピーナッツに凝って何か個人的に得することがあるのかというと何も無さそう。
損得勘定で考えれば社会一般からは理解しがたいことは事実だろう。
しかしコミュニケーション能力に劣るというような特質は自分には感じられない。
そもそも個人の頭の中なんてものは社会一般とは隔絶している固有のものだろう。
平均的な人間像みたいなものをイメージしちゃ駄目なんじゃないかな。

オタク層に共通する行動特性というものが掲載されていた。出典はよくわからない。
(1)他人に良さを理解してほしいと思う「共感欲求」
(2)何でもそろえたいと感じる「収集欲求」
(3)自分の意見を広めたいという「顕示欲求」
(4)自分なりの考えを持ちたいという「自律欲求」
(5)オリジナル作品を作ったり、改造したりする「創作欲求」
(6)気の合った仲間にだけ分かってもらえばいいと考える「帰属欲求」
これって、なんだか、このホームページを主宰している意味と似ているようだ。
意識していなくても潜在的にこのように思っている部分もあるのかもしれない。
どきっとするほど当たってるんじゃなかろうか。まるっきりオタク特性と一致する。
(2009.03.21記)

<以下>ザ・ピーナッツ萌え〜(その8)へつづく。