■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
♪ローマの恋 1962.4
UN AMORE A ROMA
作曲:Carlo Rustichelli
作詞:音羽たかし 編曲:宮川 泰
演奏:宮川泰アンサンブル
ピアノ:東海林修 森岡賢一郎
録音:1962.03.16 文京公会堂
一般知名度 | 私的愛好度 | 音楽的評価 | 音響的美感 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
この曲の紹介はシングル盤ジャケットの裏面に載っております。
私は良く知らないのですが主演女優のミレーヌ・ドモンジョ
さんは日本でも大変な人気。でもこの映画そのものはあまり
評判は良くなかったようでビデオやDVDも出ていません。
YouTubeにオリジナルサウンドトラックがあります。
https://m.youtube.com/watch?v=qnMpQnZTj_c
映画のキャッチコピーは「美しいローマ、美しいメロディ、
美しい感動呼ぶ恋愛珠玉篇」というもので音楽も魅力が
ありますよ〜と謳っておりますが、オリジナルのサウンド
トラックの演奏は地味でレコードが発売されたのか不明です。
メロディー自体、私は素敵だと思いますし、このテーマの
カバーはザ・ピーナッツ盤だけではなくて、楽団演奏ですが
複数レコードが存在したようです。
しかし映画音楽のオムニバス盤などには余り入ってない。
ザ・ピーナッツ陣営というかキングレコードスタッフや
ナベプロは洋楽カバーをする場合、流行ってきたからと
いう選定ではなく映画配給会社との連携を事前に図っていたと
思われ、特にヨーロッパ系の新作映画曲をピーナッツは
歌っています。売れそうだからというより気に入ったから
という感覚でしょうか? こういうの多いですねえ。
現在はカバー曲を歌うことは歌手にとって二の次という
感覚が一般的ではないかと思います。オリジナル偏重です。
しかし歌手とは歌い手です。歌うことのエキスパート。
表現者としてはシンガーソングライター(自作自演)が
一番カッコいいとされたりしますが、美空ひばりさんは
自作曲がないから二流だとは誰も思わないはずです。
クラシックの世界では百年ニ百年という大昔の作品を
カバーするのが殆どであり、オリジナル云々は無関係。
ザ・ピーナッツのベスト盤でもやはりオリジナル曲が主で
カバー曲は相当流行った場合しか入っていません。
でも私はカバー曲も大好き。カバー曲が、と言ってもいい。
このシングル盤の両面とも原曲はインストゥルメンタル。
演奏ものというか器楽曲なんですが、ザ・ピーナッツが
歌うことでの付加的な魅力が私には大好物。
どなたが言ったのか知りませんが、ザ・ピーナッツの歌唱は
歌のスリーDなのだとか。不可思議な異空間立体サウンド。
ザ・ピーナッツ特有の二人の声音の空間の響きがあるのです。
そういう仕掛けがあるわけではなく、極めてシンプルな録音です。
38センチ/秒/2トラックのアナログテープレコーディング。
この「ローマの恋」の録音には貴重な記事があります。
是非、こちらをご覧下さい。
http://peanutsfan.net/StHiFi3705.html
現在の録音設備と比べたらウソのような簡素な機材ですが、
音質そのものは私は素晴らしいと感じます。
まあ、ハイレゾ商品まであるのですから、悪いわけないです。
蛇足:ネットの記事の一部で、すぎやまこういち初のザ・ピーナッツ
ソング作曲と書かれていますが、それは「ローマの雨」で別の曲。
そちらはオリジナル曲で、時期も4年後です。
(2018.2.12投稿)