■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

♪南京豆売り   1962.01(日立ステレオ試聴盤より)
The Peanut Vendor(El manicero)
   原曲作詞作曲:L.W.Gillbert・M.Simons・M.Sunshine
   演奏:見砂直照と東京キューバンボーイズ
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この録音が存在する事は21世紀になるまで、そしてアンカーさんに
出会うまで全然知りませんでした。
というのはこのレコードは非売品で、日立のステレオの試聴盤として
付属していたものらしいのです。
我が家のステレオ電蓄はコロンビアだったのでコロンビアの試聴盤が
付いていました。(25センチLP)

家の中に舞台があるのは母が日本舞踊(坂東流)を教えていたからで、
妹も名取り(師範)です。昔だから当然、三味線も教えていました。
日本舞踊は歌に合わせて踊るのではなく、三味線に合わせるのです。
脱線しましたが、日立製作所のCMにザ・ピーナッツが歌ってますね。

♪キドカラーの歌

そうかと思えば、パイオニアのアンプの宣伝にも出ています。

パイオニアのカタログ

浮気者というわけじゃなく(笑)あまり深い関係はないのでしょう。
さあ、そんなことはどうでもいいので、曲の感想を書きましょう。

この録音はザ・ピーナッツの歌を聴くことがメインではありません。
ザ・ピーナッツの歌声はいい加減あとになってやっと登場します。
最初のゴジラ映画でのゴジラの登場と一緒でなかなか出てこない。
というのもザ・ピーナッツ・ファンの為のレコードではなくステレオ
の試聴の為にわざわざ録音した特殊な盤だからです。
むしろ主役は東京キューバンボーイズであり、そのパーカッション。
ラテン打楽器が左中右に分かれ、これでもかと多彩に打ち鳴らします。
どうだ、これがステレオだぞ、凄いだろ! そういう感じです。

ところが、これも悪くないなあ、と思います。
なにしろ録音が素晴らしく良い。(当たり前とも言えますが)
そして歌声が等身大であること。歌のボリュームが小さいのです。
でもそれでもザ・ピーナッツは輝けるのですよ。
傍役的な存在でもやはりザ・ピーナッツは凄いのです。
ビッグバンドの凄まじいエネルギーをバックにして堂々と歌います。
そういう感じがとてもかっこいい!

それとザ・ピーナッツの歌声にエコーやリバーブがかかっていない
ような感じがする。むしろオーケストラに響きが付加されてる感じ。
なので歌声が生々しい。クラシックのオペラ録音みたいだ。
曲としての芸術性みたいな、南京豆売りとはこういう楽曲ですよと
いうようなイメージがあり、こういうの絶対にありだよなと思う。
こういうレコードをおまけで付けちゃうのは凄い。
コロンビアの試聴盤は多彩なのだがわざわざ録音したわけじゃなく、
レーベルの代表アーティストの試聴カタログ風でした。

ザ・ピーナッツの隠れていた録音が次々に発掘されて、まず最初に
「ザ・ピーナッツ・レア・コレクション」
次にボックス収納で「ザ・ピーナッツ・モア・レア・コレクション」
最後にこの「ザ・ピーナッツ・スーパー・レア・コレクション」
いやはや凄い執念です。キングレコード、あんたは偉い!
(2015.07.10記)