ザ・ピーナッツがスイング・ジャーナルの表紙を飾ったのは意味があり、
この号のトップ記事が「花ひらく、ボーカル・グループの展望」なのだ。

ここでは、音楽的にみた、女声コーラスの難しさが語られている。

 女声のヴォーカル・グループがなかなかうまくいかない原因の一つは、やはり
女声コーラス……とくに女声のジャズ・トリオがじっさい音楽的にも難しい、
というところにあるのではないかと思われる。
 女声のジャズ・コーラスは難しい。それは男声グループの倍ほどの実力があって
歌わないと男声グループのそれと同じほどには聴こえてはくれないのである。
 まずヴォイシングをつくるのが難しい。そこには発声法上の問題がある。女声の
高音と低音はグレイト・ブレイク(註:普通一点F,Gあたりにある。俗にいう
声のひっくりかえる点)をはさんで上下に声質がちがい、元来発声法もちがう。
したがって両者の交錯する中間領域はよほどたくみにコントロールされねばなら
ない。もちろん男声にもこのようなことがあるのだが、その困難は女声ほど目立
たないだけである。
 合唱はこのような三つのパートの発声のひびきを中心に統一することによって
ヴォイシングをつくり上げなければならないのだが、ジャズの場合、つかわれる
音域(クラシックにくらべて多分に低目であり、そのために常にグレイト・ブレ
イクが三声の中心に来てしまう)、つかれる声(ジャズ独特のヴォイス、胸声、
いわゆる地声がつかわれることが多い)の関係もあってヴォイシングにこのよう
な統一をつくりだすことが一層むつかしくなるのである。
 そのためにごくかんたんなコードをハーモニーさせるのにもひどく苦心すると
いうことが起こる。よほど反省的ないい耳を持たないとメンバーはこれをカバー
することが出来ない。
 そのうえこの問題は合唱技術の一つ一つについてまわるから、しじゅうこのよ
うなヴォイシングの特質と可能性を考えながら正しい練習をするのでなければ技
術的にも進歩しない。
 だからただ歌えるというだけで集って勝手にやってもダメで、かならず良い指
導者をえらんでこれにつくようにしなければいけない。
 まだただ歌っているというに過ぎない素朴な段階にいるグループが多いのでは
ないのだろうか。

まだ、デビュー二枚目の「キサス・キサス」も出ていない状況なのに、レパートリー
が70曲もあるのは立派なものですね。あの時代の歌手とはそういうものなのかな?

さて、ここに「ダイヤモンド・シスターズ」のことも書いてありました。

ザ・ピーナッツの「情熱の花」の謎の別歌詞を作詞された方達のことがよくわかりました。

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